大手私鉄

Sunday, February 08, 2026

まとめて鉄分補給^_^;

鉄分抜き*1ではクラクラするので補給します^_^;。どうせ雪で外出もままならないし。期日前投票済ませといてよかった。

JR東日本とJALの旅行協定のニュースです*2。コロナ禍が明けてからのJR東日本の回復の遅さが明らかになっております。JR東日本では以前に岩手県北自動車との提携*3や西武HDとの包括提携*4などもありますが、遂にJALとの提携に踏み込んだ訳です。旅行商品の共同開発やコードシェアなどが検討されており、日本でも遂に鉄道と航空のアライアンスが実現するかもしれません。両社を動かしたのはコロナ明けの業績不振。リモート革命によるビジネス客の減少は共通ですが、JR東日本は稼ぎ頭の首都圏輸送の戻りが遅く、製造業比率の高い中京圏や近畿圏と違ってリモートワークの影響を強く受けていることと、人口減少が厳しくインバウンドの恩恵も少ない東北地方を抱える影響もあります。その結果既にバリアフリー対応と特定区間見直しによる2度の運賃値上げをしたものの、地方ローカル線を抱え災害復旧による負担増もあって3月に本州JR初の幹線運賃と地方交通線運賃の値上げを実施します。

一方でビジネス客の減少をインバウンドでカバーして絶好調のJR東海ではいち早くコロナ明けの黒字化を達成し*5、また渡航制限解除によるインバウンド需要の取り込みもあって絶好調の結果お得なきっぷの見直しを発表します*6。ビジネス需要の減少を補って余りあるインバウンド需要の影響で、従来ガラ空きだったこだままで混雑するようになって、短区間利用対象の割引を無くす結果となりました。その裏にはのぞみ増発の影響で利用が増えてもこだまの増発は寧ろ制限される訳で、割引の意味が失われた訳です。

実はJR東海の財務の強さはリニア工事の遅れが寄与していまして、ザックリ言えば2016年の財投資金3兆円投入で、無担保30年据え置きで金利0.8%程度の低利融資という破格の条件で資金を得ました。JR東海はそれを負債勘定で計上しているので、コロナ禍で苦しむ他社が社債発行や融資拡大で凌いでいた中で、リニア工事の遅れで使途を失った財投資金を流用できたことがあります。特に静岡工区の未着工に注目が集まったことで静岡県を悪者にしてリニア工事遅れの批判をかわしていた訳です。JR東海の本音は「川勝前知事ありがとう」です。

その結果700系の改良と保安装置の改良で積み上げたダイヤの余力をのぞみ増発に充ててピーク時1時間13本を実現した訳です。しかも繁忙期全車指定席でのぞみ料金がガッツリ稼げますからこだまの混雑はスルーどころか割引の見直しで制限するという具合です。さらに在来線の車両更新も進めて民営化初期に大量発注された211系と自社設計発注車311系を淘汰してJR初の全車VVVF制御車を達成するし、しなのやひだなどの特急車の置換えなどのカネ余りッぷりです。その結果逆に資本効率は低下し、JR唯一のPBR1倍割れ企業となる訳です。それでも自社株買いなどを求めるアクティビストの餌食にならないのは資本規模が大きいからで、JR九州の規模だと狙われて災害復旧もままならない現実があります。

そんな中で攻めの姿勢を見せるのがJR西日本です*7。サバ養殖や宇宙旅行など攻めの姿勢を見せていますが、スマホを用いた線路モニタリングシステムです*8。汎用システムを利用した線路保守への応用ですが、新幹線のみならずローカル線への応用も可能で、自社ローカル線への適用のみならず大手私鉄や経営の厳しい地方私鉄などへの外販も視野に入っている点に感心します。JR西日本はICOCAでも車載型端末の開発などでやはり外販攻勢をかけており*9、ICカード乗車券でも先行するSuicaを凌ぐ結果となっています。最近はQRコード決裁やクレジットカードによるタッチ決済も普及しており、乱立していたポイント事業の統合やBaaS事業のJREバンク参入などでSuica経済圏の囲い込みに余念がないものの、イノベーションの停滞に陥っている傾向はあります。

実はビジネス客の減少は鉄道より国内線航空への影響も大きく、JALもANAも渡航制限解除で国際線は好調ながら国内線が足を引っ張る状況です。ANAは国内線の減便や廃止の一方で国際線強化を打ち出してますが、JALは国内線の収支改善のためにライバルのANAとの連携やFDAとのコードシェアなどで国内線のてこ入れを模索します。しかし上客のビジネス客の減少は座席の安値販売に頼らざるを得ず、結果的にLCCがしわ寄せを受けます*10。JAL系LCCジェットスタージャパンの合弁相手の豪カンタスが保有株式全株を日本政策投資銀行へ譲渡して撤退を決めました。その結果ジェットスターのブランドが使えなくなり名称変更を余儀なくされます。一方ANA系のピーチは元気満点で嵐コンサートでホテル不足を防ぐ為に関空~千歳臨時便を運航するというもの。なろほどアイドルの追っかけ客はLCC向きと言えますから、ブランドの売り込みは有効策という訳ですね。

結局JR東海ののぞみ攻勢で少ないビジネス客を奪われ、インバウンド狙いの国際線コードシェアで席を埋めている状況で航空側の打つ手は限られ、円安で燃油代などコストはドル建てなのに売り上げは円建てで利益は細るばかりで事実上白旗状態という訳です。JR東海のゴリゴリのマッチョなのぞみ増強がもたらした結果ですが、これ逆に言えばリニア要らないってことではあります。リニア工事の遅れで続くうたかたの春もいずれ見直しを迫られるかも。

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Sunday, November 16, 2025

鹿の敵討ち

高市首相が国会答弁でやらかしました*1。国際問題化してます*2。「能力のない頑張り屋はただただ迷惑*3」という予想が残念ながら当たりました。問題は歴代政権のあいまい戦略を無視して手の内を晒したこと。台湾有事への自衛隊の対応は公然の秘密であってもとぼけてれば相手が勝手に疑心暗鬼になる心理戦こそ抑止力なのに、よりによって国会答弁で、しかも質問通告に沿って官僚が無難な答弁書を用意しながら、無視して勝手に発言した結果、秘密が取れて公然になった訳です^_^;。

スパイ防止法の必要性を主張しながらの体たらく。元々国家公務員法や地方公務員法で守秘義務違反は刑事犯罪と定義され、トクリュウへの捜査情報漏洩で警視庁警部補が逮捕されてます*4。国家公務員の場合はさらに特定秘密保護法もあり、民間人もセキュリティクリアランス法の指定を受ければ同様です。それに加えて屋上屋を架す立法事実が存在するのでしょうか?特別公務員の議員や首長が外国のカルト宗教に便宜を図るエージェント行為、所謂壺議員を放置していることから、法律の不備より刑事司法の不作為の問題では?それよりコメ安くしてくれ!

中国の姿勢も今回は強硬ですが、幾つかか理由が考えられます。10月30日に韓国で行われた米中首脳会談で合意した関税と対抗措置の延期です*5。とりあえず米中の対立が一時休戦となった訳ですが、先に仕掛けたアメリカに対してひるまずレアアース輸出規制や米国産大豆輸入制限で対抗した結果、アメリカの方が音を上げてクリンチに逃れたのが実態です。つまりアメリカを屈服させた中国の外交的勝利ということになりますが、副産物として日本の存在感は隅に押しやられた訳です。その自信が日本への強硬姿勢をもたらしたと言えます。

加えて四中全会で党幹部の欠席者多数という事態があります*6。反腐敗運動で処分されたり拘束されたりした幹部多数で、ほとんどが習近平体制で登用された幹部ということで、イエスマンで固めた独裁体制の綻びを示します。泣いて馬謖を切った結果、反主流派のウエートが高まり、習近平総書記に逆風が見られました。それが戦狼外交へのシフトとなって現れ、日本叩きで反主流派のガス抜きを狙ったと考えられます。そして日本への渡航自粛の呼びかけとなったと考えられます。

但しあくまでも渡航禁止ではなく自粛要請ということで、実質的にどの程度の影響が出るかは何とも言えないところ。厳しい態度を見せつつ中国も落としどころを探っているとは言えます。これで中国人観光客が減れば京都などの観光公害も緩和されますし、奈良の鹿虐待も減るかもwww。まさか狙いは鹿の敵討ち?へずまりゅうレベルの愚か者だわ*8。

最後はAIのフーガ*9のフーガ(輪唱)wwwww。田園都市線梶が谷駅事故で国交省が全国の鉄道事業者に連動装置の点検を指示した結果、10事業者15駅で見つかりました。人間のやることには見落としが付きもの。ヒューマンエラーを前提とした対策が必要です。高市発言もヒューマンエラー?

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Saturday, November 08, 2025

AIのフーガ

米株式市場を追いかけて縋りつくような日本株式ですが、今週興味深い動きが見られました。前エントリー*1で株価の上昇トレンドを取り上げましたが、5日に大幅に下げて終値は5万円を割りました*2。AIバブル崩壊の懸念からか一部ファンドがエヌビディアなどテック株に大量の空売りを仕掛けて値下がりした前日のNY市場の流れから日本市場でもAI関連の売りが出て下げたもので、ソフトバンクグループのような大型株が下げた結果ですが、面白いことに翌6日には相場が5万円台に戻ります*3。AI関連は軟調ですが、内需株その他好業績企業が物色された結果ですが、ザックリ言えば日本株に流入した資金は引き続き日本に留まっているということになります。

勿論これは円安インフレによるもので素直に喜べないのですが、傾向として輸出その他で外需依存が強く関税の影響で利益を減らす製造業よりも内需関連のサービス業が業績を伸ばしています*4。まあ万博の影響もあると思いますが。それでも資本効率が改善しない日本企業の何が問題なのかということで、面白いコラムを見つけました*5。自己資本利益率(ROE)は自己資本で純利益を割った比率ですが、業績好調で利益は増えても分母の自己資本が増えれば比率は改善しない訳で、特に海外法人の売上が大きい外需依存企業では利益の本社送金をせずに海外法人が内部留保していると、決算時に為替変動を反映した含み益含み損が連結決算で自己資本に算入される訳で、円安による含み益が分母を押し上げているとすれば、なるほどROEは改善しない訳です。しかも国内からの輸出分の関税も円安効果で負担が軽くなるから利益減も圧縮される訳です、つまり日本株は円安で押し上げられているということですね。円安が反転しインフレが収まらない限りこのトレンドは続きます。

その意味では高市政権の所信表明演説で積極財政を打ち出したことは、財政悪化で円安もインフレも止まらず、企業業績が良くてもそれが賃金に反映されない限り賃金がインフレに追いつかず、国民生活は窮乏化することになります。そしてアメリカではさらに気になる動きがあります。アメリカの政府閉鎖が続いて航空管制官が無給で働いているものの、このまま続ける訳にもいかず、連邦運輸省は管制官を休ませるために航空便の減便に踏み込みます*6。言ってみれば政府によるロックアウトのような状況で、当然航空券は入手困難になり出張やレジャーは自粛または片道レンタカーなどの自衛策となり国民生活に多大な影響が出ています。

そしてそのこと自体の経済的損失もさることながら、既に1ヵ月を越える政府閉鎖で予算執行が滞った結果、政府支出による通貨の流動性の低下に影響が出ていると見られることです。つまり日本とは逆に意図せざる歳出削減効果が働いてそれが金融市場の流動性を低下させている疑いがあるということです。暗号資産ビットコインの暴落がそれをよく表していますが、この流れから本当にAIバブル崩壊に至るシナリオもあり得ます。その場合は日本も無事でいられるかどうか。但し企業が外需依存をリスクと捉えて内需関連の投資が増えれば局面が変わる可能性はあります。但し高市政権下では逆方向の動きが気になります。

例えば経済安全保障重視で造船などの海外事業の支援ってのは結局造船能力を喪失したアメリカの艦船製造を支援するって話で外需依存なんですよね。海底ケーブル敷設なども日本のデジタル赤字を拡大させるだけならサービス収支悪化で円安になるだけだし、何より明らかに大砲とバターの大砲重視の姿勢は確実に国民生活を圧迫します*7。そして台湾有事への言及が寧ろ安全保障環境を悪化させる恐れもあります*8。台湾に関しては当事者である中国も台湾も現状維持を求めており、アメリカも動けない。加えて日米共に台湾を国家承認していないから集団的自衛権行使の対象にはならないし、国際法上は内戦となりそれに対する軍事介入は重大な主権侵害になります。つまり現状の法的枠組みでは動けないから歴代政権が曖昧にしてきたところへ踏み込んだ訳で、寧ろ事態を悪化させます。

ってことでいろいろ心配はありますが、鹿を指して馬と為す*9東急田園都市線梶が谷駅の事故で政府は鉄道各社にシステム点検を指示し*9、他社でも同じ問題がありました。JR西日本や阪急阪神HD、関東ではJR東日本と京急で見つかり、それぞれ対策を発表しています*10。システム設定のミスが見つかり、今までは事故に繋がったケースはないものの、新しいシステムを導入しても設定ミスの見落としは防げない訳で、東急の見習い運転士のささやかなミスが将来の事故の可能性を摘み取ったと見れば良かったということになります。天下国家を論じて大きな物語に酔うよりも、新しいものを確実に社会実装して役立てていくというこうしたことが、国民生活を豊かにするということは声を大にして言いたいところです。

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Saturday, November 01, 2025

株価以外全部沈没

ほとんど前エントリー*1の続編ですが、事態が動いているのでフォローアップせざるを得ない状況です。

まずガソリン減税ですが、今年12月31日からの暫定税率廃止で与野党が合意しました*2。与野党6党合意ですから国会通過もすんなりいくでしょう。軽油も来年4月1日からということですが、インフレ対策なら物流費に影響する軽油を後回しというのは軽油引取税が地方税で地方から反対の声が上がっていますが、同時にガソリンが安くなることの方が国民へのアピールになるということもあるでしょう。AIが壊す社畜エスカレーター*3でも触れましたが、価格が下がって需要を喚起すると原油の輸入が増えて貿易収支が悪化して円安インフレを招くことになります。

また財源は曖昧なままで、当面税収上振れによる剰余金や法人税の特措法減税の見直しなどとされてますが、特に剰余金は繰り越して次年度の国債発行抑制に用いることが法定されてますから、年度をまたいだ単なるトバシでしかありません。具体的に道路予算削るとか自動車関連税例えば重量税の増税とか、揮発油税の負担がないEVを考慮した走行距離税とか燃料税の炭素税への1本化とかには踏み込まずに済まそうとしている訳です。この調子ですから財政規律の緩みを質そうとはしていない訳で三つ子の赤字*4はますます進みます。

そして自動車半導体を巡るオランダと中国の対立がエスカレートしています*5。ネクスペリアは元々オランダの電機大手フィリップスの半導体部門を独立させた企業ですが、中国資本に買収された結果、オランダ政府から製造技術流出の恐れということで冷戦時代に作られた忘れられた法律で規制をかけたものですが、どうも裏でアメリカが動いているようで、怒った中国政府がネクスペリアの中国にある最終製品工場からの海外出荷を制限した結果、ドイツVWや日本のホンダその他の自動車メーカーが巻き添えになっております。自動車用半導体の世界シェア4割を占める同社の製品の8割は中国工場で最終製品に加工されることから、世界中の自動車メーカーがトバッチリを食っている訳です。これ結局日欧などアメリカの同盟国が傷つくだけの不毛な争いですが、今度はオランダ政府がネクスペリアのシリコンウエハーの中国工場への供給を止めて泥仕合になっています。中国資本のオランダ企業というネクスペリアがまた裂き状態になっている訳で、トランプと習近平がにこやかに握手しても事態は解決しません。中国を除く世界の自動車産業のピンチです。

そのせいか最高値を更新する日本株でも自動車関連はパッとしません。主にAI関連半導体関連の値上がりが支えているようで、相場全体が上げ相場という訳ではありません、円安で割安感があっても海外勢は万遍なく買っている訳ではないということです。高市トレードと言われる株高も一皮むけばという感じですが、特に欧州勢の買いが優勢なのは変わりません。インバウンドやタワマン完売などに見られる安いニッポン現象です。

ほぼ500兆円で動かなかった日本の円建てGDP名目値ですが、ドル建てでは5兆~6兆ドルだったものが、インフレで600兆円を超えた円建て名目値がドル建てでは4兆ドルになっているのが現状な訳で、その分日本の購買力が低下している訳で、一番のインフレ対策は日銀の利上げしかない状況ですが*6、またも日銀は動きませんでした*7。ベッセント国務長官は別に親切心で言っているのではなく、日本政府のドル売り介入を牽制する意図でしょう。実際米ドルは円を除く主要通貨に対して下げており、ユーロ・ポンド・スイスフランなどに対して安値となっていて通貨防衛の意図ですが、欧州の主要通貨は既に米FRBに先駆けて利下げに動いていて、スイスフランに至っては日本よりも低金利なのに上昇してます。そしてFRBも今回は動いたものの*8為替は寧ろ円安に動いてドル円153円台が定着しつつあります。その意味では日銀が利上げしても大勢に影響はないのかもしれませんが、金融正常化の姿勢を示す意味はありますし、利上げを遅らせた分だけ正常化が先送りされます。

てことでインフレ下で株式の高値更新はある程度持続すると思いますが、銘柄ごとに動きはバラバラで、下げている銘柄もあります。例えばリニア事業費倍増で嫌気されたJR東海です*9。財務の健全性は複雑系エントリー*10で指摘した通りですし、財投の3兆円も30年据え置きという破格条件で現状ほぼ無利子ですから利払いの負担はなく、現状のインフレが続くなら負担にならないかもしれませんが、それ故に居心地の良い現状を抜けられなくなっているとも言えます。東海道新幹線のぞみ増強とインバウンド需要で既にライバルの国内航空便に対しても優位な状況ですから、仮にリニアが開業しても航空からの移転はほぼ見込めないとも言えます。逆に東海道新幹線の好調でキャッシュを稼ぎ過ぎると自社株買いや配当などの株主還元を求められるから現状煩いアクティビストに狙われることもないということも言えます。この辺は伝統的日本企業的なスタンスで、既に赤字ローカル線の名松線に至るまで線路も車両も更新されこれ以上の投資先が見当たらない贅沢な悩みでもあります。何ならJR西日本が渋っている北陸新幹線米原ルートを整備スキーム無視で自前整備するとか。まあやらないでしょうけど。

一方でインバウンド対応は京阪が始めたプレミアムカーが阪急やJR西日本でも取り入れられ、老舗の近鉄特急も差別化された豪華特急のラインナップを整備してます。そんな中で京阪は更にプレミアムカー2両体制と攻めてます*11。上限運賃が決められていて航空鵜のようなダイナミックプライシングが難しい中でJR東日本の中央線グリーン車や私鉄各社の着席サービスが次々に登場してますが、京阪の場合沿線開発が終わって沿線の高齢化や松下・サンヨーといった大手電機産業の撤退やJR西日本との競争激化もあって乗客が減少する中での増収策ですが、当然一般車の乗車定員を削っている訳で、それに対する批判もありますが、背に腹は代えられないということですね。

同様の動きは関東でもありまして、1つは京成電鉄の空港連絡有料特急の増強計画です*12。成田空港第三滑走路供用と3つのターミナルビル統合を成田空港会社が打ち出し、末端が単線のJRと京成の成田空港線の増強を視野に入れてスカイライナーに加えて押上発着の有料特急を2027にも導入ということで、押上が観光名所でもある東京スカイツリー最寄りで浅草にも近いからインバウンド需要の取り込みが見込めるということですね。アクティビストから将来への追加投資を迫られていた京成が動きを見せた訳ですが、同時に都営浅草線への直通も視野に入っていると考えられます。そしてそれを裏付けるような動きが出ました*13。具体策はこれからですが、JR東日本のN'EXの牙城に切り込む可能性もあります。

両社ともにアクティビストの標的にされており、投資をせがまれてしないなら株主還元を求められているという点で共通しています。加えて都営浅草線を通じて関係も深く保安装置も同じ1号線型ATSの上位互換のC-ATS*14でハードは共通で運用が異なるだけなので擦り合わせは容易です。具体的にダイヤに落とし込むときに現状のインフラの貧弱さがネックになる可能性はありますが、インバウンド対応というところは引っ掛かるものの、とりあえず投資に向かうことは評価できます。殆どシナジーのない新京成電鉄の子会社化と統合とか、系列バス会社の再編とかで守りを固める一方だった京成と、やはり沿線の高齢化と立地企業の撤退で京阪と似た苦境にある京急がアクティビストに促されて動いたということですね。日本の現状は明らかに国内の民間投資が不十分だった結果と言えますから。

その意味で日本政府が合意文書を交わした5500億ドルの対米直接投資はヤバいです*15。というのも同様に対米投資を迫られた韓国のこのニュースです*16。長くなりましたのでさわりだけですが、韓国は外貨準備の80%超に及ぶ3500億ドルの直接投資でウォン安によるインフレ昂進を懸念して抵抗していたもので、それ故自動車関税交渉が遅れたのですが、日本のように自動車関税緩和を優先してやはり確実に円安を招く巨大投資を受け入れたことは、国民生活を犠牲にして大企業を救ったということでもあります。とりあえず今回はここまでにしておきますが追って深掘りします。

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Sunday, October 26, 2025

100年殺しのアベノミクスvoL.2

100年殺しのアベノミクス*1の続編です。予想されたことですが、高市政権はインフレに関わらず積極財政に舵を切ります。個別にツッコミ入れるよりも、日本が置かれている現状の構造問題を明らかにして問題点をあぶり出したいと思います。

まず原油価格*2。トランプ政権のロシア産原油を輸入する中国やインドへの牽制として追加制裁を課した結果、原油価格は急騰しましたが、ウクライナ戦争で急騰した原油価格も落ち着いてきて1バレル50ドル台まで下がった局面での急騰で60ドル台になったというニュースですが、原油価格の相場がここまで下がっていたのにガソリン価格は下がっていません。元売りへの補助金減額の影響と円安の結果ですが、欧米では軒並みガソリン価格が下がっている訳で、日本だけ高止まりしている状況で、円安がガソリン価格を押し上げている訳です。その意味では暫定税率廃止はインフレ対策になり得るのですが、ガソリンが安くなって消費が増えれば原油の輸入が増えて貿易収支を悪化させるから結局円安で調整されてしまう恨みがあります。但し公共交通の脆弱な地方は恩恵がありますし、物価高の原因となる物流費の上昇を抑制する効果はありますので、まったく意味がないとまでは言いませんが、効果は限定的です。

あと輸出の稼ぎ頭の自動車にも異変が出ていて輸出が減っています*3。台数は維持しながら関税分の値引きで金額が減った形で、それだけ自動車メーカーの収支を圧迫します。日産の窮状はこうした背景があります。加えて別の火種もあります。中国の半導体メーカーのオランダ工場を巡る中国とオランダの対立で中国メーカーの中国国内工場の出荷制限をして独VWや日本のホンダ等の自動車メーカーがトバッチリを食うというものです*4。所謂経済安全保障をオランダ政府が重視した結果ですが、日本政府も経済安全保障重視の立場から同様の問題が発生する可能性もあります。あと財源を定めない防衛費増額前倒しも輸入装備品増による貿易収支悪化と財政出動によるインフレで国民生活を圧迫する要因となります。

そして新興国の追い上げもあり、日本は来年にもインドに抜かれます。その後ろにはイギリスも*5。2010年に中国に抜かれ、2023年にドイツに抜かれ*6、ゆくゆくイギリスにも抜かれる現状です。国じゃないけどカリフォルニアにも抜かれてます*7。中国やインドのような人口大国に抜かれるのはある意味必然で、中国に至っては今や日本の4.5倍の経済規模ですが、人口2/3のドイツや半分のイギリスに抜かれるのは話が別です。しかも独英共に一時10%を超えるインフレに見舞われて経済は絶不調なのに日本を越えていくというのは、円安による日本の購買力の低下がもたらしたものということができます。

その結果が株高になっているというと違和感を覚えるかもしれませんが、高市トレードの正体は円安です*8。円安は外貨建ての日本の株価を安く見せますから、海外勢の日本買いで相場が上昇したもので、特に欧州系の投資家が目立ちます。ドル円でも1週間で5円以上の円安が進み153円をつけてますが、それ以上に対ユーロで170円とか対スイスフランで190円とかで大バーゲン状態になっている訳です。だから株価は上がるけどその結果株式を保有する富裕層の資産効果で消費が増えてインフレを助長する一方、株式を持たない一般国民はインフレのマイナス面を引き受けることになる訳です。

特に食費の上昇が深刻ですが、食料自給率の低さが作用して円安は食料品価格を押し上げます。しかも食料品は値上げりしたから量を減らすという訳にはいきませんから買うしかないし、逆に値下がりしても胃袋の大きさで消費量が制約されるから、価格弾力性が低く、その意味で野党が求める食品の消費税率ゼロはインフレ政策として一定の効果は期待できます。但しガソリン減税以上に実務面の制約が大きく、例えば包材や物流費などの課税仕入れの負担がある一方、課税売上で税率ゼロということはその分食品の製造加工や流通の負担が増えてしまいますし、減税を反映した値下げが起こらなければ実質的な効果を減殺してしまうことになります。という訳でやはり筋が悪い。それ以前に食料自給率を高めることこそ経済安全保障の一丁目一番地です。

にも拘らず新しい農相はコメ減産をぶち上げています*9。石破政権で打ち出されたコメ増産方針は撤回された訳です。当然コメ不足は続き価格は高止まりし、米国産米のミニマムアクセス米増枠で価格逆転でトランプ大喜びでも輸入米需要が伸びて、下手すればミニマムアクセス枠を超えた分の関税負担後の価格も逆転の可能性もあり、貿易収支を悪化させて円安となり、ほぼ自給率100%だったコメまで輸入依存ということになりかねません。

あとインバウンドや土地所有問題で揺れる外国人問題ですが、インバウンドの拡大がもたらす弊害は観光公害だけじゃなく、ホテルや飲食のインバウンド価格によってつり上がり国内旅行を圧迫しています*10。同様の問題は国内航空輸送でも起きていて、JALやANAにとっては悩みの種の国内線の不振をカバーするのに国際線コードシェアという裏技で凌いでいます。鉄道と違ってダイナミックプライシングが認められている航空運賃を押し上げる要因になっている訳です。逆に上限運賃制で割安な鉄道へのインバウンド客の負荷も増えていて国内旅行の抑制要因になってもいます。事実上のクラウディングアウトが起きている訳です。

てことで東名阪の三大都市圏を繋ぐ東海道新幹線の営業成績は絶好調ですが、その稼ぎをリニアで溶かしているために*11、業績好調にも拘らずJR東海の配当性向は低いという現実があります。ちなみに鉄道株では東京メトロの配当性向の高さは特質もので、1,600円台という買いやすい価格でお勧めです。次いでJR東日本です。やや苦しい鉄ネタ締めです^_^;。

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Sunday, October 19, 2025

日出ずる国のたそがれの副首都

日本維新が自民党との連立協議で12項目の要求の中で、連立離脱した公明党が要求していた企業献金規制より厳しい企業献金廃止を打ち出しましたが*1、結果的に高市首班に乗ることになりました*2。そして12項目には含まれるものの緊急性の乏しい議員定数削減が前面に出てきました*3。企業献金廃止はどこへやら、厳しい要求を示して見せて有権者にアピールしつつシレっと論点をずらしてしまう維新流のゴマカシ。元々自民党大阪府連の内ゲバでできた大阪維新の会としては本気で自民党を追い詰める気はサラサラなかった訳で、大阪で対立していた公明党の政権離脱は逆にチャンスでもあった訳です。維新変身は以心伝心-_-;。

実はこれ大阪府や大阪市では議員定数削減が行われていて、1人区が増えて維新議員ばかりが増えて地方の二元代表制が事実上停止した結果、議会の行政監視機能が低下して維新の首長のやりたい放題になっています。味をしめた維新は他府県でも同様のことをやって兵庫県のようにパワハラ知事が職員や県議を自死に追い込む事態となりました*4。国政に移植すれば比例票頼みの小政党が議席を減らす一方、大阪の小選挙区を独占している維新は無傷で身を切らないし、人口減少で合区が続く地方の代表が減るし、国会議員になるハードルが高くなって議員が特権化するし何もいいことありません。本気で身を切るなら議員歳費を削れよ!

こうした政局が有権者の目が届かないところで動くのは今に始まった話ではありませんが、国民を愚弄するものでもあります。そして維新と国民民主党に政権交代の為の連立協議を模索した立憲民主党は、結果的に失敗しましたが連立協議を通じて表に出にくい各党の本音を可視化した点で評価できます。メディアの取り上げ方はは政権交代を目的化した数合わせというものが多かったのですが、政治家のウソを暴くのはメディアの役割なのに時として敢えてナイーブになる政治報道にウンザリです*5。しかも議員定数削減を自民執行部は吞んだ一方、所属議員には慎重派がいます*6。また維新が席巻する大阪の小選挙区で自民党候補に反維新の意思表示で投票した有権者も裏切っていることも指摘しておきます。

同じく12項目にある副首都構想も自民執行部は理解を示したようで、大阪銘柄が思惑買いで株価を上げてます*7。阪急阪神HD、京阪HD、近鉄グループHDといった私鉄株の他、建設株の淺沼組や金融株の池田泉州HDなど幅広い銘柄が買われてます。短期的には大阪関西万博終了に伴うパビリオン解体工事や跡地再開発と、既に着手されているIR誘致などとりあえず再開発案件が多数あり、鉄道関連では工事中のなにわ筋線*8の他JR西日本桜島線の夢洲延伸、京阪中之島線延伸、阪急なにわ筋新大阪連絡線、近鉄特急の地下鉄中央線乗入れを狙った架線・第三軌条のハイブリッド集電車両開発などがあり、近鉄以外はなにわ筋線関連ですが、事業者によってスタンスに濃淡はあります。

副首都構想の欺瞞は首都機能移転が既に国会で決議され法令も整備されていますが、中央省庁の移転というよりも東京の首都機能のミラーリングによる災害等のバックアップ体制整備であり、大阪とは限らないと言いながら同時被災の可能性が低い人口集積地という意味で大阪が有力候補にある訳で、この点にゴマカシがありますし、ミラーリングですから基本的に二重化によるレジリエンス確保なので行政の効率性は低下しますがそれには言及せずにいる訳です。そのくせ議員定数削減でもそうですが、公的部門の非効率をあげつらって批判している訳で矛盾します。どこでもいいんだったら本土決戦を想定して大本営の移転地とされた長野県松代でもいい筈です。突貫工事で整備された巨大地下壕を活用することが可能ですし、万が一の核戦争でシェルターになる可能性もあります。

この手の施設は今でも結構残ってたりしますが、例えば旧国鉄大船工場跡地も元を質せばやはり本土決戦を睨んだ横須賀海軍工廠の移転先として接収された土地を戦後国鉄工場に転用されたもので、JR東日本に継承され鎌倉総合車両センター深沢事業所となった後工場集約で「廃止され、跡地を巡って藤沢市域の東海道線村岡新駅計画と連動して鎌倉市役所移転その他の開発計画が市議会で2度の否決でとん挫してます*9。長くなりましたけど真に必要なのは地方分権による地方の自立であって中央省庁の二重化ではないということです。レジリエンスは自律分散型の身の丈に合った自立した地方の自治の深化と役割分担こそ重要です。例えば原発のような大規模電源よりも地産地消型の小規模分散電源の方がレジリエンスが優れているということですね*10。

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Saturday, October 11, 2025

鹿を指して馬と為す

自民党総裁選で高市総裁選出されました。

高市氏「馬車馬のように働いて働いて・・・・・・」
いやあんた馬車馬じゃなくて御者でしょ。臆病な馬車馬は視界に入る情報に過剰反応して立ち止まったり暴れたりするから、前しか見えないように遮眼角つけて御者の手綱の合図で進んだり止まったり向きを変えたりするもの。鹿虐待で掴んだ地位で*1馬になるって始皇帝没後の宦官超高の故事じゃあるまいし。あそうか御者は別にいるんだwwwwwwwwww*2。
高市「ワークライフバランス捨てる」*3
自民議員「いいぞいいぞ、働き方改革何するものぞ」
政府官僚「やめてくれ、議員のハッパで仕事増えてまうやないか」
自治体職員「コロナ給付金やマイナカードみたいに政府の無茶振り増えるやないか」
企業経営者「新リーダーえーこと言うなー」
社員「やめてくれ、ブラック企業に逆戻りじゃん」
無能なリーダーの頑張りはただただ迷惑です。

翌日夜、東急田園都市線梶が谷駅構内で衝突脱線事故が起こりました*4。

回送列車の見習い運転士「ありゃ、急に止まっちゃいました」
添乗の指導運転士「過走防止装置で停止したんだ、慌てず解除してゆっくり再力行しなさい」
上り渋谷駅各停運転士「ATC現示に従って運行していたら回送列車の進路支障を目視して非常制動かけたけど間に合わず衝突し防護無線を発報」
衝突
見習い運転士「防護無線受信して停止」
東京メトロ「ヤバい、復旧に時間がかかるぞ。鷺沼出庫できないと明日電車足らなくなるぞ」
鉄ちゃんたち「渋谷行きATCで何でとまれなかったん?」
恥ずかしながら当初下り副本線(2番線)から留置線に進入した回送列車が脱線して上り副本線(3番線)に進入する各停がぶつかったのかと思い、回送列車の急制動による荷重移動で輪重抜けしたのかと勘違いしてよほどの速度で留置線に侵入したのかと考えていました。実際は3番線から留置線への進入で速度超過があって装置解除して再力行していた時の衝突ということで、各停渋谷行きの防護無線が発砲してから回送列車が停止した結果、衝突のショックは緩和されていたかもしれません。死傷者が出なかったのは幸いです。またATCが作動しなかったことも勘違いを補強しました^_^;。
東急電鉄公式「10年前の連動装置改修の時に設定ミスがありました。全線の連動装置を緊急点検いたします」*5
東急電鉄公式「大井町線二子玉川駅構内1カ所、新横浜線新横浜駅行内2カ所で設定ミスが見つかりました。防護措置を講じた上で設定を改修します」*6
新横浜もヤバいけど区間運休で二子玉川折り返ししてた大井町線もヤバかった?おそらく軌道回路で制御する継電連動システムの応答速度改善で高密度運転のために電子連動へ改修して設定ミスしてしまったってことでしょう。

翌6日には高市政権発足を先取りして市場が動きました。高市トレードの始まりです。

外国人投資家「過去発言から積極財政派だから円安が進むぞ。割安な日本株は買い時だ。タカ派発言から防衛その他も買いだ」*7
国内投資家「値上がりは嬉しいけど続くかどうかわからんから適当に利益確定売りで益出ししとこう」
為替ディーラー「政治空白で為替介入も見込めず円安は当面続くぞ」*8
結局爆上がりした後の一進一退で株価は頭打ち感も米市場のAI相場を受けてソフトバンクグループの値上がりで終値最高値を更新しました*9。
日本国民「インフレで株価が上がってるだけでこっちには恩恵ないよな。寧ろ株の資産効果で消費が強まってインフレが酷くなるかも」
財務省「政治空白で政治の圧力は弱いけど、長期国債の売り先が見つからない」
実際長期金利は上がっています。ということは日銀その他の保有国債の含み損が増えていることでもあり、日銀の金融政策の選択肢を狭めます。インフレ基調は当面続く訳です。

そして輪をかけた政治空白が広がっています。

公明党「あんたらの裏金問題のトバッチリでうちの候補者も落選してもうたやないか。せめて企業団体献金を規制せいや!」*10
自民党「煩いこと言うなら国民民主取り込んで切っちまえ!」
国民民主党「さっさと国会開いて年収の壁引き上げとガソリン減税済ませたら連立入りしてもいいよ」*11
自民党「めんどくせえなあ。公明との連立協議済ませよう」
他方立憲民主党が野党共闘で新機軸。
立憲安住幹事長「野党でまとまれるな玉木首班でもいいよ」*12
そして自公の連立協議。
公明党「企業献金規制吞めや」
自民党「呑めるかい!」
公明党「グッドラック」*13
立憲民主党「公明党の連立離脱で政権交代の環境は整った。野党共闘の機は熟した」
国民民主党「やめてくれ、政権交代してまうやないか。首班指名されたら責任生じるやないか」*14
日本維新の会「玉木氏でまとまるなら立憲案に乗ってもいいよ」
国民民主党の正体がバレました。年収の壁のウソ*15の段階でわかっていましたが。

一方政治空白のお陰で邪魔されることなく戦後80年の所感*16を発表した石破首相。大きな論点は3つ。事前にまけることが分かっていた戦争を止められなかったことの問題意識から、政府も議会も軍部の暴走を止められず文民統制が機能しなかったこと。帝国憲法の統帥権の拡大解釈が横行して戦争遂行に向かったこと。メディアも戦争を煽ることで売上を伸ばして権力の監視役としての社会の木鐸の八鍬ろりを放棄したこと。安保環境が悪化する中、その反省を踏まえることなく平和を維持できないと結んでおり、強権外交でも謝罪外交でもなく評価できる内容です。そんなこんなで政局の流動化で臨時国会も開けず、外交日程は詰まっていて、自民党内や政府の一部から当面石破首相首相で良くね?の声も。トランプに会うのは誰かな?*17結局石破降ろしは何だったんだ?

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Sunday, September 28, 2025

進まない再エネ発電と地方創生

カラータイマー地価地価*1で取りあげたREITなどの不動産流動化の結果、寧ろ過疎地の土地がクラウディングアウトで価格がつかない状況にあることを指摘しました*2。首都圏の地価上昇が地方へ飛び火しているのですが、あくまでも都市部や観光地の話で過疎地は寧ろ取引自体が成り立たず市場から締め出されている現実があります。そんな視点から注目したいのが北海道鶴居村の釧路湿原隣接地のメガソーラー計画です*3。

報道にメガソーラー嫌いが過剰反応してネットでは話題になりましたが、報道で見る限り国立公園隣接地で樹木が生えて湿地の機能を失いつつある土地です。国立公園内の湿地なら日本が批准しているラムサール条約の対象で国内法でも開発が制限されるのみならず、環境保全の義務もある訳ですが、対象外の地域で、またメガソーラーは導入時に普及のために建築物から外されていて建築確認申請も不要と自治体が規制する根拠が乏しいことは確かです。道庁が森林法を盾に中止勧告しましたが、木が生えているから森林法という湿地ではない現状追認の結果です。環境面ではオジロワシやタンチョウの生育への影響など生態系の異変や破壊につながる可能性はありますが、建築物ではないから環境アセスメントも不要だし都市計画法に基づく原野開発の規制も微妙です。

報道では明らかではありませんが、民有地ですから地権者がいる訳ですが、地権者と開発事業者の関係が不明で、以下は推測の域を出ませんが、仮にかつて蔓延った詐欺的な原野商法で買わされた不在地主で、例えば相続で売るに売れない土地に収益性を持たせることで地権者を救済することになりますし、自治体にも固定資産税が入る訳で、この観点から言えば一概に規制すべきとも言い難いことになります。寧ろ「湿原にソーラーパネル」という短絡的な見方がされているとすれば、そもそも湿原にソーラーパネルを固定するコストはバカにならない訳で事業性を損ないます。

釧路市が規制条例制定に動いていることから、不在地主が地権者である可能性は高いと見られます。環境保全でナショナルトラストという意見もありますが、ラムサール条約で保護対象になっていない土地に善意に基づく多数の1坪地主を爆誕させても問題は解決しませんし、寧ろ問題を複雑化します。地権者を含む当事者間の意見調整にゆだねるしかない問題です。また法の不備は国の立法府が動くべき問題ですが、現状休眠中です*4。これ社畜の怨念エントリーで示したコメ増産問題*5とも通底しますが、地方の産業基盤の脆弱さを無視するより身の丈に合った産業政策こそ重要です。

その意味では再生エネルギーはメガソーラーに限らず地方に収益をもたらす可能性が高いのですが、残念なニュースが続きます*6。洋上風力発電の三菱商事による安値受注問題はインフレなんだよ愚か者*7でも取り上げましたが、メガソーラーで起きたFITによる電力高値買い取りで計画が乱立したばかりか権利の転売が横行して発電事業が進まなかった反省を活かせず、FIT価格を入札で決める形にしたところ、三菱商事が相場の半分の低価格で独占受注したものです。そのJ結果2回目以降の入札はFIP(フィードインプレミアム)と呼ばれる方法で卸市場価格との差額補助の形に変わり、三菱商事の参加は排除されました。

加えて有力視されていたデンマークの風力大手べスタスが断念し、日本国内に予定していた組み立て拠点を整備する計画を白紙撤回しました。事実上の撤退ですが、とにかく巨大な風力発電設備は輸送が困難故に現地組み立てが基本ですし、同時に開業後の保守点検拠点になりますから、継続的に仕事が発生して売電のみならず地場の経済を潤します。典型的な地産地消型産業なんですが、大手商社のお構いなしの利権独占の強引さが台無しにしたものです。ある意味過疎地故に可能な産業をみすみす潰したとも言えます。にも拘らず経産省は三菱商事に対してFIP契約にシフトして救済しようとしているというから呆れます。大手企業に甘い日本政府の在り方こそ脱炭素や地方創生を阻害しているのが現実です。

ここまでは過疎地の問題ですが、地方の都市部でも異変が起きています。JR九州が博多駅空中都市計画の中止を発表しました*8。jr各社の中では早くから不動産開発事業に傾注して本業の鉄道業を補完してきた結果、三島会社初の株式上場を果たしたものの、その屋台骨と言える不動産事業でブレーキです。既に基礎工事の為のスペースを生み出す線路移設に取り組んでいたものの、建設費高騰で断念しました。同様の問題は既に東京では起きていますが、地方の大都市にも飛び火した訳です。地価上昇とインフレに加え人口減少で作業員の確保もままならずこうなりました。JR九州に限りませんが、JR各社は大手私鉄モデルで不動産開発を進めただけでなく、REITなどの流動化事業で開発後に転売して次の開発資金を得るビジネスモデルを構築してきましたが、その持続可能性にブレーキがかかった訳です。

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Sunday, August 03, 2025

温暖化の加速

辞めない石破首相の続投の理由の一つが南海トラフ地震などの天然災害の発生の可能誌で政治空白を作るべきでないと。そしたらカムチャツカ半島東岸の海溝型地震と広範囲の津波警報/注意報が起きました*1。石破さん、あんた預言者かい?旧約聖書のノアの箱舟やモーゼの出エジプト記など天然災害のメタファーと見られる記述があり、神の試練と預言者の救済という共通したモチーフがあります。

新約聖書の福音書でマタイ伝だったと思いますが、ゴルゴタの丘に連行されたイエス・キリストと同時に処刑される筈の大盗賊の2人の内1人を赦免するとしたらどちらか?とローマ市民に対して役人が問い、市民は盗賊の罷免を求めました。何人も殺した物獲りの盗賊の所業は市民の日常感覚を拡張して理解可能なのに対して、訳の分からん戯言を述べる預言者は理解不能だったということです。裏金議員の方が理解しやすいのか?そんな盗賊の視点でキリストの復活劇を描いたのがスウェーデンのノーベル賞作家ラーゲルクビストの小説「バラバ」で岩波書店から邦訳が出ていましたが、今手に入るかどうかはわかりません。刑を逃れたものの何か空疎な感覚に支配された主人公の心象風景が描かれています。

それはさておき津波警報で東海道線など鉄道やバスの運休や海水浴場の閉鎖などで行き場を失った人が多数出て、鎌倉市では市役所や市会議場を避難者に開放するなどの対応を取りました*2。鎌倉市では市役所の深沢地区(旧国鉄大船工場跡地)への移転計画が市議会の反対でとん挫しましたが、移転して解体し再開発工事してたら対応できなかった訳で、多くの人を助けました。

警報発出時に外出していましたが、一山越えた安全な場所にいたこともあり、スーパーで買い物して自宅へ戻ろうとしたら待てど暮らせどバスは来ない。そのうちバス停に人が集まり収集がつかない中で、ウェブのバスナビで確認したら東海道線以南の路線は全面運休ということで、仕方なく炎天下徒歩で帰宅しましたが、途中のバス停でバスを待つ人がいたのでバスが動いていないことを話し、また鎌倉駅方面は現状がわからないから急いで戻らない方が良いといった話をしながら、暑さを凌ぐ木陰を辿りながら歩きました。緑の多い自宅周辺の環境に助けられました。警報が出ていてもパニックにならなかったのは東日本大震災などの経験が活きたとも言えます。逆に忘れた頃の天災は恐ろしいという裏腹な関係は意識すべきです。

炎天下の避難で熱中症で倒れた人も出ていて、避難の難しさも同時に意識せざるを得ないなど課題もあります。そして今年の夏の暑さは異常というレベルでもあります。体温を越えた気温と共に、特に日本近海の海水温の上昇で湿度が高い状況が続いています*3。つまり大気中の水蒸気量が増えている訳ですが、水蒸気はCO2以上の温室効果ガスです。但し上昇気流に乗って断熱膨張で放射冷却すれば結露して雲になり太陽の輻射熱を遮りますし、雨になれば地面も冷やすから通常ならば温室効果は限定的ですが、太平洋高気圧とチベット高気圧の2つの高気圧の影響で上昇気流は起きにくく、ただ暑く湿った状態が維持される訳です。そして湿度が高いと発汗による体温調整も働きにくくなりますから、原発や半導体やバッテリーと同様*4人間の能力も低下します。つまり生産性が低下する訳です。社会人も夏休みが必要ですね。暑さは農業などにもマイナスです*5。

そしてもう一つ不都合なのは、脱炭素の切り札とされる水素発電やFCVは水蒸気を発生させますから、湿度を高めて温室効果を助長します。グリーン水素の調達コストも高く、水素社会は当てにしない方が良いでしょう。同様につなぎとしてのアンモニア発電もコスト面で壁にぶち当たってますし、炭素固定(CCS)というやはりコストに課題のある技術とセットで推進されてます。当面はコストのこなれてきた太陽光を中心に再エネ活用を探る方が良さそうです。霞が関の官僚たちも考え改めてほしいですが、地下鉄霞ヶ関駅がサウナ状態という悲報です*6。日本の未来は絶望か?

その一方で神宮外苑その他の再開発で樹木の伐採が進んでいて*7、涼をとれる木陰が減っています。加えて東京都は路面温度を下げる遮熱舗装事業を行ってますが、これが逆に照り返しで気温を上げていることが報告されてます*8。翌年にズレた2020東京五輪の暑さ対策でマラソン協議を札幌で開催することになったものの、サッポロも猛暑の予報があり、マラソンコースを遮熱舗装したのですが、その時のデータを解析したら、確かに路面温度は下がったものの、照り返しによる気温の上昇が認められ、熱中症対策としてはむしろ逆効果というエビデンスです。当然子供やペットの犬への影響は大きいし、最近男性も使う日傘も無意味というものなんですが、何故か東京都は遮熱舗装を推進しています。本当は都市緑地や街路樹の整備による木陰の創出こそが求められるのですが、都民を殺しにかかってる?

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Sunday, July 13, 2025

カラータイマー地価地価

TACOパラダイムの楽観が変わりそうです。TATA(Trump Is Always Trics Again=トランプはいつも再びやってみる)へシフトしたと一部で謂われております。トランプ大統領が「1つの大きく美しい法案(OBBB)」*1と呼ぶ減税法案が下院で可決して成立しました。元々1期目の減税の期限が今年中に切れることから恒久化するための法案ですが、伝統的に小さな政府を志向する共和党内にも反対論がある中で強引に成立にこぎ着けました。しかし元々の減税措置の恒久化ですから、これ自体に財政による景気浮揚効果はなく、バイデン時代にインフラ投資法やインフレ対策法で決まった支出を削り、更に社会保障を減額して尚財源が足りず、結局関税収入を当てにせざるを得ない状況です。故に9日期限の相互関税の上乗せ免除も各国への書簡で上乗せされ8/1から適用ということで3週間ほどの交渉期間はあるものの、関税交渉そのものが意味を失いつつあります。それに伴う影響は多岐に亘りますが、日本もそろそろ覚悟決めて現実を受け入れるしかなさそうです*2。それで米インフレが進んでTACOが復活する可能性もあります。

はっきり言えるのは関税の影響見極めの必要から米FRBの利下げが難しくなった一方、日銀の利上げも難しくなりますが、日米共にインフレが進んで金利よりもインフレ率の差が為替を動かす局面になります。それによる内外価格差の変動が色々なところに現れることになります。今のところ方向感はわかりませんが、おそらく米インフレ率の上昇で為替はやや円高に振れるものの、ユーロ他の通貨に対しては弱含みで、特に原油価格の上昇緩和効果は限定的でインフレは続くと見ています。

そうすると不都合な真実が浮かび上がりますが、1つは株価です。かつて株式持ち合いと言われた政策保有株を市場に出さずに金庫株として保有し、また内部留保の積み上げでアクティビストに狙われ自社株買いで株主還元した結果、金庫株は増える一方で実体としての流動株は減っています。つまり現在の日本株の相場は当てになりません。しかも株価はインフレをヘッジする性格がありますから、インフレ状況での株価足踏みは投資家が満足する稼ぐ力を強化する投資ができていないことの反映です*3。資産価格は流動性が高いほど、つまり欲しい人が多いから値上がりする訳で、流動性を制限している日本株にあまり期待しない方が良さそうです。

一方で地価は爆上がりしていますが、既にバブルの水準と疑われている一方、二極化も進んでおります。路線価が東京独り勝ち状態です*4。標準宅地で東京都が8.1%上昇で全国平均2.7%の3倍の上昇率です。地価の話題では熊本県筑陽町や北海道千歳市が半導体関連で話題になることが多いですが、東京一極集中が鮮明です。公示地価の分析でも同様の結果が出ています*5。それに留まらず駅近の優良物件と駅から離れた所謂負動産の二極化もあり、超富裕層向け物件と条件の悪い安値物件は多数あるのに中間層向けの値ごろ物件は品薄です。狭いエリアでの取り合い故に地価を押し上げていることも鮮明です*6。その結果都区内では地価上昇で担保価値が上がるから大規模開発の誘因になる一方、資材価格上昇と人手不足で建設コストも上昇するため、再開発も年々困難になります。例えば中野サンプラザの再開発断念です*7。

そして不動産の投資財化が更に矛盾をもたらします*8。株のところでも触れましたが、資産価格は流動性が高いほど値上がりする性格があります。それでも不動産の流動性は株に比べればかなり低い訳ですが、特定目的会社(SPC)と呼ばれるペーパーカンパニーで小口証券化して投資家に販売した資金で物件を取得し、テナント料の税引き後利益のほとんどを配当として証券保有者に支払う形の不動産流動化事業、所謂不動産投資信託(REIT)で、多くは上場投資信託(J-REIT)として公開市場で売買されますし、大口機関投資家同士の相対取引となる私募REITも通常の不動産よりも流動性は高い訳で、この流動性の高さが価格を押し上げている側面があります。投資商品で円安もあり租税の穴*9も手伝って海外マネーが入りやすくなってますからますます大都市の地価を押し上げます。加えて海外富裕層によるマンション投資(転売及び賃貸)というルートの値上がりもあります。逆に過疎地の未利用地などはそもそも取引が低調で何年も取引がないケースも多数あり、市場からクラウディングアウトされていることも指摘できます。昨今外国人の山林の土地取得が話題になり安全保障上の脅威とする議論もありますが、あくまでもレアケースですし、寧ろ昔からある山林詐欺商法に引っかかったと見る方が実態に近いと考えられます。

気になるのがJR東日本が今月発表した長期グループビジョンですが、その中で不動産事業の強化が謳われています*10。高輪ゲートウェイシティが街開きをしてデベロッパーデビューした訳ですが、上記のように駅近物件という意味で優位にある鉄道事業者としてデベロッパー事業は私鉄でも実績がありますが、後発参入故に厳しい状況を覚悟する必要があります。事業のスタイルは西武鉄道のプリンスホテル等の不動産流動化、つまりREITによる投資ファンド転売とリースバックで開発後の資金回収と運営事業の収益化が狙いで、東急不動産との提携で体制を整えおり、特に渋谷の再開発が進んでいますが、一方で京王電鉄との共同事業の新宿駅西南口エリアの再開発は施工業者が決まらず難航しています*11。
不動産デベロッパーとしてのJR東日本は順風満帆とはいかないようです。

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