地方公営交通

Saturday, July 04, 2026

骨太ショックで複雑骨折

前エントリー*1のタイトルで「正体」のつもりで「招待」に誤変換^_^;。しかし内容と齟齬がないのでこのままで訂正はしません。ポピュリズムを呼び込む政治状況は日本に留まらずBrexitやトランプ現象も同様です。結局政治のエンタメ化で絡めとられるどうしようもない現実だけは続きます。

てことで本題に入る前にBusRama最新刊(216号)で和田編集長がEVMJ問題でコメントを載せてます*2。ザックリ言えば地獄への道*3で述べた中国EVのアジャイル開発の波に吞まれて、工業製品につきものの初期不良対策ができていなかったということです。一方でネットで炎上した中国製で詐欺だとか選定プロセスの疑義などは踏み込まない慎重さで好感が持てます。特にブレーキホース損傷などのリコール案件は、修理すれば使用可能だった車もあったはずですが、自動運転社会実験用40台を含む全190台の減損処分には疑義を呈していて大手メディアにはない視点を提供しています。大阪では議会で突き上げられており、まるで証拠隠滅でもするような全車処分はむしろ意思決定過程を不透明にします。少なくとも失敗を認めて教訓を後世に残す姿勢ではありません。これサナエトークンやt中傷動画問題と似ています。

てことで本題ですが、経済財政諮問会議の骨太の方針が発表されました。予想通りの積極財政路線ですが、市場は早速反応しています*4。3日の債券市場で長期金利の指標となる10年物国債金利が一時2.81%をつけて3%をうかがわせる動きとなりました。また金利上昇観測から2日に2.7%で実施された国際入札は不調で、原因は政府が日銀の利上げに消極的なことで円安が進むと市場が見た結果です。利上げしても円安といっても、欧米の金利水準よりかなり低い上にインフレ補正の実質金利は相変わらずのマイナス圏ですから、日本国債を積極的に買う理由がない訳です。

やや長くなりますが、日本経済の複雑骨折ぶりがあぶりだされました。先月の日銀の利上げは予想通りだったけど、政府は難色を示していました。上田総裁は政権の圧にやや弱気だったようですが、病気の治療を理由に異例の政策決定会合欠席となりましたが、審議委員5名が利上げ賛成を表明していましたから利上げは既定路線だったといえます。そして政府は盛んに為替介入をにおわせて市場けん制を試みましたが、ドル円162円台をつけても動かなかったように、実際には原資となるドル預金を4~5月に11.7兆円も使って155円台に戻したものの効果は1月で剥落しさらに円安が進みました。市場は介入警戒ムードで小刻みな動きでしたが、結局介入はないと見てより利回りの良いアメリカ国債やAIブームに沸く株式投資の原資になるドルが買われてじりじりと円安が進みました。政府は意に染まぬ日銀の利上げを今回は為替介入が困難だから容認したという背景が透けて見えます。その裏には為替介入のために保有米国債を売られることをアメリカが嫌っているという事情もあります。

そんな中で明らかにされた骨太の方針が予想されたとはいえ財政出動のオンパレードで、財源としてインフレによる税収上振れを当てにしています*5。2025年度に2.6兆円の剰余金が発生したことから、税収上振れ3兆円を見込んで国債発行を抑えるとしてますが、つまりインフレが進行することを前提にしているわけで、その分国民生活が圧迫されることには向き合わず、単なる帳尻合わせをしている訳ですが、インフレが進めば遅れて金利上昇は避けられないから、国債の利払い費の負担も増すことは考慮されてません。日銀に圧をかければ低金利が続くというアベノミクスの劣化コピー版の経済見通しを打ち出したことで複雑骨折と表現すべき状況です。

そうは言うけど日経平均株価は上がってるじゃないかともいわれますが、これアメリカのAIブームの流れで半導体関連が買われている結果の株高で、半導体以外はほぼ横ばいです。株価以外全部沈没をご参照ください*6。ちなみに同エントリーで取り上げた京成電鉄の押上発着の有料空港連絡列車の続報です*7。現在成田空港ではB滑走路の1,000m延長と3,500m級の新滑走路整で大型機発着が可能な3,500m級滑走路2本として、分散しているターミナルも統合するというもので、実現すれば1.5倍の発着枠拡大が実現しますが、そうなると鉄道アクセスの輸送力不足が問題になります。現状でもスカイライナーやN'EXは満席が多く、アクセス特急や快速エアポート成田も時間帯によって混雑する状況です。

京成電鉄は2027年運転開始を予定する押上発着の湯量特急を30年代に都営浅草線と京急に直通させて羽田空港と成田空港を結ぶ構想で、成田新幹線の遺構を単線並列でJRとシェアする成田湯川~成田空港間を複線高架の別線で建設し新駅を設置し、JRは京成が新線移行後に線路を改築して複線化し、京成は有料特急毎時6本、アクセス特急毎時3本と倍増し、JRもN'EXを毎時4本と倍増する計画です。統合新ターミナルへの移行が前提となりますから、具体的な時期は明示されておりませんが、新滑走路整備を含めて用地買収が難航しており、遅れることは確実です。加えて供用時間拡大問題でも地元の同意が必要で、こちらも流動的です。資金問題は国や県などと協議されるようですが、京成本線ルートや東成田駅、芝山鉄道の扱いなどは報道にはありません。

あとJRは羽田空港アクセス戦を活用した羽田成田連絡輸送を目論んでおり、おそらくりんかい線を介した京葉ルートでの実現を狙っていると思われますが、その場合京葉線から総武快速線への渡り線整備が欠かせません。候補としては高谷支線活用の西船橋ルートと千葉みなと~本千葉を結ぶ連絡線新設などが考えられますが、どちらも実現のハードルは高いといえます。加えて軽京成新線の整備後の複線化と実現時期も京成の後になるという意味で苦しいところです。そしてインバウンドの拡大が前提ですから、円安が進んで国民生活はさらに窮乏すると考えると、手放しで喜べないところです。確かに便利にはなりますが、果たして国民を幸せにするものかどうかは微妙です。

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Sunday, June 28, 2026

ポピュリズムの招待

EVMJ製の万博EVバス150台*1と府内自治体の自動運転バス向け40台の計190台が減損処理されました*2。万博のほろ苦い後始末です。加えて南河内地区で予定されていた自動運転バスは日野のディーゼルバスで行うことになりました*3。有権者の歓心を買って票につなげることしか頭にない維新の雑な政策運営がもたらしたトラブルです。しかしそれに引っかかる有権者ってのもどうなんだか。

マルクスが面白いことを言っていて、同じように貧困の淵にあっても賃労働に雇われた労働者と雇われていない物乞いなどの違いとして、後者は簡単にブルジョワジーに買収されてプロレタリアートに敵対する存在というう意味で「ルンペンプロレタリアート」と呼びました。団結を台無しにする存在として警戒したわけです。同様のことは日本の吉本隆明が大衆について述べたことと通底します。大衆は保守的で目先の利害しか見ないからインテリがいくらアジっても動かず、彼らが動くのは自らの生存に危険が迫った時だけということです。例えば右派インテリの三島由紀夫の檄に反応して武装蜂起しなかった自衛隊員という構図です。

マルクスはまた公娼制度についてもプロレタリアートを懐柔する娯楽と指摘します。娯楽の少なかった初期資本主義社会ではセックスの娯楽としての意味は大きく、故に所謂貧乏人の子沢山で世代を超えた労働力の再生産も安定していましたが、逆に扶養人口の増加は貧困をもたらすので、生殖から切り離されたセックスの必要性もあった訳です。但し資本主義の進化の過程で映画やテレビなどの娯楽が登場してそちらに関心が移ることで、公娼制度のニーズは低下します。更に進めばアイドルやアニメなど作り物のバーチャルな娯楽が登場して消費者としての個人に分断が進みますから、生殖を伴うセックスのようなメンドクサイ娯楽はむしろ敬遠されます。少子化は必然と言えます。

そうなると労働力の補充ができなくなって徐々に経済成長を押し下げますから、資本家が上前を撥ねるのが難しくなります。だから欧米では早くから移民で労働力を増やす政策が採られました。最初は主に植民地住民の本国への移転だったものが、戦後植民地の独立後も移転を受け入れ続けた結果、移民による労働力の補充が続きました。故に移民の多くは旧植民地から旧宗主国へという流れが主流でした。しかし日本は戦前は同じ帝国臣民と言いながら、戦後朝鮮半島出身者などを国民とは認めず、所謂在日問題となっています。だから原因は戦後の日本政府が作ったもので、彼らへの差別は全く正当性がありません。

やや遠回りしましたが、嫌韓嫌中やクルド人問題などのヘイトクライムも娯楽化していることが問題ですが、インフレに苦しむ国民の関心を逸らす意味はあります。国民をシカトして*4やりたいことしかやらないうましか宰相*5が下がったとはいえ高支持率なのも、政治が娯楽化した結果です。文春砲の中傷動画問題はそんな現実を暴いています。しかしその裏で日本の国富は食われています*6。5500億ドルの対米投資で国際協力銀行(JBIC)とメガバンクの協調融資で手当てされますが、メガバンクが音を上げています。ドル建て融資となるけどドル預金は少なく、市場で調達すれば円安が進みますます調達困難になるから難易度は上がります。対策として日銀のドル供給オペや外為特会活用などが言われてますが、日銀オペは経済ショックなどに備えたものだし、外為特会活用は米国債売却につながるとアメリカを刺激するしで打つ手なし。限られた民間銀行の融資余力を減らせば国内を含む民間投資を阻害するしで、基本的に打つ手はありません。てことでアメリカに貢ぐ姿勢は相変わらずですが。

銀行の融資余力の減少は金利上昇を通じて公共投資も民間投資も下押ししますから、政府が掲げる戦略17分野の成長戦略も動かすのが困難です。日銀利上げで銀行は日銀当座預金の超過準備に1%の利子がつく一方、預金金利は1年定期でも0.4%とかって水準ですから、融資余力を拡大するには預金集めが重要ですが、「貯蓄から預金へ」の掛け声で新NISAに家計貯蓄が流れてますから預金獲得のハードルも高くなってます。てことでカネ余りなのに銀行がピーピーいっているという摩訶不思議。まともな経済政策とは程遠い現状です。前エントリーで取り上げた阪急のなにわ筋連絡線や新大阪連絡線も着手できるかどうか。

また阪急の計画の前提のなにわ筋線にも異変が起きています*7。幹となるなにわ筋線の事業費が倍増しています。三セクおおさか高速鉄道が府と市に3200億円の追加出資を要請したものです。大阪府は泉北高速鉄道の売却益で、大阪市は市営地下鉄と市営バスの民営化で手当てした資金では足りず*8、追加出資をすることになるわけですが、万博で見せた泥縄*9は維新しぐさかい!尚、五輪、万博、ワールドカップなどの国際イベントも娯楽として消費されますし、ナショナリズムを鼓舞するから支配層にはおいしい話になります。また副首都や都構想も大阪人の首都東京へのナイーブな対抗心をくすぐり票につなげてます。

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Sunday, April 26, 2026

EVの壁

製造業の壁*1冒頭の日経平均4万円の壁から1年4か月弱、最高値をつけたものの6万円の壁が立ちはだかります*2。しかも半導体関連が上昇した一方その他株は低調です。ホルムズ海峡封鎖が続く中で先行するNYダウは下げてます*3。週明けの東京市場も下げると見られます。イラン戦争の影響が長引くことを市場が織り込んでいるということです。株価の上昇自体は円安とインフレの結果ですから手放しで喜べませんが。

しかし危機感の薄いわ―くにの政府。日本船籍の船がペルシャ湾に40隻以上足止めされていて、その分輸送力が減っている上に、米国産原油その他の輸送を喜望峰ルートやパナマ運河ルートで迂回輸送することで長い船旅となり輸送効率を下げますから、運航頻度が下がって結果的に輸送力不足になります。実際タンカーや輸送船の争奪戦で運賃が高騰し、パナマ運河通航料も高騰してます。故にアメリカ・カナダ・メキシコ産の原油を代替調達しても輸送コストが上昇してますから、石油関連品の値上がりは避けられません。これインバウンドで混雑が常態化した江ノ電で、12分ヘッドのネットダイヤを維持できずに14分ヘッドに伸びた結果、所要時間が片道4分増えて運行頻度を下げて結果的に輸送力14%減で混雑を助長し、繁忙期には乗車待ちの長い列ができる状況に似ています。輸送路の目詰まりはサプライチェーンの機能を低下させます。

早速こんなニュースも*4。幸いというかバス事業者はドライバー不足で減便が相次いでいてバス自体は余っている状況で、塗装面積の広いバスの生産調整はやり易いとはいえ、現状が続けば自動車生産にも重大な影響が出るということになります。バス・トラックのディーぜルエンジンの排ガス浄化装置尿素SCRに使うアドブルーも不足してますが、これもドライバー不足が救いでも、肥料原料との取り合いは起こります。こうなると追浜と湘南の2工場閉鎖を決めた日産がEVの開発生産を中国に移しますが*5、これが正解になる可能性は指摘しておきます。

製造業の壁でも指摘したようにテスラと中国のEVメーカー以外の自動車メーカーはガラケーメーカー化していますが、それを最も実感しているのがリーフで量産EVの先陣を切った日産ということですね。特に中国のモーターやインバーターやバッテリーの進化は、中国政府の産業政策もあって爆発的なイノベーションを引き起こし、テスラも中国製造拠点でその恩恵に預かった結果、伝統的自動車社メーカーを後塵に追いやった訳です。そのキモは早すぎる技術革新に尽きます。最先端の技術を取り込むには新車開発を短期間に行う必要がある一方、市場投入後により新しい技術を纏って後追いするライバルが出る訳ですから、必然的に陳腐化が早まり中古車のリセールバリューを低下させます。それを防ぐ為にはソフトウエアでアップグレードできるようにする必要があり、CASEと言われた自動車産業の変化がSDV(Software Defind Vehicle)へと必然的に進化せざるを得なくなったということです。わかりやすく言えばパソコンやスマホのように進化が早い一方でソフトウエアの更新で性能アップすることで、ハードとしてのEV販売後の収益機会をメーカーにもたらすことになります。クルマ作りのアーキテクチャーの根本的な変化です。対応するには新車開発を短期間で行うと同時に統合車載ソフトの拡張性を持たせることが必要ということです。

その為にはモジュール単位の電子制御ユニット(ECU)を統合して最終的には高性能ECUで全体を制御するという形まで視野に入れる必要があり、単独でそこまで出来るのは日本ではトヨタがギリギリというところでしょう。その意味では結構重要かもしれないニュースはこれです*6。デンソーは既にECUやインバーター向けパワー半導体を生産してますが、EV化を睨んでのM&A提案をロームに断られました。尚、ロームとのパワー半導体統合を目指す東芝は阪急電鉄、三菱電機は大阪市交という鉄道のローンチカスタマーに育てられたパワー半導体大手です。これがトヨタの電動化に影響する可能性はあります。一方一時は日産救済の期待を背負ったホンダは大変なことになってます*7、ソニーとの合弁解消で自動運転も遅れを取ることになります。こうなったのは実は2輪車の不振が影響しています。元々4輪車は赤字体質だったけど2輪車の世界王者故の超過利潤で穴埋めされていたから競争力を維持できていたのが、アジアの新興勢が電動化で躍進して市場を奪われて狂いが生じました。50㏄原付規制に護られて対応が遅れたことも影響していると言えます。

中国の産業政策を補助金漬けと見るのは間違いで、実は計画経済の流れで政府が産業の方向性にコミットして民間企業を動員するというソビエト型から進化した市場型功利主義的計画経済と言えるもので、実はお手本は高度経済成長時代の日本です。当時ブレトンウッズ体制で1ドル360円の固定相場に護られ、安価な原材料資源を輸入して国内で加工して付加価値をつけて輸出するという加工貿易立国の前提で、主要輸出先はアメリカだから太平洋ベルト地帯に生産拠点を集め港湾を整備するという方向性は明らかでした。故に国鉄が東海道新幹線の建設を決断できました。そして実は産業政策の担い手は日銀でした。当時の金融政策は固定相場維持の必要から国内景気が過熱したら直ちに公定歩合を上げて民間融資による信用創造を抑制し、景気が冷えれば下げて融資を促進するというシンプルなものでした。その日銀が窓口規制という銀行の融資指導も行っていて、当時の通産省の助言に沿って優先融資先を産業単位で示すということをやっていました。それに沿って民間銀行が個別企業に競って融資する形で、鉄鋼、機械、自動車、石油精製、化学などの製造業を後押ししていて、丁度中国の功利主義的計画経済とそっくりでした。

政府が後押すする産業分野に優先的に融資された結果、銀行預金主体の家計貯蓄をリスクマネーに変換するという金融の基本が機能していた訳です。だから「貯蓄から投資へ」なんて誰も言わないし銀行融資による現物投資のリターンは利息の形で預金者にも還元されていました。故に中国は米ドルの通貨覇権に対抗すべく人民元の国際化を模索してますが、IMF-SDR的な通貨バスケット連動には踏み込んだけど変動相場制への移行は足踏みしている訳です。その突破口として中央銀行仮想通貨(CBDC)のデジタル人民元による貿易拡大を狙い、ウクライナ戦争で窮地のロシアやイラン戦争関連もイラン産石油取引やホルムズ海峡通行料もデジタル人民元を推していると言われています。

こういう状況ですから地獄への道のEVMJ*8が生産委託した新興企業には怪しげなものがあっても不思議ではありません。EVMJに見る目がなかっただけです。幸い地元の江ノ電バスは実績のあるBYDの大型と小型を導入しており、その完成度の高さは実車で実感しております。たかがEVされどEV。目利き力って大事です。

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Sunday, April 05, 2026

甘くないサプライチェーン攪乱

前エントリーの続きですが*1、イラン侵攻でアメリカに対抗するホルムズ海峡封鎖ですが、ボチボチ通過船舶が見られます*2。船毎に個別にイラン政府と交渉している模様です。狭い場所で33㎞のホルムズ海峡ですが、一応国連の国際海峡に指定されているものの、沿岸国のイラン、UAE、オマーンの各国は認めておらず、各国の領海に跨る航路が設定されております。喫水線下が深いタンカーが通れる航路は限られており、中央が深いスエズ運河に似ています*3。故にイランによる航行船舶の管理も容易で、機雷を撒かなくても封鎖が可能で原油高に苦しむアメリカのチョークポイントになる一方、中国船などは通すという風に選択的に対応できる訳です。攻撃用ドローンという兵器の進化も関わりますが。

とはいえ通過船舶は少なくペルシャ湾で足止めの船舶もまだ多数ある上、イランの反撃で石油施設やLNG施設も破壊されていますから、中東産原油やLNGその他の資源の搬出量は減少します。その影響は多岐に亘り、アジアを中心にサプライチェーンを攪乱させます。既にベトナムやフィリピンなどではガソリンの品切れや停電などの影響が出ていますが、ガソリン高を補助金で抑え込むわーくにの危機感のなさ。しかしさすがに遅ればせながら動きが見られます*4。とりあえず石油関連に偏ってますが、LNG不足は電力危機に繋がるし、尿素やアンモニアは化学肥料の供給難で農業も影響します。またヘリウムショックも*5。医療機器のMRIで使われAI半導体製造にも欠かせないヘリウムですが、天然ガス精製過程の副産物でアメリカ、ロシア、カタールが生産国ですが、そのうちの1つが戦火で供給停止となれば世界で取り合いになります。リニアの実現可能性も低下します。

てことで今までも災害その他でサプライチェーン攪乱はありましたが、今回は異次元と言えるものがあります。例えば中越沖地震でエンジンのピストンリングのトップメーカーのリケンの被災で川下の自動車メーカーは直ちに生産停止して各社からリケンの復旧の応援に人員を派遣して1週間で復旧させました。見事な危機管理ですが、生産停止期間には売り上げは立たない訳ですが、その損失を考慮してもサプライチェーンの回復に集中した方が被害が少ないという判断です。ホルムズ海峡封鎖でさまざまな産業に支障が出る中で、政府の対応は適切かは問われます。なのにこんなことばっかり*6。ペルシャ湾で足止めされている船舶の安全通航をイラン政府と交渉することや需要抑制のための省エネ自粛ではなく公務員を予備自衛官にする法案作りって、どこまでチグハグなのか?戦争したいの?他国は現実的な対応に動いてます*7。加えて日本の自動車メーカーには悲報です*8。トランプ政権のEV補助金停止で関税のマイナスを打ち消したのも束の間、ガソリン高でEVシフトを求められています。遅れている日本メーカーには負担です。

そしてEVつながりでこれも取り上げます*9。大阪関西万博輸送で万博協会が購入し万博輸送に供して終了後大阪メトロ傘下の大阪バスが引き取る予定の150台がリコールで動かせずにいるというもの。元々国産EVバスをということでエルガEVを開発中だったいすゞに打診しましたが、試作段階で量産は無理ということで、大量受注可能で国内でも採用実績のある中国BYDのEVバスに決まりかかったところで当時の西村経産相からEVモータースジャパン(EVMJ)が推されたという経緯があるようです。EVMJは北九州市に本社のある国内企業ですが、生産は中国の新興企業に外注して販売とアフターサービスを国内で行うということで起業し、一部で納入されたもののサプライチェーンは確立しておらず、150台の大量受注ができるだけの実態は備わっていませんでした。外注先の中国新興企業も生産実績のない企業で中国の型式認証も得られず、輸出向けだからと中国当局の規制をすり抜け、日本の国交省も万博に間に合わせる為に手抜きしてという日中当局の不作為もありました。お陰でブレーキホースが露出していて小石を撥ねた程度で傷がついてエアが抜けるレベルの雑な作りでした。それでいてBYDのバスより割高で大阪府などが40億円の補助金を支出しており返還交渉中です。EVMJはおそらく潰れるでしょう。EV後進国という現実を無視した愚かな顛末です。

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Sunday, November 16, 2025

鹿の敵討ち

高市首相が国会答弁でやらかしました*1。国際問題化してます*2。「能力のない頑張り屋はただただ迷惑*3」という予想が残念ながら当たりました。問題は歴代政権のあいまい戦略を無視して手の内を晒したこと。台湾有事への自衛隊の対応は公然の秘密であってもとぼけてれば相手が勝手に疑心暗鬼になる心理戦こそ抑止力なのに、よりによって国会答弁で、しかも質問通告に沿って官僚が無難な答弁書を用意しながら、無視して勝手に発言した結果、秘密が取れて公然になった訳です^_^;。

スパイ防止法の必要性を主張しながらの体たらく。元々国家公務員法や地方公務員法で守秘義務違反は刑事犯罪と定義され、トクリュウへの捜査情報漏洩で警視庁警部補が逮捕されてます*4。国家公務員の場合はさらに特定秘密保護法もあり、民間人もセキュリティクリアランス法の指定を受ければ同様です。それに加えて屋上屋を架す立法事実が存在するのでしょうか?特別公務員の議員や首長が外国のカルト宗教に便宜を図るエージェント行為、所謂壺議員を放置していることから、法律の不備より刑事司法の不作為の問題では?それよりコメ安くしてくれ!

中国の姿勢も今回は強硬ですが、幾つかか理由が考えられます。10月30日に韓国で行われた米中首脳会談で合意した関税と対抗措置の延期です*5。とりあえず米中の対立が一時休戦となった訳ですが、先に仕掛けたアメリカに対してひるまずレアアース輸出規制や米国産大豆輸入制限で対抗した結果、アメリカの方が音を上げてクリンチに逃れたのが実態です。つまりアメリカを屈服させた中国の外交的勝利ということになりますが、副産物として日本の存在感は隅に押しやられた訳です。その自信が日本への強硬姿勢をもたらしたと言えます。

加えて四中全会で党幹部の欠席者多数という事態があります*6。反腐敗運動で処分されたり拘束されたりした幹部多数で、ほとんどが習近平体制で登用された幹部ということで、イエスマンで固めた独裁体制の綻びを示します。泣いて馬謖を切った結果、反主流派のウエートが高まり、習近平総書記に逆風が見られました。それが戦狼外交へのシフトとなって現れ、日本叩きで反主流派のガス抜きを狙ったと考えられます。そして日本への渡航自粛の呼びかけとなったと考えられます。

但しあくまでも渡航禁止ではなく自粛要請ということで、実質的にどの程度の影響が出るかは何とも言えないところ。厳しい態度を見せつつ中国も落としどころを探っているとは言えます。これで中国人観光客が減れば京都などの観光公害も緩和されますし、奈良の鹿虐待も減るかもwww。まさか狙いは鹿の敵討ち?へずまりゅうレベルの愚か者だわ*8。

最後はAIのフーガ*9のフーガ(輪唱)wwwww。田園都市線梶が谷駅事故で国交省が全国の鉄道事業者に連動装置の点検を指示した結果、10事業者15駅で見つかりました。人間のやることには見落としが付きもの。ヒューマンエラーを前提とした対策が必要です。高市発言もヒューマンエラー?

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Saturday, November 01, 2025

株価以外全部沈没

ほとんど前エントリー*1の続編ですが、事態が動いているのでフォローアップせざるを得ない状況です。

まずガソリン減税ですが、今年12月31日からの暫定税率廃止で与野党が合意しました*2。与野党6党合意ですから国会通過もすんなりいくでしょう。軽油も来年4月1日からということですが、インフレ対策なら物流費に影響する軽油を後回しというのは軽油引取税が地方税で地方から反対の声が上がっていますが、同時にガソリンが安くなることの方が国民へのアピールになるということもあるでしょう。AIが壊す社畜エスカレーター*3でも触れましたが、価格が下がって需要を喚起すると原油の輸入が増えて貿易収支が悪化して円安インフレを招くことになります。

また財源は曖昧なままで、当面税収上振れによる剰余金や法人税の特措法減税の見直しなどとされてますが、特に剰余金は繰り越して次年度の国債発行抑制に用いることが法定されてますから、年度をまたいだ単なるトバシでしかありません。具体的に道路予算削るとか自動車関連税例えば重量税の増税とか、揮発油税の負担がないEVを考慮した走行距離税とか燃料税の炭素税への1本化とかには踏み込まずに済まそうとしている訳です。この調子ですから財政規律の緩みを質そうとはしていない訳で三つ子の赤字*4はますます進みます。

そして自動車半導体を巡るオランダと中国の対立がエスカレートしています*5。ネクスペリアは元々オランダの電機大手フィリップスの半導体部門を独立させた企業ですが、中国資本に買収された結果、オランダ政府から製造技術流出の恐れということで冷戦時代に作られた忘れられた法律で規制をかけたものですが、どうも裏でアメリカが動いているようで、怒った中国政府がネクスペリアの中国にある最終製品工場からの海外出荷を制限した結果、ドイツVWや日本のホンダその他の自動車メーカーが巻き添えになっております。自動車用半導体の世界シェア4割を占める同社の製品の8割は中国工場で最終製品に加工されることから、世界中の自動車メーカーがトバッチリを食っている訳です。これ結局日欧などアメリカの同盟国が傷つくだけの不毛な争いですが、今度はオランダ政府がネクスペリアのシリコンウエハーの中国工場への供給を止めて泥仕合になっています。中国資本のオランダ企業というネクスペリアがまた裂き状態になっている訳で、トランプと習近平がにこやかに握手しても事態は解決しません。中国を除く世界の自動車産業のピンチです。

そのせいか最高値を更新する日本株でも自動車関連はパッとしません。主にAI関連半導体関連の値上がりが支えているようで、相場全体が上げ相場という訳ではありません、円安で割安感があっても海外勢は万遍なく買っている訳ではないということです。高市トレードと言われる株高も一皮むけばという感じですが、特に欧州勢の買いが優勢なのは変わりません。インバウンドやタワマン完売などに見られる安いニッポン現象です。

ほぼ500兆円で動かなかった日本の円建てGDP名目値ですが、ドル建てでは5兆~6兆ドルだったものが、インフレで600兆円を超えた円建て名目値がドル建てでは4兆ドルになっているのが現状な訳で、その分日本の購買力が低下している訳で、一番のインフレ対策は日銀の利上げしかない状況ですが*6、またも日銀は動きませんでした*7。ベッセント国務長官は別に親切心で言っているのではなく、日本政府のドル売り介入を牽制する意図でしょう。実際米ドルは円を除く主要通貨に対して下げており、ユーロ・ポンド・スイスフランなどに対して安値となっていて通貨防衛の意図ですが、欧州の主要通貨は既に米FRBに先駆けて利下げに動いていて、スイスフランに至っては日本よりも低金利なのに上昇してます。そしてFRBも今回は動いたものの*8為替は寧ろ円安に動いてドル円153円台が定着しつつあります。その意味では日銀が利上げしても大勢に影響はないのかもしれませんが、金融正常化の姿勢を示す意味はありますし、利上げを遅らせた分だけ正常化が先送りされます。

てことでインフレ下で株式の高値更新はある程度持続すると思いますが、銘柄ごとに動きはバラバラで、下げている銘柄もあります。例えばリニア事業費倍増で嫌気されたJR東海です*9。財務の健全性は複雑系エントリー*10で指摘した通りですし、財投の3兆円も30年据え置きという破格条件で現状ほぼ無利子ですから利払いの負担はなく、現状のインフレが続くなら負担にならないかもしれませんが、それ故に居心地の良い現状を抜けられなくなっているとも言えます。東海道新幹線のぞみ増強とインバウンド需要で既にライバルの国内航空便に対しても優位な状況ですから、仮にリニアが開業しても航空からの移転はほぼ見込めないとも言えます。逆に東海道新幹線の好調でキャッシュを稼ぎ過ぎると自社株買いや配当などの株主還元を求められるから現状煩いアクティビストに狙われることもないということも言えます。この辺は伝統的日本企業的なスタンスで、既に赤字ローカル線の名松線に至るまで線路も車両も更新されこれ以上の投資先が見当たらない贅沢な悩みでもあります。何ならJR西日本が渋っている北陸新幹線米原ルートを整備スキーム無視で自前整備するとか。まあやらないでしょうけど。

一方でインバウンド対応は京阪が始めたプレミアムカーが阪急やJR西日本でも取り入れられ、老舗の近鉄特急も差別化された豪華特急のラインナップを整備してます。そんな中で京阪は更にプレミアムカー2両体制と攻めてます*11。上限運賃が決められていて航空鵜のようなダイナミックプライシングが難しい中でJR東日本の中央線グリーン車や私鉄各社の着席サービスが次々に登場してますが、京阪の場合沿線開発が終わって沿線の高齢化や松下・サンヨーといった大手電機産業の撤退やJR西日本との競争激化もあって乗客が減少する中での増収策ですが、当然一般車の乗車定員を削っている訳で、それに対する批判もありますが、背に腹は代えられないということですね。

同様の動きは関東でもありまして、1つは京成電鉄の空港連絡有料特急の増強計画です*12。成田空港第三滑走路供用と3つのターミナルビル統合を成田空港会社が打ち出し、末端が単線のJRと京成の成田空港線の増強を視野に入れてスカイライナーに加えて押上発着の有料特急を2027にも導入ということで、押上が観光名所でもある東京スカイツリー最寄りで浅草にも近いからインバウンド需要の取り込みが見込めるということですね。アクティビストから将来への追加投資を迫られていた京成が動きを見せた訳ですが、同時に都営浅草線への直通も視野に入っていると考えられます。そしてそれを裏付けるような動きが出ました*13。具体策はこれからですが、JR東日本のN'EXの牙城に切り込む可能性もあります。

両社ともにアクティビストの標的にされており、投資をせがまれてしないなら株主還元を求められているという点で共通しています。加えて都営浅草線を通じて関係も深く保安装置も同じ1号線型ATSの上位互換のC-ATS*14でハードは共通で運用が異なるだけなので擦り合わせは容易です。具体的にダイヤに落とし込むときに現状のインフラの貧弱さがネックになる可能性はありますが、インバウンド対応というところは引っ掛かるものの、とりあえず投資に向かうことは評価できます。殆どシナジーのない新京成電鉄の子会社化と統合とか、系列バス会社の再編とかで守りを固める一方だった京成と、やはり沿線の高齢化と立地企業の撤退で京阪と似た苦境にある京急がアクティビストに促されて動いたということですね。日本の現状は明らかに国内の民間投資が不十分だった結果と言えますから。

その意味で日本政府が合意文書を交わした5500億ドルの対米直接投資はヤバいです*15。というのも同様に対米投資を迫られた韓国のこのニュースです*16。長くなりましたのでさわりだけですが、韓国は外貨準備の80%超に及ぶ3500億ドルの直接投資でウォン安によるインフレ昂進を懸念して抵抗していたもので、それ故自動車関税交渉が遅れたのですが、日本のように自動車関税緩和を優先してやはり確実に円安を招く巨大投資を受け入れたことは、国民生活を犠牲にして大企業を救ったということでもあります。とりあえず今回はここまでにしておきますが追って深掘りします。

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Sunday, August 10, 2025

外国人問題は社畜の怨念?

雨で凌ぎやすくはなりましたが、お熱うございます。社畜の帰省シーズン*1ですが、コロナ禍での帰らざる社畜2*の変化で様変わりしました。バーチャルなご先祖様はは変わらず帰って来るけれど、居なくなるアニオタはコミケの復活で元に戻り、寧ろ推し活や聖地巡礼で活性化されており鉄ちゃん顔負けです。一方鉄ちゃんは青春18きっぷアップデート*3で様子が変わり、売上3割減だそうで、使い勝手の良かった旧青春18きっぷユーザーは一部離れたようです。

とはいえJR東日本の来春の値上げ*4に見るようにコロナ禍の減収がリモートワーク普及で戻らない一方、インフレによる調達価格上昇もあり、これまで維持してきた国鉄末期の運賃体系で発生していた超過利潤が減少し、割引の原資が細った結果、割引きっぷの見直しも避けられないところですし、上記エントリーで指摘したように青春18きっぱーの増加で現場の負担が増えたこと、地方の過疎化でそもそも通学列車も減っていて企画きっぷ発売の趣旨も薄れてきてますし、また旅客6社の売上配分が利用者アンケートの結果に基づく推計値による案分というアナログな方法でこれも負担になっていたと考えられますから、自動改札の入出場記録に基づく実数値で配分できる分バックオフィスの負担も減ります。

てことですっかり様変わりしたお盆の風景ですが、もう1つ変わったのが円安を背景としたインバウンドの外国人観光客の増加です。特に社畜の帰省とは需要がバッティングします。加えてインバウンド客の大きな荷物が座席や通路を塞いでトラブルが頻発しており、観光地のオーバーツーリズムと相まって課題が明らかになってきてます。それなのにJR東海は定員減を嫌って荷物スペースを増やすといった対応を取っていませんし、予約荷物スペースが予約外の荷物で埋まったりしています。外国人観光客が荷物スペースの予約ができることをJR東海がどれだけ告知しているかが問われるところですが、一見さんの観光客にとって使いにくいシステムになっていないかといったところも問われます。

これJR東日本のえきねっとや指定席券売機の使いにくいユーザーインターフェース(くそUU)の問題*5とか、JR東海のスマートEXと別建てだったり、折角全国で使えるようにしたIC乗車券も敢えて仕様を変えて共通仕様から離脱したり*6、合理化でみどりの窓口縮小したら行列ができたり*7、クレジットカードのタッチ決済やQRコード決済の取り組みもバラバラ*8。先に検討していたJR東日本を出し抜いた格好です。混雑を前提に動作の確実性を求められる首都圏に対して、IC乗車券でも先行するSuica/PASMO陣営に対して仲間を増やす横展開で優位にあるICOCA*9と似た構図です。Suica経済圏危うし。JR東日本はみどりの窓口改革としてAI導入を打ち大sていますが*10、AIはあくまで道具で使い方次第です*11。

要注意なのはAIの電力消費の大きさで、単純に社畜の代替を目指すと人口減少下の高エネルギー消費で知恵熱地獄*12になるし、ろくなことになりません。あとマクドナルドのハッピーセット問題*13ですが、ちいかわでも起きたことの反省や対策も無しにポケモンカードのようなプレミアム性のあるキャラクターグッズを景品として配布して客を吊る企業姿勢にこそ問題があり、外国人のみならず日本人もいると思われる転売ヤーのせいにするというのはいただけません。「悪いのは外国人」というのは間違っています。

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Saturday, July 05, 2025

TIXY選挙の後始末

ティックトック、インスタグラム、エックス、ユーチューブを略してTIXYと呼ぶそうですが、SNSのショートムービー拡散機能を選挙活動に利用して、一方的な断定調の主張を有権者に届けるTIXY選挙が物議を醸しているのは都知事選の石丸現象*1や兵庫県の斎藤知事再選*2に留まらず、高齢者バッシング*3や年収の壁問題*4や氷河期世代煽ったり*5外国人の社会保険タダ乗りのフェイク*6などで支持を伸ばす国民民主党*7の躍進はSNSの拡散力によるものです。AIで見た目を整えることも容易になり、N党、れいわ、参政党などもSNS拡散を取り入れており、街頭演説中心の既存政党と異なった選挙戦術で自らを目立たせようとしてます。

その結果見た目のウケ狙いが目立つようになり、例えば野党各党が揃って消費税減税に言及し、与党の自公も給付金で対抗するという*8眩暈のする状況です。いずれもインフレ対策として打ち出してますが、総需要を賄える供給力が衰えた中での財政出動はインフレ要因になるだけで無意味です*9。税収の上振れが喧伝されますが、インフレの影響である以上、時差を伴って国債金利の上昇による国債の利払い費増が迫る中で、上振れ分は国庫に戻して国債発行の圧縮に使うべきものです。特に長期債の金利上昇は顕著で*10、低金利時代に増えた長期債をこれ以上増やせず、短期債で凌ぐしかない状況です。その結果国債に借換えが増えて借換え時の入札で決まる金利の上昇の影響を長期間受けることになります。つまり現役世代や将来世代へのツケ回しが膨張することになります。こうした財政の仕組みを知れば高齢者バッシングは無意味だし消費税減税や給付金も問題だと理解できるでしょう。

TIXY選挙で報道姿勢が批判された所謂オールドメディアがインフレ対策を「最大の争点」と報じるのですが、経済学上の常識としてインフレはマクロ経済現象であり、対策は日銀の利上げと財政出動の縮小による総需要抑制策しかないことぐらいきちんと指摘して欲しいです。逆にこの点を曖昧にしたままの選挙戦ではまともな結果が出るとも思えません。実際都議選では自民公明の議席は減ったものの都民ファーストが伸びて小池知事与党は盤石という結果になりました。自民党は都連の裏金問題で票を減らした模様ですが、都ファに票が流れたんじゃ意味がないです。寧ろ都の開発行政の不透明さは温存されて地価は上がる一方で家賃も上昇してもはや地方の若者を受け入れる余地は減ってます。

週刊東洋経済2025年6/21号の第二特集で東京の湾岸副都心を取り上げております*12。既に公募も取りやめ東京ドーム4個分の都有地が宙に浮いています。臨海副都心の開発は主に三菱地所が手掛けてきたのですが、1996年予定の都市博の中止*13で狂いが生じたものです。ご存じ青島幸雄氏が都市博中止を掲げて都知事選に立候補して当選し、逡巡はあったようですが民意を尊重して都市博中止を実行しました。規模としては開催中の大阪関西万博を上回る大規模博覧会を起爆剤に開発に弾みをつけようとしたようです。これ古くは1940年の幻の東京五輪と東京万博を想定して晴海展示場が整備されたものの戦争で中止した流れと同じですが、どのみちバブル崩壊で博覧会どころじゃなかったでしょう。とはいえ都有地の造成費用は支払われている訳で、税金で負担されていることは指摘しておきます。

しかし東京都は諦めず石原知事時代の東京五輪招致で競技施設を湾岸に集め、1964年の国立競技場その他の既存施設と連携したコンパクト五輪を構想するも選に漏れ、その後紆余曲折の果てに2020年東京五輪として招致されたものの、再利用される筈の国立競技場が建て替えられ*14、震災復興もそっちのけで容積率変更の既成事実づくりで強行され*15、コロナ禍で無観客になったり、事後的に五輪を巡る不正が明らかになったりしながら、新国立競技場を露払いにして神宮外苑の再開発が進んでいるのは周知のとおりです*16。つまり未利用の都有地を放置して風致地区指定の民有地の再開発を進める都の異常な開発行政です。そして神宮外苑の地権者には三井不動産や神社本庁が名を連ね、隣接地の伊藤忠本社ビル建て替えに伴う空中権売買まで行われております。都が造成費用を負担した臨海副都心は放置され、民間の大口地権者の利益誘導を図った訳です。しかも神宮外苑は都心の貴重な森で、都市部のヒートアイランド現象による気温上昇を抑える役割もあるのにお構いなし。熱中症で倒れる人が増えても知らん顔ってことです*17。こうした開発行政に信任を与えたことになる訳で、森喜朗元総理と萩生田光一議員が差配したことも明らかですが*18、元々流動人口が多く選挙への関心が低い東京都議選ではこうなってしまう訳です。ある意味TIXY選挙がやり易いと言えますが、参院選ではどうなるでしょうか。

それでも流石に臨海副都心の都有地は何とかしたいから8号北上線(豊住線)*19や臨海地下鉄*20でアクセスに弱点のある臨海副都心のアクセス改善を狙っているんでしょうけど、神宮外苑に留まらずそこここで再開発ガシガシ進めている中で意味あんのかってのが正直なところです。加えて再開発を阻むもろもろの要素も顕在化しております。この点は別項にて取り上げたいと思います。

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Saturday, April 19, 2025

大転け・完敗万博

大阪・関西万博が始まりましたが、予想通りというか、泥縄が露呈しています。

大阪万博、地下鉄は何度も入場規制 バスは予約優先 - 日本経済新聞
万博会場の夢洲はごみ埋め立て地の人工島で、アクセス手段が限られており、不安視されていました。地下鉄中央線夢洲駅と東ゲートが直結されており、メインルートとなるほか、JR桜島線桜島駅から路線バスタイプのシャトルバスで向かうサブルートの他、主要駅からの観光バスタイプのシャトルバスや指定駐車場からのシャトルバスで向かうパークアンドライドなど多様なアクセス手段を用意していましたが、実際は地下鉄中央線に見学客が集中し、JR大阪環状線乗換駅の弁天町の地下鉄駅で混雑から改札が入場規制されるなどで見学客の遅延が生じ、また東ゲートの入場ゲートのセキュリテイィチェックが手間取り、携帯基地局のキャパオーバーでチケットのQRコードがスマホに表示されないトラブルもあり、完全予約制で混雑のない万博を標榜したことが、2時間遅れで予約時間に間に合わないとか、帰宅時間の夢洲駅の混雑で行列で1時間待ちで「入るには入れず帰るに帰れない」と不満。加えて悪天候で雨宿りする場所がない、巨大リンクの大屋根も風雨の吹き込みでびしょ濡れ。バスアクセス中心の西ゲートではシャトルバスを予約制にしたのに、万博チケットと別の交通系サイトの目立たないメニュー表示でそもそも辿り着く人も少なく予約はガラ空きなのに、帰宅希望の予約外客が殺到して予約客優先のオペレーションで大混乱助長といった具合です。そして道路アクセスも橋と海底トンネルの2ルートだけで、しかもシャトルバスの優先運行故に事実上タクシーが使えない。地場のタクシー業界から改善を求められているのに対応せずという具合です。

アクセス交通の混乱は、実は4月6日のテストランでも見られたことで、交通アクセスの弱点は明らかでした*1。テストランでは予約より早く来た人が多く、ゲートの混雑による一時滞留で夢洲駅の混雑が課題とされましたが、テストラン参加が5万人の一方初日13日の入場者数13万人で倍以上とはいえ、半年の期間中2800万人の入場者数を達成しなければ赤字確定で、1日平均15万人の入場が必要ですが、当然日のよって変動がありますから、少なくとも倍の30万人の入場も視野に入れなければならない訳です。初日の入場ゲートの混乱の解消から言えばかなりハードルは高いと言えます。初日の弁天町駅の入場制限のように思わぬ場所に混乱が生じる可能性もありますし、地下鉄中央線が事故等で運休した場合の混乱もあり得ます。そして初日の大雨のような悪天候もありますし、これから暑くなるシーズンで会場に日よけが乏しく熱中症対策が難しいこと*2もまた問題です。そしてトイレのトラブルやメタンガス問題などまかり間違えば大惨事になりかねない問題*3を抱え、始まったばかりなのにすでに終わっている-_-;。そもそも夢洲開発はカジノ構想ありき*3でタイムスケジュールから2025年の大阪万博開催というタイトなスケジュール*4になった訳です。大量の公費投入でカジノ企業を誘致する大阪維新の姿勢はレントシーキングのカモフラージュでもあります。

比較される1970年の大阪万博と何が違うのかですが、時代背景と会場の立地と交通アクセスの違いがかなりあります。70年万博の会場となった千里丘陵は大阪の市街地にほど近い山林地帯で未利用の土地が多かったし、広さもあったから、白紙に近い状態で開発が計画されました。御堂筋を北へ延ばした新御堂筋と大阪郊外の環状道路の中央環状線の整備に伴い、新御堂筋に付帯する地下鉄1号線(御堂筋線)の延伸が同時施工で整備が計画されましたが、市営故に大阪市境をちょっと超えた吹田市江坂までが都市計画に盛り込まれたものの、その先は大阪府による千里ニュータウン計画ということで、府市の管轄の壁があったことは確かですが、同時に京阪神急行電鉄(現阪急電鉄)の営業エリアで阪急バスが京都線や千里線などの鉄道駅へのフィーダー輸送を担っていました。そこへ新御堂筋が通り、地下鉄が伸びてくるとなると穏やかではいられません。そこで阪急は大阪府や関連自治体の出資を仰いで北大阪急行電鉄(北急)を立ち上げ、御堂筋線と直通する鉄道の権益を得た訳です。所謂第三セクターの走りですが、自治体の出資は従であり阪急グループ色の強い企業です。

一方で大阪市内の交通を巡る熾烈な争いがあって、京阪電気鉄道がターミナルの天満橋から淀屋橋へ延伸して都心乗入れの先鞭をつけましたが、大阪市内の鉄道事業は大阪市が地下鉄網を整備して私鉄の進出を抑えようとする一方、在阪各社は都心進出の機会を窺っていました。近鉄は上本町から難波への延伸、阪神は戦前の急行線複々線化構想の落とし子の伝法線を難波へ延伸して近鉄との直通を模索し、千鳥橋、西九条と小刻みに開業させて西大阪線に改称という動きをしました。阪急は新京阪線のターミナルだった天神橋から堺筋を南下する構想を持っていましたが、大阪市の地下鉄6号線(堺筋線)、南海電気鉄道も堺筋を北上する構想を持っていて競願状態で当時の運輸省鉄道局は3社局で協議して結論を得るまで免許交付しないという立場を取り、協議の結果天神橋ー動物園前間を大阪市が整備し、阪急と南海が相互直通するということでまとまり、とりあえず万博関連事業として万博会場近傍を通る阪急千里線との相互直通を優先して軌間4ft8in・1/2(1,435㎜)の阪急に合わせて整備されることになりました。そして北急を中央環状線に併設される中国自動車道を対面通行2車線の暫定開通として4車線化の用地を利用して線路を敷いて万国博中央口までの期間限定の会場線に利用し、会場西ゲート近くを通る阪急千里線に臨時駅の万国博西口駅を設置することになり、鉄道2路線でアクセスが確保されていたことで、混雑を分散できた訳です。結果的に万博輸送を阪急は独占したことになります。そして大阪のミナミに対するキタの比較優位が確立します。

また新御堂筋と中央環状線の整備でシャトルバスによる広域アクセスが可能になり、特に国鉄茨木駅・阪急茨木市駅からの中央環状線のシャトルバスはバス事業で阪急より優勢な京阪バスや当時直営の近鉄バスが参入し、独占エリアとはいえ阪急単独でのシャトルバス運行は無理だったけれど、万博関連で協業ができた訳です。今回の大阪・関西万博では市営バス改め大阪バスと京阪バスが特に力を入れているようですが、ドライバー不足のご時世で交野市の京阪バス撤退という事態もあり、関西でも批判を浴びています。公費を投入したイベントで不便になることは許容されることではありません。

70年万博関連では近鉄難波線と鳥羽線の開業、三重電気鉄道由来の志摩線の改軌と万博輸送に直接関わらなかった近鉄が集中投資で経営基盤を強化しました。並行する地下鉄5号線(千日前線)とは同時施工で並行して整備されましたが、万博に伴う外国人観光客来阪対策で通りました。一方そうした流れに乗れなかった阪神西大阪線の延伸は地下鉄5号線との競合故に進まずなんば線として結実するのに長時間を要しましたし、南海は中央環状線アクセスの阪神高速松原線と同時整備された地下鉄2号線(谷町線)の南進に伴って大阪軌道線の平野線が廃止され、堺筋線の天下茶屋延伸で天王寺支援が廃止、更に地下鉄御堂筋線のなかもず越境延伸とエリアを侵食されています。70年万博の経済効果は均等ではなかったのです。その意味で今回の大阪・関西万博の経済効果3兆円は鵜呑みにできません。また関西のGDPシェアは70年万博の100.78%をピークに低下しており、イベント依存の限界でもあります*5。

南海に関しては関西空港連絡輸送で外国人見学客の渡航需要を受けられるとはいえ、直接的なメリットはあまりなく、やはり万博には縁が無いのか?なにわ筋線が開業していれば南海も恩恵があったかもしれませんが、やっと事業着手の段階ですから間に合う筈もありません。なにわ筋線の建設には実は南海も関わってまして、大阪市の市営地下鉄民営化構想に連動して大阪府出資の第三セクターの大阪府都市開発(OTK)の持ち分売却を行いOTKの事業部門だった泉北高速鉄道の売却で揉めて最後は南海電気鉄道に売却されました*6。そしてその売却益はなにわ筋線の整備主体となる関西高速鉄道の資本増強に回すことになっていたので、間に合っていれば南海の泉北線買い取りの資金回収が早まったことになります。これ70年万博で北急が万博輸送対応で大量発注した大阪市営地下鉄規格の電車を、万博終了後に大阪市に売却して元を取って資本費負担を軽減した結果低運賃を維持して最大限メリットを享受したことと対照的です。またなにわ筋線絡みでは京阪中之島線がなにわ筋線開業を睨んだ事業ですし、阪急のなにわ筋連絡線(大阪~十三)と新大阪連絡線(十三~新大阪)構想もありますが*7、後者は南海との直通運転を構想しながら具体的な協議が行われておらず、仮に梯子を外されれば堺筋線の二の舞になります。という訳で欲得絡みの関西鉄道業界事情は比較的摩擦の少ない首都圏の業界事情と大きく異なります。中之島線にしろなにわ筋線にしろ鉄道整備にも公費が投入される中で、公正さが担保されているか?維新絡みではいろいろあり過ぎて疑問を禁じ得ません。

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Saturday, April 05, 2025

MAGAのリアル

MAGA不思議なアメリカが本格始動しました。

アメリカ公表の「相互関税」全リスト 日本24%、中国34% - 日本経済新聞
とりあえず各国一律10%関税が始まり。国別の上乗せは9日からとしてますが、その間の各国の反応を見る為です。早速中国とカナダは報復関税を課すし、EUも米国内投資の停止指令を出して対抗する姿勢を示す一方、メキシコは様子見と国毎に対応が分かれます。日本はと言えば除外を懇願するという対応ですが、これ一番まずい対応です。理由を以下に述べます。

そもそも相互関税というのは二国間で協調して相互に関税を下げる場合の用語法ですが、今回はアメリカが一方的に関税を課す訳ですから相互関税と呼ぶのは誤りです。しかも各国の関税率は10%の最低ラインを前提に各国の対米貿易状況を「貿易赤字高÷輸入高×100÷2」という雑な数式で導き出しているものです。つまり輸入に占める貿易赤字の百分率の半分ということで、輸入超過分はアメリカが搾取されたものと見做しつつ、半分にまけてやるという意味です。つまり二国間交渉の土俵をアメリカが用意している訳で、それに乗れば確実に負けます。

また米中対立でチャイナプラスワンとして投資が集中し漁夫の利を得た東南アジアのベトナムやカンボジアの関税率が高い訳です。関税回避の為のサプライチェーン見直しを迂回貿易と捉えている訳で、大ぐくりで言えばターゲットは中国ということになります。しかし日本企業の多くが中国の拠点を東南アジアに移しつつある中で出口を塞がれたということでもあります。仮に日本だけ除外してもらっても日本企業は救えません。報道によると日産が関税回避で国内生産の米国内移管を検討というニュースもあり、存亡の危機の日産には言い訳が立ち神風かも^_^;。とはいえ株は大変なことに。

NYダウ急落、2231ドル安 関税応酬で史上3番目下げ幅 - 日本経済新聞
新聞の株式欄がストップ安で真っ黒という見慣れない椿事ですが、冗談抜きに経済のブロック化で国際貿易縮小し大恐慌へ発展し、各国の対立激化で果ては世界大戦ということも心配した方が良さそうです。防衛費3%と言われなくて良かったとか、逆にディールのカードとして米製兵器買いますとか言っちゃまずいってことです。特にハイテク株の下げが目立ちますがDeepSeekショックで指摘したようにAI開発に資金突っ込み過ぎた結果のバブルが今回の関税騒動で剥落したとすれば、相場が戻る可能性は低いと言えます。

てことでMAGA勢の動きを止めるとすれば皮肉にも市場の圧力ということになりそうですが、トランプ政権の高官が「デドックス」と表現するようにMAGA勢はバイデン政権の政策の否定をテーマにしていて、政権移行初期の今なら不都合なことは全て前政権のせいにすることも可能と見ている訳です。安倍政権が「悪夢の民主党政権」と言ってデタラメやったことを見倣っている訳です。つまりアメリカは今後衰退する道に入る可能性が高い訳で、関税まけて欲しさに安易な譲歩はすべきではない訳です。同時に今回の関税問題は反対派を混乱させる情報戦の意味もあります。

そして株式以外の市場もいろいろ動いておりまして、株式市場との裁定で債券市場は上昇し金利低下しており、日米金利差も縮まって円高に振れました。所謂リスクオフ相場で高リスクの株式から低リスクの債券に式がシフトしてリスクオフの円高となっておりますが、この動きは早晩止まると見られます。米FRBにとっては関税はインフレを呼ぶことになりますから利下げが止まり、寧ろ利上げシフトすらあり得る一方、日銀は先行きの不透明感から利上げに動きにくくなります。加えて日銀ETFの含み損で財務が傷つき、踏み込んだ利上げがやりにくくなります。故に日米金利差は寧ろ拡大に向かうと考えられます。オマケですが年金運用のGPIFも含み損が発生してますから、去年の年金財政検証はやり直すべきです。

一方で原油価格は値下がりしており、これは関税発動前の駆け込みでOPEK+が増産した結果の値下がりで、輸入に頼る日本にとっては助かります。逆に値崩れでシェール増産が難しくなるアメリカにとっては誤算ですが、原油の値崩れは戦費調達をエネルギー輸出に頼るロシアを苦しめます。これでウクライナ停戦が実現するなら瓢箪から駒ですが、資源権益とバーターとなるウクライナの苦しみは続きます。それを間近に見るグリーンランド住民の反発は当然ながら、最大の在外米軍基地がグリーンランドにある以上、アメリカはNATOから抜けられないし、資源権益も欲しいから諦めないでしょう.故に米欧の対立は長期化する可能性があります。こう考えると日米同盟を前面に立てる日本政府の対応は危ういと言えます。

以下鉄ちゃん的蛇足。ストップ安で真っ黒な中で内需株、特に関税の影響を受けない鉄道株は寧ろ買われています。こういう点からも外需依存を減らして内需関連に投資をシフトすることで難局を回避することはもっと考えられた良いと言えます。但し生産年齢人口の減少下ですから、投資案件の選択は重要です。例えばこれはどうでしょう。

新空港線「蒲蒲線」、国が東急の構想認定 今夏にも具体案 - 日本経済新聞
蒲蒲線と呼ばれる新空港線事業を国が認可したもので、とりあえず第一期区間の矢口渡―京急蒲田間の1.7㎞の事業区間で。蒲田と京急蒲田の800mのミッシングリンク解消となりますが、事業費1000億円で京急蒲田駅地下の乗入れる形で当面乗換対応となります。故に北陸新幹線敦賀問題のような高低差乗換が発生することになります。

しかも空港利用客がガラガラ引いて乗換ですから相当なストレスとなります。とはいえ大鳥居までの第二期の事業化は、軌間や車両サイズや保安装置の違いがある上、そもそも京急は乗り気ではなくめどは立っておらず、この点も北陸新幹線に似ます。米原ルートの東海道新幹線乗り入れより厄介かも。加えて現状で羽田空港連絡輸送は需給面で余裕がある一方、JR東日本の羽田空港アクセス線も事業化されており、供給過剰が心配されます。そもそも羽田空港発着枠にも限りがありますし、成田空港も第三滑走路整備と共用時間帯の拡大で発着便数を増やすとされており、関連して京成電鉄が相互車庫拡張で空港連絡輸送強化を打ち出すなど、高度成長期さながらの需要追随型投資を競っていますが、果たして必要な投資なのか?

あと敦賀の乗換は未体験ですが、東京で追体験できそうなところとしては東京駅京葉線ホームや下北沢駅の小田急線急行ホームと京王井の頭線ホームとの乗換、東京メトロ日比谷線と都営大江戸線六本木駅といったところでしょうか。京急蒲田駅はどうなる?

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