鉄道事故

Sunday, September 15, 2019

台風と共に去ったメディアの公共性

台風15号の直撃で鎌倉市内だけでも土砂崩れや倒木で1万戸以上の停電や一部通行止めなど甚大な被害がありました。横浜市では金沢区の臨海工業地帯で高波被害があり、少なからぬ企業の操業停止が続いています。これだけでも凄いことだけど、千葉県の被災状況は輪をかけてます。未だに13万戸の停電があり、完全復旧に2週間かかるという惨状です。あと成田空港の陸の孤島化。関西空港の台風被害は洋上空港故と言えますが、内陸の空港もこうなるということですね。

これらの情報はメディアの報道で知るのですが、タイミングとしてはかなり遅いんですよね。台風一過のメディアを賑わせていたのは、専ら韓国の政界スキャンダルと内閣改造でした。ここまで甚大な被害があるにも拘らず、メディアのこの反応はどうしたことでしょうか。大雪被害のときはゴルフ三昧だったり関西の台風直撃中の赤坂で飲み会とか、安倍政権の過去の対応を見ると、国民に冷たいのは相変わらずですが、そうであればこそ、メディアがタイムリーに伝えて政府に初動を促すことが何故できなかったのか?

京急の踏切事故ではSNSで流言が流れる中、取材力を発揮して正確な情報を提供したのに、政治絡みだとこの体たらくってのは何なんでしょうか。災害時には流言が拡散され易く、ましてSNSでデマの拡散力が増しているときに、関東大震災時の朝鮮人虐殺という悲しい歴史を踏まえた報道姿勢を見せられないのは何故なんでしょうか。メディアが報道の公共性を自ら否定する愚を質さないと、メディアの居場所がなくなるぞ。

メディアを巡っては京都アニメの事件でも被害者の実名公表を巡って議論がありました。これは基本遠隔地の知人や縁者に知らせるという意味で公共性がありますから、実名公表自体は必要です。まして京アニ自体が世界的にクリエーター集団として名を成しているんですから尚更です。但し遺族のプライバシー問題もあるので、時間を置いての全員公表はとりあえず妥当な着地点でしょう。遺族に対するメディアスクラム問題がSNSで拡散されてましたが、真偽を判定する情報が乏しく、判定不能です。

そんな中で取り上げたいニュースがこちらです。

「辞めろと言われるとは」 日産社長に取締役会引導  :日本経済新聞
株価連動報酬(SAR)の基準日を動かして約4,700億円を過剰に受け取っていたことを暴露されての解任ですが、思い出していただきたいのは、ゴーン氏の最初の逮捕容疑が退任後に受け取る予定の報酬を有価証券報告書に記載しなかったとする金融商品取引法違反容疑でした。つまりまだ受け取っていないし、実際の支払いはその時点の取締役会の議決が必要な報酬ですから、債務として確定していないにも拘らず形式犯として身柄を拘束したんですよね。これ地検の検事が会計の知識が無いことを暴露したようなもんですが、まともに考えれば無罪です。

一方の西川氏は億単位ではないものの、実質的に会社の金を横領している訳で、より悪質ですが、これをお咎めなしってのはバランスを欠きます。とはいえ度重なる金銭スキャンダルに対する日産社内の拒否反応もあり、またゴーン氏の側近だった西川氏の責任を問う声もくすぶっていた中で、解任を決めた日産には一分の良心が残っているのかもしれません。

この解任劇で唯1人解任に反対したのが経産省出身の社外取締役の豊田正和氏なんですが、この豊田氏は何故かルノーとの交渉役に指名されているんですよね。何か急にキナ臭くなりますが、もう少し続けますと、ゴーン氏の暴走を止められなかったのはガバナンス改革が不十分だったという理屈で6月の株主総会議決を経て指名委員会設置会社に移行した日産ですが、指名委員会の委員長も豊田氏なんですよ。明らかに豊田氏に権限が集中しているんですよね。

てことでゴーン氏逮捕のときから政府絡みの国策操作じゃないのかって見方はありましたが、わかり易過ぎるぐらい状況証拠は整ってます。ガバナンス改革は安倍政権の目玉政策だった訳で、その旗振り役は経産省でした。フランス政府の圧力でルノーからの経営統合圧力が増す中で、日産を管理下に置きたいって思惑が透けて見えます。表面上はガバナンス改革の外観を装いながら、政府が実質支配体制を敷くってことですね。

しかもゴーン氏の側近だった西川氏への批判がくすぶる中で、敢えて西川氏を残した気配もあります。東京地検の捜査では司法取引が行われ、ゴーン氏とケリー氏以外の関係者の免責が約束されているらしいですが、中身は不明です。おそらく西川氏が該当するんだと思いますが、その弱みを政府に握られて豊田氏の権限拡大のために定款変更で指名委員会設置会社に移行し、そのバーターで豊田氏は一応解任反対はしたけれど、元々西川氏を使い捨てるつもりだったとしたら、西川氏は哀れなパペットだったってことになります。こんなトップじゃ業績ダダ下がりも無理もない-_-;。

ルノーとの関係云々よりも、今の日産に必要なのは、ユーザーに支持される魅力的な車を作って市場に投入することの筈です。ノートe-Power以来ヒットが出ていない現実を直視して、次の魅力的な新車を開発することです。例えばルノーの人気車カングーに日産バッジをつけて当座を凌ぐでも良いし、三菱アウトランダーPHVの日産バージョンでも良いですが、今使えるリソースを動員して市場に問うことはやるべきです。何れも失敗しても直ぐ止められますし。

そうして時間稼ぎしながら本格的な新車開発を行うことでしょうか。具体的にはe-Powerの横展開でしょう。ノートではマーチの3気筒エンジンで間に合わせましたが、本来は発電専用の高効率エンジンを開発したいところです。元々リーフの電動パワートレインが使われていてパワフルですから、プリウスやアクアよりもキビキビした走りは楽しめますし、ユーザーへのアピール度は高いと言えます。その意味で日産社内が政治絡みで委縮しないかが心配です。誤算だらけで指摘したゴーン改革を台無しにする政府の対応には怒りを禁じ得ません。

そんな政府の介入で迷走している企業は日産だけではありません。

東電、送電投資の抑制響く 停電復旧13日以降に  :日本経済新聞
1992年には9千億円規模だった送配電投資が2015年には2千億円規模にまで縮小していたという驚くべき事実です。

この間に何があったかというと、90年代はバブル崩壊で企業の設備投資が減速し、それに伴い伸び続けていた電力需要が頭打ちになります。ゼロ年代には欧米に遅れて政府が電力改革に着手したものの、発想電一体の地域独占体という業態を維持したまま、異業種の限定的な発電事業への参入解禁と電力会社同士の限定的な越境営業が認められただけです。

電力会社にとっては発電事業こそ付加価値の源泉ですし、規模の経済で異業種の参入にコストの壁がある一方、送配電部門はコストしか産まない部門ですから、需要が伸びない中で必要な更新投資を先送りして益出しするインセンティブが働きます。また越境営業といっても電力会社間の連係線の容量不足で制約されますから自由化は画に描いた餅です。

その一方で2007年の中越沖地震で柏崎刈羽原発が停止し、需給が逼迫する事態となり、他電力から連係線容量一杯の受電で凌いだものの、独占を阻害する連係線強化には踏み込みませんでした。そして2011年の東日本大震災で福島第一原発のメルトダウン事故と福島第二の全停止となる訳ですが、その結果石炭火力の稼働で凌ぐ関係で燃料費が嵩み、またやむを得ず連係線を強化して他電力からの受電受電で凌ぐなどしましたが、当然コスト増となりますし、福島第一の廃炉費用と賠償費用もねん出しなければならない訳で、老朽設備の更新投資はますます先送りされることになります。つまり国策に振り回されたあげくの台風被害ってことで、将に減耗する固定資本に沈む夕陽となった訳です。

おそらく東電に関しては小売り部門の東京電力パワーグリッドの身売りで凌ぐことになると思います。つまり実質的な東電解体となる訳ですが、震災の時に破綻処理を避けた結果、回り回って解体の憂き目にあう訳です。発電部門も柏崎刈羽6,7号機の再稼働が見通せず、建設中の東通原発も中部電力などと合弁での対応を余儀なくされ、原発の代替電源として過酷な稼働を続ける火力発電所もボロボロです。破綻処理して蘇ったJALとは対照的ですね。

台風関連では計画運休で大事を取ったまでは良かったものの、運転再開が大幅に遅れたJRも批判されましたが、これ台風の速度が急減速して時間が後ずれしたことの影響が大きいと言えます。あと観測史上最強の台風が直撃ですから、想像以上に被害が大きかったってこともあります。自然相手ですからこういうことはあり得ますが、朝8時には平常運転されるようなイメージを持たせた事前告知の問題はあります。

台風通過後線路点検だけでも2-3時間はかかりますし、異常が発見されて復旧工事を手配しても、作業員が現場に到着するまでのタイムラグもあります。まして土砂崩れや倒木の影響で道路の通行止めが多数あった状況ですし、また被害の程度に対して動員できた人数も少なかったかもしれません。これは正常化バイアスの問題のみならず、そもそも生産年齢人口が減少している中で公共事業の大盤振る舞いしている影響もあるでしょう。つまり政府が余計なことをしたってことです(怒)。だから未だに震災復興も道半ばで、北海道、熊本、岡山、関西の地震や豪雨被害も中途半端。国敗れて山河無しじゃシャレにならんぞ!

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Sunday, September 08, 2019

京急の先頭電動車は安全のため?

シーサイドラインの逆走事故に始まって横浜市営地下鉄の2度の事故に続いて横浜でまた事故です。但し今度は京急ですが。

トラック、踏切内で数十秒立ち往生 京急衝突脱線 (写真=共同) :日本経済新聞
ネット上では様々な憶測が語られていましたが、今回は放送や新聞などの伝統的報道機関の報道がしっかりしていました。ファクトをきちんと押さえてます。

流れとしては中央市場で積み荷を積んで千葉方面へ向かう12tトラックが、おそらく第一京浜から第二京浜へ向かうために東神奈川交差点を左折したものの、東神奈川地下道の2.8mの高さ制限に気付いて慌てて仲木戸の右折レーンを右折して迷い込んだものと考えられます。結果論ですが、仲木戸で右折せずに東神奈川の駅前ロータリーで転回して第一京浜に戻っていれば、少し東京方面に向かって新子安手前の入江橋で左折して京急とJRのガードをくぐれば問題なかったんですが、件の仲木戸の右折レーンは大型車進入禁止の規制もなく、以前にも迷い込んだ大型車が長い距離をバックしたことがあったと住民が証言してます。とりあえずここへの注意喚起策は緊急に必要でしょう。

京急の対応もたまたま休憩中の社員が左折のためのバック誘導を依頼された挙句、ドライバーが左折を諦めたとして右折を強行し踏切に進入したことから、非常ボタンを押して現場を離れてますが、これは問題ないでしょう。一方踏切にはセンサーによる障害物検知装置が設置されており、こちらは正常に作動して信号を明滅させて電車の運転士に異常を知らせており、非常制動距離の600m地点で確認できる作りになっていて、運転士も非常ブレーキを作動させたけれど間に合わなかったということで、運転士が非常制動をどの時点で作動させたかがカギとなります。

この点は非常信号と非常ブレーキが連動していなかったことを問題視する意見もありますが、京急は運転士の判断に任せる形にしていました。これも評価が難しいんですが、2年前の小田急線参宮橋―代々木八幡間のボクシングジム火災で警官が非常ボタンを押して電車を止めた為に電車に延焼するという事故がありました。京急の言い分にも一理ある訳です。

それとネットで気になったのが、京急の先頭電動車ポリシーで転覆しにくい車両構造だったから、他社だったら転覆して被害を大きくしたというのがありますが、今回に限って言えば、先頭車は転覆はしなかったものの大きく傾いて上り線を支障した訳で、対向する上り列車が来なかったことが幸いしたというのが実際です。傾いたのはトラックが電車と線路脇の防音壁に挟まれたからという指摘もありますが、防音壁が無ければトラックが線路外へ飛ばされて民家に被害が出た可能性もある訳で、この辺も評価が難しいところです。

日本では衝突安全に関する国家レベルの統一されて規制は無いものの、特に踏切事故の多さもあって各社それぞれ工夫が見られます。例えば名鉄パノラマカーと小田急NSE車は先頭客室の安全性に配慮して衝撃吸収ダンパーを内蔵していましたし、旧国鉄を中心に高運転台も対策の1つとされました。

運転士の視認性の改善の狙いと同時に、乗務員の安全確保を狙ったものですが、92年9月14日の成田線久住―滑河間の大菅踏切で起きた過積載ダンプカーの踏切冒進に下り佐原行き113系4連が衝突して前面が潰れて運転士が死亡する悲惨な事故があり、113系や115系の前面にステンレス板を貼る強化工事を緊急に実施。当初無塗装で出場したこともあって鉄仮面と通称されました。また閉じ込められた運転士の救出が遅れたこともあり、209系以降のの新系列で乗務員室仕切りに緊急時壁を抜ける構造にしたレスキュー口が設置され、E217系では運転台後方部分の強度を敢えて弱めてクラッシャブルゾーンとする仕様にして安全対策を強化してます。

という具合に各社各様の安全対策は取られている訳で、敢えて京急の先頭電動車の安全性を持ち上げることは、暗に他社をdisることになるという点は意識しておきたいところです。

加えて京急の先頭電動車方式は安全対策なのか?って疑問もあります。というのは、京急自身が公式に認めているのは、信号回路のレスポンスの違いなんですよね。鉄道信号は左右のレールに信号電流を加圧しておいて、車輪で左右を短絡することで列車の在線を検知して信号を切り替えるシステムですが、京急のように標準機で軌間が広くカーブの多い路線では、レールと車輪フランジの接触が多くなるので、油で潤滑して摩耗を防ぐようになっておりますが、これに埃や粉塵が負Y託すると絶縁状態になったりします。

吊り掛け駆動の電動車ならば自重と振動の影響で簡単に取れるレールの汚れが制御車だと取れにくく、その分信号の切り替わりが遅れるという現象を経験則として得ていた可能性はあります。というのは、そもそも京急では制御車は戦後に絞ってみても戦災復旧車のクハ280、クハ550、クハ650とデハ600に電装品取られたクハ420と例外的な存在ですし、クハ280は本線運用ではほぼ中間に封じ込められて運用されてましたし、クハ550はサハ化され、その他は400番台に集約される過程で電装又は中間車化されてます。地上設備の制約からタイトなダイヤを余儀なくされる京急では、先頭制御車による僅かなタイムラグも許容できなかった可能性があります。

カルダン駆動時代になると都営地下鉄との直通運転で性能条件をクリアするには全電動車にならざるを得なかったのですが、京成電鉄がコスト削減のために6M車を投入したことで微妙になります。6M車というのは、モハ3200型の3221以降で採用された6M1Cユニットで。端子電圧500vの特殊定格モーターで3S2P制御とし、先頭台車を無動力としたものですが、当時京急線への直通運用は少なかったとはいえ1号線規格に準拠するから拒否もできないってことで、転覆事故防止という分かりやすい理由が後付けされた可能性は指摘しておきます。別に間違いではないですし。但し転覆しにくさってのは標準軌だからって理由の方が大きい気はしますが。

ただこうした重箱の隅つつきのような議論は、そもそも首都圏の踏切の多さという根本問題を逸らす効果がある訳で、踏切立体化が進まない現状こそが問題なんですが、地権者の権利が過大なために立体化事業が進みにくいし多額の予算を必要とすることもあって進まないという速目はあります。立体化事業自体は道路側の事業で鉄道側の負担は原則1割程度と言われますが、例えば京急蒲田駅周辺の連続立体化事業で言えば、空港線増強のネックとなる京急蒲田駅の平面交差解消に合わせて京急が追加負担をしたから事業化されたって側面があります。小田急線などの複々線化事業も同様ですね。

特に地価の高い首都圏では今後もあまり進捗は見込めません。とりあえず京王線代田橋―仙川間の立体化が手続き中ですが、危険な踏切の解消は遠いと言わざるを得ません。横浜市もIR誘致なんかよりこっちに予算使って欲しいですね。

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Sunday, September 01, 2019

日韓事変

オウンゴールの国がますます拗らせてます。徴用工裁判の報復を匂わせた韓国のホワイト国除外が大事になりつつあります。特に韓国のこの対応は想定外でしょう。

GSOMIAとは何か 軍事機密共有の「資格」  :日本経済新聞
GSOMIAというのは、軍事情報の共有の協定ですが、元々日本の自衛隊がイージスシステムの情報漏洩やらかしたことから、米軍の逆鱗に振れたたことから始まったもので、暗号レベルでの機密情報共有が特徴ですが、とりあえず米軍がハブになれば間接的には情報の共有は可能とはいえ、米軍に日韓と共有すべき情報の取捨選択という面倒な作業を強いることになるので、アメリカが怒った訳です。

アメリカの怒り自体は韓国にとっても想定外だったでしょうけど、突然のホワイト国除外を安全保障上の理由から韓国を信用できないとした訳ですから、ならば軍事機密共有なんて無理だよねってのが韓国の言い分でしょう。この辺の韓国政府の対応も問題ないとは言い難いですが、これを李明博政権末期のような人気取りの反日政策とする見方は違います。少なくとも2つの変化が韓国政府を揺さぶっているものと見られます。

1つは1人当たりGDPが3万ドルを超えて、低成長の日本との差が縮まったことで、韓国の国民意識が変化したことが挙げられます。かつての植民地支配のみならず、戦後復興で日本が先行した一方、日本の先行をもたらした朝鮮半島の南北分断もあって、韓国の国民意識としては日本からの自立の機運が強まっていることがあります。

漢江の奇跡と言われた高度成長を主導した韓国の歴代保守政権への信任が、朴槿恵大統領の贈収賄事件による弾劾もあって揺らいでいる一方、サムスンをはじめ世界的大企業を輩出しながら、日本のようにそれを支える層の厚い中小企業群は国内に乏しく、素材や工作機械など多くのものを日本企業に依存せざるを得ない状況からの脱却が出来ないでいる中で、今回のホワイト国除外措置が取られたことから、日本への反発が国民レベルで強まったことが挙げられます。

もう1つは経済成長の一方で深刻な少子化もあり、経済成長に陰りが見え始めたことです。日本の後追いをしてきた結果、日本のような長期停滞の入り口に立ってしまったってことです。元々人口規模で日本の半分以下ですから、国内市場は小さく、外需依存が強い韓国経済ですが、財閥と呼ばれる一部の大企業は日本企業を手本に世界へ飛躍して本家の日本企業を追い落としたものの、上記のように中小企業が手薄であることもあって、外需で稼いでいる大企業とそれに乗れない中小企業の格差が開く一方で、当然給与水準も開きが出ており、保守政権と癒着する財閥系大企業への批判が根強くあります。

朴槿恵大統領弾劾で誕生した文在寅政権は、財閥系と中小企業のギャップを埋めるべく最低賃金の大幅値上げを行ったんですが、これが逆に中小企業を苦しめる結果となってしまうなど、経済政策は必ずしもうまくいっておりません。その中でそれでも外需を稼ぐ財閥系企業への逆風となる日本によるホワイト国除外は韓国経済に大きなダメージを与えるものとなる訳で、豊かになった韓国国民は経済の失策を許さないから、文在寅政権としては対抗策を打たざるを得ないってことですね。ですから植民地支配への謝罪要求とかじゃない訳です。逆に言えばちゃんと話し合えば解決可能とも言えます。

韓国も日本同様構造的に長期停滞差し掛かってきている中で、出口が見えない状況なんで、本当は両国の強みを合わせてwin-winの関係を築くことが大事だし、少子化など共通の課題を抱えていることもあるので、そういった面も含めて知恵を出し合って協力関係を築く方が得策です。対立が続けば誰も得をしない訳です。一連の経緯から出口を想定していたかどうかも怪しいところで、展望もなく戦線拡大した戦前の日本と変わらんぞ。

もうちょっと踏み込んで言えば、これ日本にも当てはまりますが、過度な外需依存はアメリカのトランプ旋風のような赤字国の反撃に遭えば打つ手がありませんし、リーマンショックでも日本が最もダメージを受けたように、経済ショックへの脆弱性も避けられません。

米中対立は確実に長期化しますから、寧ろ外需依存を減らして内需の深掘りをすることの方が望ましい訳ですが、内需拡大と言えば公共事業の拡大しかしない日本政府あるいは消費税増税にかこつけてポイントバックを餌にキャッシュレス決壊を普及させようとした結果、7pay終了という余計な仕事で生産性を落としてる日本政府ってどうなんだってことを申し上げたいですね。

ちょっと気になるのが、劣化しているのは政府だけなのか?ってことですが、例えば横浜市営地下鉄ブルーラインで30日に踊場駅の折り返し線で回送電車が車止めを突破して壁に激突した事故ですが、下飯田駅近くでの保線用乗り越しポイント撤去漏れによる脱線事故があったばかりでまたやらかしました。

同様の事故は営団時代の丸ノ内線新宿駅の折り返し線で回送電車が車止めに衝突したため、中野坂上駅の中線を使って折り返して当時の運輸省への報告を怠ったってのがありましたが、そりゃバレるわwww。横浜市でも当初の発表が二転三転して情報開示に問題があります。加えて当該の運転士の過酷な超過引むが明らかになり、労務管理に問題を抱えている可能性があります。加えて過走防止対策が採られていなかったのかってことも疑問です。これ逆走した横浜シーサイドラインの問題とも共通する保安装置のバグの可能性も指摘できます。

そして南海電気鉄道の台車枠の亀裂問題です。

ラピート亀裂台車生産の日本製鉄、鉄道各社と調査検討 (写真=共同) :日本経済新聞
新日鐵住金改め日本製鉄ですが、鉄道車両用台車は旧住友金属工業が最大手で国内シェアの4割を占める存在です。台車枠の亀裂と言えば、新幹線のぞみの重大インシデントが思い出されますが、この時は川崎重工製の台車に不具合があったとされましたが、同時に超音波非破壊検査が実施されておらず、また走行中に異音を確認しながら運転を継続したことなどの問題も指摘されました。

のぞみのケースは断裂寸前という深刻なものでしたが、メーカーの川崎重工のミスが発覚したことで議論が収束したものの、今回はシェア最大の最大手メーカーであることと、のぞみのケースとは部位が異なるものの、台車枠の溶接部で起きていることに加えて、南海電気鉄道で集中的に見つかったことなどで、少々厄介なことになっています。元々溶接部は溶接熱で歪みが生じやすく、応力で亀裂が生じること自体は起こり得ますし、実際多くの場合検査で発見されて補修される訳ですが、南海の検査体制に問題があった可能性もある訳です。

あとのぞみのケースでもあった異音を確認した時の指令の対応など、様々な要因があって原因究明を困難にしています。あるいはある種の馴れで見落としがあったとか、世代交代を経て熟練を要する打音検査のスキルが低下したとか、要員不足による超圧布無での注意力低下とか、あらゆる可能性があります。そのへんをどこまで明らかにできるのか?「想定外」で済ませて良い問題ではありませんね。

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Sunday, August 04, 2019

リアル自爆炎上の恐怖

京都アニメ―ション放火事件という死者35名もの大事件がありました。40Lものガソリンを撒いて火をつけりゃこうなるってのは、ひょっとしたら容疑者自身が巻き添えになる可能性の認識が無かったのでしょう。

2003年の韓国大邱市の地下鉄放火事件では、ペットボトル1本分のガソリンで当局の対応のまずさもあって192名の死者を出してますし、2015年の東海道新幹線ののぞみ225号焼身自殺事件では、巻き添えの女性1名の死亡の他乗客乗員28名が重軽傷になるなど、身近な危険物としてのガソリンの危険性の認識が甘いんじゃないかと思います。学園や街頭で火炎瓶飛び交う時代を経験した私ら世代から見ると、昔はホントガバガバだったし、実際ガソリン放火事件は多数ありました。例えば1980年の新宿西口バス放火事件が思い出されます。

昔は成人男性の多くが喫煙者でマッチやライターを普通に携行していて、ガソリン販売の規制も緩い状況でしたが、その後規制強化されてはいますが、未登録の農機やフォークリフト、小型発電機の給油というニッチな需要がある以上、販売時に店員が用途を尋ねても抑止効果は限られます。今回の事件では500mほど離れたセルフスタンドで購入したと報じられており、セルフスタンドでの携行缶販売は法令違反ですが、店員の質問をクリアして購入できている訳です。こうなると身分証提示など一段の規制強化は必要ではないでしょうか。そうしないと、この事件で明らかになったガソリンの威力が悪用される事態もあります。その結果がこれ。

慰安婦少女像の展示中止 愛知の国際芸術祭 (写真=共同) :日本経済新聞
大村愛知県知事は河村名古屋市長のクレームに対しては「行政が展示物に干渉すべきでない」として見識を示した一方、脅迫まがいの抗議電話やガソリン放火を予告するFAXまで送付され、職員の安全を図るため中止を決断せざるを得ない無念を示しています。

愛知県警に相談しても、FAXはネットで匿名化されているから遡及は無理という意味不明の理屈で断っている訳で、これ明らかに愛知県警のサボタージュです。令状取ればプロバーダーに通信ログ開示を指示できますし、匿名化までしての脅迫ですから、寧ろそのことが犯行の意志を示します。ま、時間がかかるしそれ以前に犯行阻止のために警備強化はしなければならず、面倒ってことですね。G20大阪サミットで見せたガチガチの過剰警備に見られるように政権肝いりでなければ面倒は受けたくないってことですね。逆に2020東京五輪は戒厳令並みの警備体制確定でしょう。典型的な恣意的な公権力の行使です。ヤレヤレ。公権力の行使は公平公正でなければならないってのは、国民国家の基本中の基本ですね。

そんな状況で開催されるオリパラですが、選手村や競技施設が集中する湾岸エリアでは東京港の処理能力を超えた貨物の集中で道路がパンク寸前なのに、オリパラ関係者の移動のための大規模な交通規制が敷かれます。物流が滞ることは間違いありません。あ、だから日韓関係拗らせて貿易減らす?まさかね。

一方現状でも朝の通勤ラッシュで混雑している通勤鉄道に世界から観戦客が押し寄せる訳ですから、相当な混乱は避けられません。上述ののぞみ225号の事件のときにも新幹線のセキュリティチェックが言われJR東海が無理と即座に否定しましたが、混雑する通勤鉄道はテロLリストから見れば格好のソフトターゲットになります。繰り返しますがペットボトル1本のガソリンで大惨事の大邱市の事件など、新幹線でも不可能な通勤鉄道のセキュリティチェックの困難性は言うまでもありません。

加えて各スタジアムで入場時に行われると考えられるセキュリティチェックの長い列が鉄道駅に伸びた時に何が起きるか?駅外の混雑で予想外の事故を誘発した2015年の事故のリンク貼っときます。

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Sunday, June 30, 2019

G20サミットで見えた2020東京の混乱

G20サミットでメディアジャック状態でしたが、さしたる成果が見えない中で、大阪での大規模規制の混乱ぶりが注目を集めました。

レガシーを次に生かせるか 厳戒のG20大阪サミット閉幕  :日本経済新聞
高速道の通行規制や高速バスの運休に渋滞による路線バスの遅れやニュートラムの中埠頭駅通過扱いなど、市民生活に大きなストレスをもたらしました。

成果が見えない一方で経済活動にストレスを与えてまでやる意味があるのかってのは、尤もな疑問ですが、首脳外交なんてそんなもんです。1814年のウィーン会議が典型ですが、参加国が多ければ利害がぶつかり合い会議\は踊ります。それでもナポレオン戦争の戦後処理を決めウィーン体制が始まったことに意味があります。

普仏戦争の敗北とプロイセンのビスマルクによるドイツ統一で事実上の降伏を余儀なくされたフランスは、紆余曲折を経て1871年のパリコミューン攻防戦で大量流血となりました。それを当時ライン新聞主筆だったカール・マルクスはパリ市民への連帯の意を表す一方、ウィーン体制下で統一し帝国を形成したドイツを「神聖同盟の下で眠りこけている」と酷評します。産業革命の進捗で新たに登場した近代的労働者階級を古代ローマの無産市民になぞらえてプロレタリアートと名付け、その解放は反動的な神聖同盟(ウィーン体制のこと)の元では不可能と見抜いたわけです。

現代に置き換えれば「神聖同盟」はヤルタ・ポツダム体制が該当ですが、曲がりなりにも正規の外交交渉で決められたウィーン体制と違ってヤルタ会議という秘密会議で決められたことが大きく異なります。その結果国連憲章で日本とドイツは敵国条項で封じ込められ、ドイツは東西分割統治によtって、日本は日本国憲法による交戦権放棄によって、それぞれ無力化された訳です。ナポレオン戦争後のウィーン体制同様、戦勝国による敗戦国封じ込めは容赦がありません。

この体制も長く続けばいろいろ変化に晒される訳で、東西冷戦終結とドイツ統一でNATO軍としてドイツに駐留する米軍の地位協定が見直されますが、日本に関しては変化が無いばかりか、集団的自衛権行使容認や憲法改正で軍事同盟強化の方向性が示されてますが、大元のヤルタ・ポツダム体制の見直しはスルーされ、地位協定も変化無しです。その言い訳として朝鮮半島有事や台湾有事が取り沙汰されますが、台湾は経済面で中国と一体化が進み、米朝和平プロセスが始まった現状では、日本ばかりが「眠りこけている」状態です。

それでもこのような外交ショーがつつがなくできることが、秩序の健在を示す訳ですから、批判されようが経済を圧迫しようが、強権を以て「眠りこけている」ことは、政権にとっては重要な訳です。ただこれ来年のオリンピックではより長期間、広範な場所で再現されるわけですから、憂鬱な話です。休める人は休んで東京を脱出する方が良いでしょう。休めないまでも仕事の前倒しや先送りや時差出勤やテレワークで影響を回避する知恵は必要ですね。ヤレヤレ-o-💭。

通勤時間帯の鉄道の混雑もさることながら、物流の混乱は深刻です。

東京港、物流パンク寸前 トラック渋滞が慢性化  :日本経済新聞
現状が既にパンク寸前なのに、オリパラ期間中の交通規制で東京港は使えないということで、他港へシフトする動きが出ています。湾岸地域ではR356の東京港トンネル区間が供用開始したばかりですが、首都高に規制がかかればう回路として車が殺到するでしょうから、前後区間を含めて大渋滞が予想されます。

そんな状況で「混雑対策で船を活用」とか言ってる小池知事の牧歌的な認識はホントしょーもない。あと鉄道に関しても、地理不案内な外国人が多数殺到することも視野に入れる必要があります。混雑状況によっては改札規制がかかることもあるでしょうし、不慣れな人が増えて乗降に時間がかかったり、事故やトラブルも見込んでおく必要があります。企業も災難だと思ってBCP対策考えないとね。いやホント、地獄の五輪を覚悟せよって話ですね。

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Saturday, June 15, 2019

高齢者の資産取り崩しの意味するところ

何だかよくわからないニュースが多い今日この頃です。1つはイランを巡る緊迫ですが、安倍首相がイランを訪問し最高指導者ハメネイ氏にトランプ大統領の「会談しようぜ」のメッセージを伝えて断られてます。ガキの使いか!同じ日にホルムズ海峡で民間商船2隻が砲撃を受けるという事件が起きて、アメリカはイランの責任を言い、イランはそれを否定という構図ですが、謎の多い事件です。

安倍首相のイラン訪問を意識した可能性はあるとしても、意図が分からない。単純に混乱を演出するということか。アメリカはイラン革命防衛隊所属線による機雷回収の映像を公開してますが、被害船の1隻を保有する国華産業という日本の海運会社は、飛来物目撃の船員の証言を明らかにしていて矛盾します。結果的にトランプ大統領も「会談は時期尚早」と態度を変えたわけで、謎の攻撃主体が混乱拡大を意図したとすれば、それは成功したということになります。真相はどうあれ原油価格の上昇は避けられないところです。

香港では逃亡犯条例制定に反対する市民の大規模デモが起きて欧米諸国から人権配慮の意見が寄せられております。今のところ日本政府は態度を明らかにしておりませんが、多分スルーでしょう。天安門事件の時と同じ構図です。実は日本のこういうところを中国政府はよく見ています。というよりも、もっと有体に言えば参考にしているとさえ言えます。

天安門事件は中国政府にとっては未だにトラウマになっていてます。鄧小平の改革開放路線に舵を切って経済成長を目指したのは、勿論清吾日本の奇跡の復興を参考にしてますが、同時に経済成長は民主化をもたらすという欧米中心に見られる見方への対応も日本を参考にしているのです。経済成長と民主化の関係で言えば、韓国やインドネシアなど開発独裁で経済成長した後に民主化で独裁者を倒す事例が多数見られますが、当然中国もそれを分かっていて、実際天安門事件では胡耀邦総書記のように天安門に集った若者に共感を示して更迭された幹部もいます。

にも拘らず軍隊に当たる人民解放軍を投入して鎮圧したのは、経済成長しても長期政権が続く日本の自民党を見倣えば良いという判断ですね。60年安保闘争のデモ隊鎮圧を見倣った訳です。ただし1つ誤算があって、軍隊を動かしたことでハンガリー動乱やプラハの春でソ連軍が動いたことの連想で欧米が拒否感を示したことです。だから今回はそれを踏まえて人民解放軍の投入はしない。訳です。警察権力による鎮圧ならばセーフって感覚ですね。

余談ですが、97年総選挙での政権交代による民主党政権誕生は、中国政府にとっても誤算だったわけで、実際尖閣問題などで却って関係がぎくしゃくしました。野党時代には双方で交流があったから、寧ろ中国政府にとっては尖閣問題での民主党政権の筋論はショックを大きくしたとも言えます。逆に民主党政権が安定していれば、中国の民主化は進んだかも。同時に今のままなら中国はいずれ日本が躓いた問題に躓き行き詰ることになります。米中摩擦は将にそれです。

で、やっと本題。日本の行き詰まりを示すこんなニュース。

「老後資産2000万円」問題、私的年金の議論に冷や水  :日本経済新聞

金融審議会ワーキンググループによる報告書を巡って炎上してます。56pの報告書は人口減少と高齢化で金融事業の環境変化を論じていますが、まあツッコミどころ満載で、炎上すべくして炎上していると言えます。ワーキンググループに名を連ねる多数の識者たちにしても意に沿わない纏め方じゃないかと思いますが、結局事務局が描いたシナリオが先にあるのがこの手の審議会の常ですし、委員も名が売れて謝礼が出るから意に介さないかもしれませんが、これは恥だぞ。

問題になっているのは厚労省提供の年金生活の高齢者世帯の実態調査で、年金受給額プラス5万円の生活費というところから、65歳時点で95歳まで生きると仮定した場合に、資産取り崩しで充当される5万円を賄うためには2,000万円の資産形成が必要と結論付けて、iDeCoやNISAなどで若いうちから資産形成すべきと結論付けております。これまんま出来の悪い証券マンのセールストークそのものです。事務局の官僚の劣化甚だしいところです。

そもそも厚労省が示したデータは夫婦2人世帯のものですから、厚生年金や共済年金といった被用者年金加入世帯が対象で、高齢者全世帯ではないですし、既に資産形成に成功した世帯とそうでない世帯を含みますから、少数の資産残高の高い世帯ほど取り崩し額が大きく、平均値を押し上げている訳です。平均値で見るべきでないデータを平均値で丸めて単純計算したら2,000万円って話です。統計学の基礎の基礎ができてない。せいぜい言えるのは、資産残高の高い世帯ほど資産を取り崩すってことぐらいです。つまり老後も贅沢したきゃ金貯めろってことですね。これを承認した審議会メンバーも恥ずかしいけど、1度は公表を認めた麻生大臣も恥ずかしい。ま、恥を自覚する知性がないだけかもしれませんがwww。

ですから論旨としては公的年金の問題を取り上げた訳ではないんですが、公的年金の支給減額の見通しを随所で記述しており、減額があたかも既成事実のように扱われているというのはありますが、野党の追及も含めて寧ろそちらに力点が移っているようですが、主たる論点ではありません。

年金に関してはあくまでも保険ですから、損得を言えば長生きすればたくさん支給されるし、支給年齢前に不慮の死を遂げれば貰えないってことで、保険の原理で動いているので、本質的な問題は4.1%という割引率の高さです。割引率が高ければ少ない保険料で大きな給付が受けられますから、お得感を演出できますが、実現するために株式などのリスク資産への投資を余儀なくされる訳で、本来は元本保証のある国債投資に限定すべきです。この誤魔化しを是正するところからが、本来の年金改革です。

付け加えれば、公的年金制度の安定性は現役世代の実質所得に依存しますから、実質賃金が上昇していれば問題ないんですが、国がデータを公表できないほど悪化している
訳ですから、見通しが暗いのは間違いありませんが-_-;。

金融審議会の報告書ですから、そこへ触れないのは仕方ないとしても、悪質なのは公的年金の不安を煽ってiDeCoなどの私的年金へ誘導しようとする意図見え見えな点です。この辺が上記の「出来の悪い証券マンのセールストーク」たるゆえんです。つまり議論を取りまとめた事務局の官僚たちによる金融業界への利益誘導ってことですね。これこそが問題なんですが、またそのレベルが低すぎるというか、こんな証券マンに騙される人はそもそも投資には向きません。やめた方が良い。これがかつて優秀とされた日本の官僚なのか?

もう1つ言えば、マクロ経済的にはライフサイクル仮説ってのがありまして、若年時には将来に備えて貯蓄する一方、リタイア後はその貯蓄を取り崩すってのがありまして、日本の高度経済成長は若年人口の厚み故に国内貯蓄で企業が容易に投資資金を調達できたことで説明できますが、高齢化に伴う金融環境の変化を言うなら、高齢世帯の資産取り崩しは当然のことであると共に、若年世代の貯蓄性向を緩和するような方向性、つまり公的年金制度の安定性こそが重要なんで、その意味からもトンチンカンな報告書ってことですね。

つまりこのニュースが示すのは日本の政府統治の劣化ぶりを何重にも露わにしたってことです。付言しますがこのレポートを真に受けて消費を売政商とすれば、所謂合成の誤謬で経済はさらに冷え込みます。こんな日本をお手本にする中国を脅威論で警戒することの無意味さも指摘しておきます。本来は課題先進国として中国も見倣うような将来を見せることの方が大事です。

てな訳の分かんないニュースが溢れる中で、わかりやすいニュースを1つ。

横浜市営地下鉄で脱線 撤去忘れの装置に乗り上げか (写真=共同) :日本経済新聞
シーサイドラインに続いて横浜市の出来事ですが、保線車両を収納庫から出して本線レールに乗せる横取り装置と呼ばれるアダプターの撤去忘れってことで、他社でも同様の事故はそれなりに起きてますし、その結果撤去忘れ防止のための警報装置が装備されたりもしてますが、横浜市営地下鉄では装備されていなかったし、手順書への記載もなかったってことで、交通局は見直しを宣言してます。

鉄道の世界では起きた事故や重大インシデントに対しては時に過剰な対応を取る一方、起きていないけど可能性のある問題はスルーされやすいう傾向があります。今回が将にそれです。加えて事故現場に脱線車両を復線させる十分なスペースが不足していて復旧に手間取ったってこともあります。この辺も見直しが必要ですが、時間とコストがかかります。

おまけですが、復旧作業にはJR東日本と東急の支援があったそうで、こうした鉄道事業者同士の横の繋がりはそれなりにある訳ですが、事故の予防にも活かして欲しいところです。

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Saturday, June 08, 2019

自動運転にブレーキ? シーサイドラインの逆相事故

仙台日帰りで戻って地元スーパーで仙台みそ買った謎行動の先週末^_^;、謎な事故が起きました。

無人運行の横浜「シーサイドライン」逆走、14人けが (写真=共同) :日本経済新聞
終端駅の新杉田で折り返しの事故編成は、地上側からのATO信号で方向転換の指令を受け、方向転換を地上側に通知し、実際ヘッドライトやテールライトは正常に切り替わっていたのですが、発車してみれば逆走して25m走って車止めに激突して14人負傷という事故となりました。損傷度合いから20km/h程度で衝突したと見られており、非常ブレーキは作動しなかったと見られます。

代行バスの積み残しもあって3日後には社員の動力車運転免許所持者を動員して有人手動運転で運転再開したものの、平常の65%の本数に留まります。その後事故編成の動力系の制御回路に断線が見つかり、動力系だけ方向転換が出来ていなかった可能性があることがわかりました。難航が予想された原因究明ですが、とりあえずこれでかなり絞り込めますが、問題は非常ブレーキが作動しなかったことです。AGTではなく地下鉄ですが、こんな事例があります。

大阪地下鉄逆走 指導役、運転室に同乗 車掌の乗り違え気づかず  :日本経済新聞
大坂地下鉄谷町線大日駅で始発電車に運転士と車掌が乗り込み、普通にドア閉め安全確認合図の一連の後発車してみれば車止め側に走り出し、ATC信号で非常ブレーキがかかって停止したという不可解なミスです。しかも本来の進行方向を運転士と車掌が双方勘違いして逆側に乗務し、普通に発車させたというコントみたいな話です\_\;。加えて運転士の抜き打ち検査のために助役が本来の進行方向の乗務員室に添乗してたんですが、車掌を運転士と勘違いしつつ、ドア閉め合図するさまを漫然と見送り、走り始めて気付いたというおまけつき。間抜けすぎるwwwww。

無人自動であれ有人手動であれ、想定外の事態に対して非常ブレーキを作動させて停止させるという機械的バックアップがあればこそ安全が担保されるのであって、その部分に疑義があるシーサイドラインの有人手動での運転再開は、確率は低いものの、乗務員の勘違いで生じる異常事態のバックアップが働かない可能性があるわけで、当面慎重に対応するとしても、システムの大幅改修がない限り無人自動運転の再開はと言わざるを得ません。

思い当たるトラブルの原因としては、3月に一方の終端駅である金沢八景が仮駅から京急金沢八景駅隣接の新駅へ延伸したことでしょうか。金沢八景駅周辺の区画整理事業が遅々として進まず、16号線手前の複線の高架橋の1線を潰して仮設ホームを設置していたものが、区画整理の進捗と京急金沢八景駅の橋上駅舎化に伴い、当面単線で新駅へ延伸したものですが、この時に進路構成の連動関係を変更したときに何らかの瑕疵が生じた可能性はあります。

これやはり普通鉄道ですが、あの信楽高原鉄道事故では、信楽駅の場内信号機を停止(R)定位として、下り列車が接近して手前の地上子を通過することで列車を検知し注意(Y)信号に切り替わるという連動を、届け出なく変更して(Y)定位にした一方。信楽を信用していなかったJR西日本がやはり届け出も信楽側への通告も無しに亀山CTCセンターに信楽線内の方向優先テコを設置した結果、信号システムが誤作動したケースが思い出されます。加えて誤出発検知装置を過大評価して出発を強行した信楽側のヒューマンエラーが重なったものですが、システム改修時の僅かなバグが他の因子と偶然に重なって事故につながるケースはままあります。その辺も含めてクリアな事故原因究明が望まれます。

実は焦っているのがJR東日本なんですが、シーサイドラインに関しては車両メーカーのJTRECが東急車輛時代から関わっていて、事故車の2000系は開業2代目でステンレスボディや内装もE233系など新系列車によく似ています。信号システムはかかわりが薄いとはいえ、動力系制御回路の断線は車両側の欠陥が疑われます。加えて山手線の自動運転にも暗雲が漂います。

勿論山手線でシーサイドラインのような無人自動運転までは考えていないでしょうけど、添乗員付きは考えているフシがあります。というのも、運転士と車掌の職制の区分の廃止を打ち出しているからですが、動力車運転免許という国家資格取得が必要で運転士の養成はコストがかかりますし、専門職として高給優遇が必要になります。それを車掌レベルの保安要員で済ませられれば、労務コストを下げられるわけです。うがった見方ですがスットコドッコイな組合潰しはこの狙いもあるかも。

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Sunday, April 28, 2019

人間だもの

10連休が始まりました。個人的には仕入れ先も取引先も休むんで、一緒に休みますが、どこ行っても混んでるんで、家に籠って粛々と休みを消化する予定です。てことで取り上げるのはこれ。

接触事故後に急加速、気が動転か 池袋暴走 (写真=共同) :日本経済新聞
赤信号で進入か 運転操作を捜査、神戸バス死傷事故 (写真=共同) :日本経済新聞
何れもオートマ車の暴走事故で2日連続の惨事となりました。前者は87歳の元通産官僚、後者は64歳のバスドライバーですが、共に現行犯逮捕案件なのに対応が分かれました。それ故に忖度が働いたんじゃないかとネットで話題になりました。前者は加害者自身も負傷入院中だから逃亡の恐れがないという指摘もありましたが、日本の警察の過去の対応を見る限り、負傷入院中でも容赦なく逮捕している訳で、違う対応になっていること自体は確かです。

それと高齢ドライバーの問題として取り上げられてますが、オートマ車の操作ミスによる暴走事故自体は年齢に関係なく起きている訳で、寧ろマンマシンインターフェースのヒューマンファクター系のトラブルじゃないかと考えております。端的に言えばマニュアル車ならばアクセルとブレーキを間違える操作系ミスはエンストで止まりますし、そもそもクラッチやシフトレバーを含む一連の動作でミス自体起こりにくいってことがあります。

加えて昔のオートマ車は非力なエンジンに前進2段とか3段とかのシンプルなもので、アクセル踏み込んでもスムーズに変速して加速するような代物じゃありませんでした。これ元々アメリカで普及したトルコンATシステムを移植した結果ですが、5-7リッターのトルクフルなエンジンでトルクコンバーターを介してトルク変動を吸収してメカ部分をシンプルにする設計思想から来てますから、昔の日本車の非力なエンジンじゃうまく機能せず、タイムラグを伴うレスポンスの悪さとなります。加えてトルク変動による駆動輪の回転モーメントによるリアの沈み込みもありますから、暴走する前にミスに気付きますし、暴走するほどの力もなかったと^_^;。

それに比べてHVのプリウスも含めてオートマ車のアクセルのレスポンスは著しく進化していて、殆どストレスなく加速するようになっていることが影響しているんじゃないかってことを言いたい訳です。つまりミスに気付きにくくなり、結果的にダメージを大きくしているんじゃないかってことです。高齢者の免許証取り上げれば解決する問題じゃないってことです。

加えて最近の車は総じて乗員の安全確保が進化しており、よほどの事故じゃなければ乗員のダメージは少ないってこともあります。だからカジュアルに煽り運転ができてしまうってことも指摘しておきます。実際車間を詰めて煽ってくる車の多さは日常的に実感しておりますし、事件化して報道される事例もある訳ですね。車の性能や安全性が向上したことが、皮肉にもこの手の事故を誘発してるんじゃないかってことです。

ヒューマンファクターといえば14年前の25日に起きたJR西日本福知山線尼崎脱線転覆事故でも指摘されました。余裕時分を削り込んだタイトなダイヤでオーバーランと停止位置修正で後れが生じたことを気にした運転士が引き起こした事故ということで、JR西日本は批判にさらされました。加えて当該の運転士が過去にもオーバーランによる遅延で日勤教育と称する懲罰的処分を受けていて、ミスを重ねると乗務から外されることを気にしていたことも指摘されました。

日勤教育自体は国鉄時代から行われていて、JR西日本以外のJR各社でもほぼ同じように行われておりました。その中でJR東日本だけは日勤教育の名称は残しながら、実際は変更や確認事項の現場への連絡手段に変化していました。安全面では明らかに一歩リードしていた訳です。それもこれも1988年12月5日の東中野駅列車追突事故で運転士が死亡するということがあって、安全問題が見直されたものです。

事故は余裕時分の見直しによるダイヤ改正が行われた翌日というタイミングで起きたもので、当時の中央総武緩行線は201系と103系が混在していた中で起きており、201系では余裕のある新ダイヤも103系ではいっぱいいっぱいで、実際遅れていた停車中の103系の先行列車に201系の後続列車が追突した事故でした。遅れにより司令との交信に気を取られた後続列車の運転士のミスと判定されました。

その結果JR東労組がヒューマンファクターの見直しを本社に申し入れ、ATS-Pの設置スケジュールが前倒しされ、安全教育のための研修センターが福島県白河市に設置されるなど、目に見える改善がされました。また老朽車両の取り換えも積極化され92年の901系(後の209系試作車)投入につながったと見ることもできます。強面の労組が機能した事例です。同じ労組でも中核系の千葉動労は103系の取り換えに最後まで反対してますから、同じ労組でも違うもんです。尤もJR東日本は愚かにもJR東労組を潰しにかかりました。将来が心配です。

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Sunday, February 17, 2019

鈍器法定

統計不正問題がいよいよ森加計問題と酷似してきました。これ統計法違反という明らかな違法行為なんですが、捜査当局は動く気配なし。そして関与した上級官吏は口をそろえてゴマカシや答弁拒否。一方実行部隊の下級官吏からはリーク続々。アベノミクスの成果を良く見せる改編が行われたと考えてほぼ間違いありませんが、ウソノミクス統計135°でさわりは明らかにしてますので、ここでは踏み込まず別の話題。

大林組、増収増益  :日本経済新聞
「受注企業JR東海が差配」 大成と鹿島、無罪を主張 リニア談合初公判 他2社と認否真っ二つ :日本経済新聞
元々大林組が公取委に申告して発覚したものですが、談合を認め処分を軽減した大林組、清水建設に対して、争う姿勢を見せる大成建設、鹿島建設という構図で公判も分離されてますが、主張は真っ向対立してます。

既に分離公判で有罪が確定している大林組ですが、120日間の民間土木工事中止の処分も受けてますが、実は増収増益。つまりリニアは儲からないから逃げ出したってことですね。加えて2025年の大阪万博開催が決まり、関西地盤の大林組は竹中工務店と共に受注が増えることが見込まれます。つまり大手ゼネコンが仕事を選ぶようになったってことです。

これJR東海にとっては痛い話です。というのは、そもそもリニア建設着手は国鉄民営化時に新幹線保有機構からリースする形で、リース料に旧国鉄債務の一部を乗っけたスキームから、JR東日本の上場審査の過程で主たる収益資産が自己保有でないことのリスクを指摘され、同じ立場のJR東海、JR西日本と共に国に譲渡を申し入れたことで、譲渡代金のローンが始まり、それが2017年にほぼ完済されたことから生じる資金余剰があってこその自前整備ですから、逆に言えば予算上限は厳しく管理する必要があります。

それでも当初名古屋まで5.1兆円と言っていた事業費が膨らみ5.4兆円となっているように、ジワジワと膨張しているわけです。当然利益を削られるゼネコンにとっては旨味が少ないのですが、それでも五輪後を睨めば無下にできない訳で、特に五輪関連や豊洲市場など東京都が絡む事業に深く食い込んでいる大成建設や鉄道会社との関係を気にする鹿島建設は断れない。そしてこうなるってことですね。これだけなら民間同士の話ですから、談合事件で公取委が動くことにはならないのですが。

しかし大阪への早期延伸を望む声が与党議員から出てきて財投債で9兆円の融資を決めたことで、公共性ありと判断されて事件化されるんですから、何がどう転ぶかわかりません。それでも談合事件の立件は難しいところ。大林組の申告が渡りに船だったのでしょう。政府が関与するといろいろ不都合が生じるのは森加計問題や統計不正問題ばかりではありません。

JR東日本の整備新幹線区間への追加投資に絡んで、整備新幹線の法定速度って話題がネットに出てきて「法定速度を超えると線路使用料が上がる」などの妄言も見られますが、これ根拠法の全国新幹線鉄道整備法で定義されている設計最高速度が法定速度と誤って理解されているのが実際です。そもそも東海道新幹線の設計最高速度は210km/hですが285km/hで営業運転されてます。東海道新幹線の建設時には整備法は無かったので超法規的に独自規格で作られたもの。その結果を踏まえて全国新幹線網整備に当たって将来の技術革新によるスピードアップを先取りする形で定められた基準がそのまま見直されずに来たというのが実際です。

そもそも新幹線の事業主体は国であり、国の鉄道事業を体現する国鉄がその任に当たるという前提で作られた法律ですから、国の事業である以上恣意的な解釈で骨抜きにすることは許されないということから、設計最高速度やそれに付帯する最急勾配や最小回転半径などの基準が定められたのが実際。それが国鉄分割民営化で事業主体が消滅すると当時の与党議員が騒いで事業主体となる国のところを各旅客会社に読み替えることで延命させた結果です。

しかも財源がないからあの手この手で財源をひねり出すために、並行在来線の切り離しなどでJRに負担をかけないことや、受益者となる地方の負担も定めるなどされたものです。結局整備計画の延命のために恣意的解釈をした訳ですが。尚、最急勾配は九州新幹線や北陸新幹線では事業費圧縮の要請から一部基準を超える急勾配があり、将来のスピードアップの可能性を狭めています。

JR東海も当初は中央リニアを整備新幹線の枠組みで考えていたようですが、現実に存在しないリニア新幹線は基準に適合しないってことで当時の運輸省はほぼ門前払いに近い扱いをしていたようです。当時は所謂整備5線(東北新幹線延伸部、北海道新幹線、北陸新幹線、九州新幹線鹿児島ルート、同長崎ルート)の扱いすら決まっていない状態で、そちらを優先しないと地元選出議員からクレームがつく状態でしたから、中央リニアの整備新幹線化は実現可能性が無かったと言えます。

それが新幹線譲渡に絡んで譲渡代金の産出に時価法の一種である再取得価格法が適用されました。これは現在時点で同等の資産を新たに取得する場合に想定される価格ってことで、地価や建設費などの相場を反映したものですが、仮定の置き方で数値は変わり得るものでもあります。当時の運輸省はこれを利用して資産の非償却部分となる土地やトンネルなどのインフラ部分の数値を嵩上げし、嵩上げ分を新設の鉄道整備基金に持たせて整備新幹線の財源に利用することで財源論に道筋をつけました。数値を操作して財源をねん出した訳で、こういったことがあるから統計不正にリアリティが出てきます。

その結果JR本州3社はローン負担を負う訳ですが、同時に整備新幹線事業の推進力を得ることとなりました。加えて新幹線が自社保有となり、膨大な減価償却費が発生し無税で利益控除できますから、これで得たキャッシュフローで設備投資に弾みを付けます。その結果JR東海は品川新駅開業によるのぞみ中心のダイヤ編成で増収を図り、自己資本による東名間先行の整備計画をぶち上げることになる訳です。

で、JR東海をリニア建設に向かわせた新幹線譲渡代金ローンの終了はJR東日本やJR西日本も同様で、規模の違いはありますが、それぞれ異なった動きを見せています。ウソノミクスでも触れたように一つは東北新幹線盛岡以北の高速化に向けた設備増強ですが、もう一つ大きなプロジェクトも動き出しました。

JR東 都心と羽田空港結ぶ新線、29年度にも開業  :日本経済新聞
羽田空港の国際化と発着枠拡大で今後とも利用Y差は増えると見込んでいる訳ですが、同時に成田スカイアクセスとローコストリムジンバスに食われて劣勢の成田空港輸送の挽回の意図もありそうです。

整備区間の北半分は休止中で遊休化している東海道貨物線の浜松町―東京貨物ターミナル間の線路を活用し、東海道線に合流させて上野東京ラインで埼玉や北関東のアクセスを図るというもの。加えてりんかい線経由で山手西ルートから中央線や埼京線方面、と京葉線や武蔵野線方面の3方向の列車設定を想定しています。千葉県や千葉市が要求する京葉線から総武線への連絡線が実現すれば、羽田空港と成田空港を直結することもあのうになりますから、将来的には成田空港輸送のてこ入れにもなるという訳です。

既存施設を活用するプロジェクトですから、資金手当てが見通せれば実現可能性は高いですが、一つネックとなるのがりんかい線の扱いでしょうか。東京都はJR東日本に東京臨海高速鉄道の引き受けを以前から打診してますが、これが動く可能性はあります。都市興津に関わる新線計画ですから、国と地方に応分の負担を求めることになると思いますが、東京都の負担分を東京臨海高速鉄道の株式で行い、事実上のりんかい線引き受けにつなげる可能性はあります。ただしJR東日本の営業規則上、東京近郊区間に組み込まれることになれば、現在の認可運賃から大幅減額となりますから、それによる減収の評価をどうするか。株式評価を下げて都が実質補償するか、あるいは東京近郊区間から外して現行認可運賃を存続させる形にするか、交渉次第でしょうけど注目されます。

おまけ。リニアで散財するJR東海と対照的に経営基盤強化に資するプロジェクトに選択的に投資するJR東日本ですが、JR西日本はといえば、尼崎事故以後の安全投資優先の影響もあって遅れている老朽車両の更新に回るものと見られます。だから広島に錆びない電車が登場し、大阪環状線もリニューアルされると。

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Sunday, November 04, 2018

社畜の国の移民政策

韓国徴用工の新日鉄住金に対する賠償問題ですが、これ日韓条約で政府間の賠償問題は解決積みとされた訳ですが、この訴訟は個人としての韓国人徴用工の日本企業に対する賠償請求というところがミソでして、私人同士の賠償請求権が政府間の条約によって無効にできるのかが問われていたのですが、下級審で認められ、今回は上告審ですから、余程の訴訟手続き上の瑕疵がない限りこうなるのは当然です。

新日鉄住金は韓国ビジネスへの影響を考慮して和解を模索していたようですが、日本政府が和解に応じないよう圧力をかけたそうで、結果確定判決に至った訳で、和解しとけばそれで終わった話。これで戦時徴用に関連した70社超の日本企業が訴訟リスクにさらされるわけで、私人同士の問題に政治介入した結果のオウンゴールです。賠償を韓国政府に肩代わりさせると息巻いてますが、これ逆に元々関心が薄かった韓国の国内世論に火をつける可能性があり、困ってるのは寧ろ韓国政府です。

台湾プユマ号に関してメーカーの日車がATP解除した場合に自動的に指令に連絡する回線が接続されていなかったと発表しました。事故との関連は不明ですが、一定時間指令がATP解除を把握していなかった可能性はあります。当局の発表が二転三転したのはそのせいかも。いずれにしても日車のミスが明らかになった訳で、ややこしくなってきました。

このところ日産やスバルの無視覚検査や神鋼のデータ改ざんに始まり、川重の新幹線台車枠亀裂やKYBの免震、制震ダンパーのデータ改ざんに至る様々な不祥事が明るみに出ている日本企業ですが、いずれも経営陣が把握していなかったらしいという共通点があります。経営陣が現場を把握できていないガバナンスの問題と捉えるべきでしょう。日産やKYBのケースは政府規制の妥当性に疑義があるという見方もできますが。

てな具合に官民共にガバナンスがボロボロの日本ですが、政府の無能ぶりは言い疲れたwwwwわけぢゃないけど置いといて、生産年齢人口の減少が日本企業の現場を追い込んでるんじゃないかという問題意識で考えてみます。で、このニュース。

単純労働 外国人受け入れ 入国管理政策を転換 法案閣議決定、国会論戦へ :日本経済新聞
この臨時故国会で通して来年4月から施行というスケジュールも無茶ですが、事実上の移民受け入れとなるのに、国の在り方を変える議論には程遠いと言えます。

問題はいろいろあるんですが、基本在留期間5年ですから、あまり込み入った複雑な仕事は任せられませんから、単純労働を担うことになります。特定業種1級と2級に分けて一応生産性向上や高齢者や女性の労働力率上昇でも尚足りない業種に限定し、具体的な業種は3年毎に見直し充足されれば指定を外すとしてますが、生産年齢人口の減少は男女問わず進みますし、働ける高齢者の増加も減ってきますから、結局いつまで経っても充足されず、寧ろ他の業種でも足りないとなって業界の陳情合戦になって政治介入の余地を与えます。

冷静に考えて、生産年齢人口の減少が毎年50万人として、減少分を外国人労働者受け入れで埋めたとしても、5年で帰国するんですから、以後は足りなくなる訳で、帰国者分の受け入れを増やし続けない限り実効性は無い訳です。しかもスキルを磨いて高度な技能を習得するインセンティブもない訳で、果たして現場のモラルが維持できるのか?疑問です。現状日本人で構成された職場でさえ不祥事ボロボロなのに、外国人労働者を受け入れてまともなマネジメントができると考えているとすれば認識が甘すぎます。戦時徴用工の二の舞の悪寒。

結局社畜の代わりはAIでも外国人でもできないんです。人手不足を前提とした事業の見直しができなければ沈みゆくばかりです。そんな現実を踏まえてこのニュースをご紹介します。

東急、鉄道分社がもたらした27年ぶり高値  :日本経済新聞
東急の鉄道分社ですが、沿線再開発やビル賃貸などの事業は本体へ残すそうで、ある意味鉄道の専門性故の分社ということですが、このところの停電トラブルなど鉄道事業でのトラブル多発が背景にあります。その原因として電気技術者などの求人案があることは上記日産の無視覚検査と共にグローバルプリズンのエントリーで取り上げました。

東急にとってはルーツとなる田園都市株式会社が荏原電気鉄道や武蔵電気鉄道の免許線を利用して目黒鎌田電鉄を立ち上げた過去への先祖返りの形ですが、今や主力は渋谷など都内愛開発が中心で、かつて注力した多摩田園都市は高齢化で曲がり角を迎えています。いずれ多摩田園都市でも駅を中心とした再開発が必要ですが、そのためには鉄道がきちんと機能し信頼回復を図るための分社ということで、腐っても東急というか^_^;、現場問題をマネジメントの問題と捉える意識が見えます。勿論吉と出るか凶と出るかはわかりませんが。

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