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Sunday, November 08, 2020

ハイブリッド・シビル・ウォー

開票が進みやっと大勢が決まった米大統領選です。

「分断ではなく結束」 バイデン氏が勝利宣言:日本経済新聞
バイデン氏が勝利宣言をしましたが、トランプ氏は敗北宣言をしておらず。法廷闘争に持ち込む姿勢を見せており、すんなり政権移行するかどうかは微妙ですが、既に欧州首脳は祝意を表明しています。トランプ政権で悪化した外交関係の修復に対する期待でもあります。

英国ジョンソン首相も防衛機交渉や気候変動問題での連携に期待しており、EUと足並みがそろっております。バイデン氏の同盟重視の姿勢に対する期待ですが、アジアの某日本国は微妙です。安倍政権でトランプべったりだったことで、同盟重視があまりピンと来ていないこともありますが、バイデン氏が復帰を明言したパリ協定の目標が低すぎるとか石炭火力に依存しているなどで非難されたから、トランプ政権は居心地が良かったとも言えます。それに日本学術会議問題の国会答弁で炎上中でそれどころじゃないかも。また任命拒否した6名は反政府運動に関わっているという政府関係者の証言が報じられております。中国かよ!

しかしトランプ大統領は敗北宣言をしておらず、法廷闘争に持ち込む算段をしています。但し現時点ではトランプ陣営からの不正の訴えは裁判所に退けられており、また欧州から派遣された選挙監視団も今のところ不正の証拠はないとしております。但し州によって手続きが異なるため、提訴を受け付ける州も出てくる可能性はあります。

また既にSNSでフェイクニュースが拡散されており、何故か日本でも翻訳されたツイートが拡散されてますが、そのほとんどはファクトチェックされてフェイクとされております。寧ろトランプ陣営の立会人のあからさまな開票妨害が見られ、また両陣営のデモも起きており、下手すると両者の衝突もあり得ます。これ既に内戦状態と見て良いかもしれません。

ザ・シビル・ウォーで取り上げた南北戦争も元はと言えば大統領選でリンカーンが勝利して奴隷解放を進めたことに対する南部諸州の離反によりますが、当時リンカーンが所属する共和党は保護主義と工業化推進の立場で、逆に民主党は国際貿易重視で有力な輸出品だった綿花栽培農家の利害を代表していたため、安い労働力としての奴隷制度維持の立場で、今とは立場が逆だったのが面白いところです。時代が変われば立場も主張も変わる訳です。

てことでバイデン氏は同盟重視、国際協調の立場ですが、一方でバイ・アメリカンで国内工業重視の姿勢も見せており、経済下支えのための大規模公共事業も公言しています。しかし既にトランプ減税の大盤振る舞いとコロナ対策で財政赤字拡大が続いており、法人税増税を打ち出してはいるものの、上院がで民主党が多数派を取れなければ実現可能性に疑問符が付きます。そうなるとFRBが金融緩和で支えざるを得なくなり、金利の低下でドル安基調で円高が進むと言われております。

実際円は対ドルでジリジリ上げておりますし、欧州のコロナ第2波でユーロ圏もマイナス金利で円独歩高の様相です。しかし異次元緩和で手詰まりな日銀は打つ手がありませんし、政府の為替介入も現実的には不可能です。この面からもバイデン氏に祝意を表しにくい某日本国です。残る手は欧米並みにコロナ第2波で経済失速か。ひょっとして Go To って-_-;

話を戻しますが、フェイクニュースや開票妨害などはある意味現代的な実力行使でもある訳で、ハイブリッド戦争ならぬハイブリッド内戦と言えるかもしれません。ハイブリッド戦争または非対称戦争と呼ばれるのは、主権国家同士の実力紛争を意味する通常の戦争に対して、例えばテロのように民間人に紛れて攻撃を仕掛けたり、あるいは軍事的衝突は伴わないけどサイバーセキュリティの弱点を突くハッキングや攪乱とか、フェイクニュースのry\流布とか、武力行使を伴わない妨害行為など、紛争関係が非対称で見えにくいものを指します。

典型的なのは9.11とその後の対テロ戦争だったり、ウクライナ紛争のように明らかにロシア軍の実態の義勇軍とか、その他もろもろの紛争携帯の総称です。政権移行のために連邦軍がホワイトハウスからトランプ氏をエスコートといった事態もあり得ますし、仮にそうなると遺恨が残りバイデン氏の政策遂行の現場で様々な妨害工作が行われることも視野に入れておく必要があります。となると同盟重視で国際社会へのコミットを公言するバイデン氏ですが、国内問題に忙殺されて国際協調に手が届かない事態もあり得ます。かくして頼りにならないアメリカは継続し、中国、ロシア、トルコなどの権威主義国家がますます勝手に動くことになります。トランプ時代に負けず劣らず国際秩序は混乱すると見るべきでしょう。

となるとヤルタ・ポツダム体制下で惰眠を貪る日本も、アメリカを当てにできないことを自覚すべきでしょう。日本が提唱しアメリカが乗っかっている開かれたインド太平洋という防衛構想も、当てにはできないと考えた方が良いでしょう。結局米中のパワーバランスの中でポジションを模索するしかないのが日本の立場です。しかも日本の経済的プレゼンスはダダ下がりの中での話です。そんな中で気になるのがこのニュース。

アント、香港・上海上場を延期 中国当局が創業者ら聴取:日本経済新聞
アリババグループの金融サービス会社のアント・フィナンシャルグループが上場直前に創業者の馬雲(ジャック・マー)氏の発言を問題視して聴取したことで、上場が遅れたというニュースです。マー氏は当局の規制が時代に適合していないと政府批判ととれる発言をしたことが問題視されたようです。

アリペイによりQRコード決済システムでテンセントのウイチャットペイと市場を分ける巨人ですが、更に踏み込んでECでアリババに出店する事業者の資金支援サービスまで手掛ける結果、銀行の領域に迫る訳ですが、それ故当局の干渉は大きいのでしょう。それに対する不満を述べたことが当局の知るところとなっての事態ってことらしいですが、この辺中国の国有企業と民間企業の二重構造が表面化したと見ることができます。

ITの巨人として米GAFAと中国BATHという言い方があります。GAFAは省略しますが、BATHはバイドゥ、アリババ、テンセント,ファーウエイの頭文字です。この中に国有企業は無く、全て新興の民間企業なんですね。中国と言えば規模ばかり大きく非効率な国有企業のイメージが強く、実際そのような企業は多いですし、政府も雇用の観点から国有企業の保護の姿勢は見られますが、実際に中国の経済成長を支えてきたのはBATHに代表される新興民間企業です。但し競争を勝ち抜いて大企業に成長すると政府の干渉が強まるというジレンマが中国社会でも見られる訳です。これどこかの国と似ています。

NTT再編と政府による通信料金値下げにキナ臭い関係が噂されます。稼ぎ頭のNTTドコモが他社の攻勢でシェアを落として3位となった結果、優越的地位による規制が現実にそぐわなくなってきていることは確かですが、ドコモに留まらず東西やコミュニケーションズ、ITベンダーのデータまで統合してNTT再編が目論まれていますが、政府が34%の議決権を保有する特殊会社ですから、根拠法の改正は避けられないところですが、おそらく政府も法改正などの支援を内々に示唆しているのでしょう。上場したJRが完全民営化されたのとは異なります。

具体的には°ドコモの完全子会社化で、株主配当は不要になり、それがドコモにとっては値下げの原資になります。となるとauとソフトバンクも追随せざるを得なくなり、政府が目論む値下げが実現するという見取り図ですね。またsuもソフトバンクもUQモバイルやYモバイルといったサブブランドを活用してMVNO事業に進出し、安値志向の顧客をドコモから奪って囲い込む戦略でシェアを伸ばしてきましたが、このビジネスモデルはNTT法の縛りでドコモはできません。ですから見方を変えればドコモの子会社化でやっと追いついたという見方も可能です。

実際auもソフトバンクも本体は高機能端末でバリバリ通信するヘビーユーザーを囲い込んで高い料金を取っている訳ですが、ここに落とし穴があります。つまり高額通信料を承知で利用するユーザ―のお陰で基地局などの投資の原資を得ている訳で、それがドコモの値下げで利益が圧迫されるとやりにくくなります。折しも5G投資がは事案るタイミングでの話ですから、日本の5G投資は遅れることが心配されます。

今のところ専用基地局を増やすより既存の4G基地局をソフトエミュレートで疑似5G化する形でサービスを始めて5G端末を売って投資原資を得る形が考えられているようですが、これつまり通信速度は速くならないなんちゃって5Gってことで、5Gならではのサービスが起こる可能性を狭めます。アントの上場延期じゃないけれど、政府による民間介入はろくな結果にならないってことだけは言えそうです。

この調子で地方銀行や地方バス会社の統廃合とかやる気でしょうか?やめてくれ!

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Sunday, October 18, 2020

デカップリングで謝謝トランプ

風邪と共に去るかと思ったトランプ大統領が巻き返しに躍起になっています。バイデン氏に対して劣勢なのは否めませんが、強力なステロイド剤まで処方して回復して意気軒高ですが、異常なテンションの高さは副作用の可能性もあります。ドラッグでの復活劇ですが、あたかもキリストの復活になぞらえるような展開はキリスト教右派の心を掴むストーリーとしてアピールポイントにもなります。ある意味アメリカらしいですが。

てことでどう転んでも接戦が予想される米大統領選ですが。今心配されているのは、仮にトランプ大統領が敗れても、ホワイトハウスを明け渡さない可能性があることで混乱が心配されてます。特に過激派によるテロの心配が言われ、実際民主党系のミシガン州知事拉致未遂事件でFBIが6名の身柄を拘束したという事件が起きました。下手すりゃ南北戦争以来の内戦すら心配する声まであります。

こうなってくるとトランプ推しと見られていた経済界の対応が微妙になってきてまして、どうせならバイデン氏に圧勝してもらって、加えて上下両院も民主党が多数派となって民主党のシンボルカラーにちなんだブルーウエーブ(民主党による連邦政府上下院独占)を望むようになりつつあります。議会で共和党が多数派を占める捩れ現象が起きると何も決められない政治が実現し、経済政策が滞ることを寧ろ危惧している訳です。一方一般国民はコロナ問題に関心が高く、経済政策は主要な争点にならないという珍しい展開です。

米大統領選「経済重視」最低水準の9% コロナは25% 関心集中:日本経済新聞
てことで経済よりもコロナ対策を巡る国民の分断の深刻さが可視化されていて、アメリカの混乱は長引きそうです。その経済政策で不都合なことが起きています。
中国の対米貿易黒字が最高に 7~9月、医療品など輸出増:日本経済新聞
偉大なアメリカを目指すトランプ大統領にとっては悲報です。医薬品その他のy対米輸出が増えた一方、ハイテク品の半導体関連の輸入が減って対米貿易黒字が拡大した訳です。つまりコロナ禍で需要が拡大した医薬品はアメリカの国内調達が間に合わず輸入依存に追い込まれた一方、Huawei排除などのハイテク品制裁の影響でアメリカからの輸出が減った訳で、自業自得になっている訳です。

またアメリカの経済指標で消費が強い数字を示しますが、一方で7%を超える最悪の失業率が示すように、雇用は戻っていない訳で、加えて貯蓄率も上がっているという謎な動きですが、給付金の影響と見れば腑に落ちます。つまり派手な財政出動で経済の落ち込みを防ぐことはある程度実現できたものの、生産は戻らずその分輸入依存が進んだ訳です。つまりアメリカの国内消費のお陰で中国の製造業yが一息ついた訳です。

これには2つの意味があります。1つは中国叩きのデカップリング政策はうまくいかず弊害ばかりということと、2つ目は元々アメリカに限らずグローバル化で製造業が低賃金の新興国へ移転した結果、先進国ほど製造業の比重が低下し、サービス業比率が高まったことによります。サービスは基本的に生産と消費が同時進行するから輸入で調達できない上に、製造業に比べて労働生産性が低く低賃金の傾向があります。つまり生産性の高い製造業が海外へ流出して生産性の低いサービス業が残ったところへコロナ禍がサービス業を直撃した訳です。

程度の差こそあれこの傾向は先進国全般に見られる傾向で、格差社会の原因とされています。中にはドイツのように製造業ウェートが高い国もありますが、主にEU圏向けの輸出で調整している訳で、製造業を維持するためには、生産能力を活かせるだけの外需に依存せざるを得ない訳です。但しそれは輸出相手国の工業生産を圧迫する要因になり、国際的な摩擦に晒されることでもあります。ドイツの場合ユーロ導入で為替変動から解放された結果可能になった訳で、対米輸出依存が突出していた80年代の日本では円高阻止のために低金利政策を続けた結果バブルを発生させ弾けて長期停滞に至った訳です。その反省が活かされない異次元緩和は論外ですね。

てことで、つまり製造業を国内に呼び込めた新興国がコロナショックからいち早く立ち直るのは当然な訳で、中国はますます強くなる訳です。但し中国も問題だらけで、改革開放路線で製造業を呼び込んだものの、過剰生産能力を持て余すレベルとなり、外需依存せざるを得ない状況にある訳です。その結果としての一帯一路であり、あくまでも国内の過剰生産能力を活用するためであって、相手国を借金漬けにして軍事拠点を得るためというのは違います。ただ融資審査が出鱈目だから通常ならば借入できないような国が群がった結果ですね。

そう考えるとそもそも対中強硬策は現実的には難しいし、新冷戦として中国包囲網を構築とかは、ただの妄想でしかないですし、中国には確かにいろいろ問題はありますが、うまく付き合いつつ、徐々に変化をもたらすしか選択肢はないですね。またこれこそが西欧の啓蒙思想の本来の姿ですが、非西欧世界では簡単には受け入れられないかもしれませんが、だからこそ強硬策は愚策と心得るべきです。

例えばイスラエルは中東に出現した西欧圏の国と見れば、存在自体が摩擦を生むものであると知れます。イスラエル建国以前はイスラム教徒が多数派だったものの、ユダヤ教徒や少数キリスト教のコブト教徒が共存していた訳で、イスラエル建国は主に西欧のユダヤ人が迫害され続け、シオニズムでアイデンティティ確立を目指したものの、ナチスの迫害を受けた結果、西欧の贖罪意識から建国を認めざるを得なかったことに由来しますし、それ以来紛争が絶えないという困難を呼び込んだ訳です。

加えてソビエト末期に連邦を形成する共和国の1つであるアゼルバイジャンで少数派のユダヤ人と多数派のトルコ系イスラムのアゼルバイジャン人の紛争が起きたことから、手を焼いたソビエト政府がユダヤ人のイスラエル移民を認めた結果、入植地が必要になってヨルダン川西岸などに入植地を作ったことでパレスチナ人を圧迫することになりました。ただしコーカサス地方のユダヤ人は西欧のそれとは別物で、元々古代ヘブライ時代からの遊牧民の末裔と言われます。アゼルバイジャンは産油国としても知られており、またロシア人やアルメニア人も少数存在するなどややこしいところで、紛争が絶えない訳です。

その意味では中東産油国も欧米石油メジャーの関与で国際社会に組み込まれた結果、経済中心に西欧化が進んだものの、政治体制は部族社会を維持したまま分断されている訳で、これ戦国時代の明、スペイン、ポルトガルが関わりながら戦国大名が相争う日本の戦国時代をイメージすると理解しやすいでしょう。当時日本は石見銀山、生野銀山など鉱物資源に恵まれていた資源国で、戦国大名は戦費調達のために鉱山開発を推進していましたし、南蛮貿易もそれ故に活発だった訳です。

その意味で中国から見れば香港や台湾は中東のイスラエルと同じような存在に見える訳で、西欧=侵略者という過去の歴史もありますし、簡単にはいかないでしょうけど、拗らせればますます解決困難になります。てことで対中強硬論や新冷戦やデカップリング論は現実的には不可能です。また辛亥革命で西欧流民主国家になる筈の中華民国が軍閥の跋扈で混乱し、蒋介石の独裁国家になったことも影響しています。ただ台湾の民主化のように中国人も理解すれば民主化に舵を切る可能性はあります。

話を戻しますが、経済のサービス化は日本でも進んでいる訳ですが、アメリカとの違いはバブル崩壊で投資が減速した結果、IT関連でアメリカが劇的に生産性を高めているときに停滞していたことが決定的ですね。気が付けば国内製造業の競争力は低下し、新興国に太刀打ちできなくなった一方、IT革命の波にも乗れず失われた30年とか言われている訳です。

結果的にアメリカのハイテク企業は技術革新の恩恵で生産性を劇的に改善しました。特にデジタル経済はコピーが容易なので、追加的な増産のコストである限界費用が限りなくゼロに近い訳です。所謂知財ですが、オリジナルの権利を確保すればほぼゼロコストで増産して市場を席捲できる訳で、それによってGAFAのような巨大デジタル企業が形成され他業種まで圧迫する存在になった訳ですね。

GAFAなどのハイテク企業の従業員は故に高額報酬を得ている訳で、製造業に従事するブルーカラーを圧倒するに留まらず、製造業の衰退でサービス業に転じた多くの人を取り残すことになりました。なまじ巨大ハイテク企業が出現したばかりに、格差が拡大して国民が分断されている訳です。その結果シリコンバレーに本社を置くグーグルが従業員送迎バスのドライバーを高給で募集した結果、公共の乗り合いバスがドライバー不足で休止に追い込まれるという事態に至っています。格差拡大が公共サービスを圧迫している訳です。

同じ時に日本ではバスドライバーの賃金が目に見えて低下した一方、震災復興などによる需要増で多くのバスドライバーがダンプドライバーに転職した結果、地方に留まらず大都市圏のバスまで減便や休廃止が相次ぐ状況になっております。違いは日本では国がわざわざ公共事業を進めて国費で公共交通を圧迫している訳で、愚かすぎます。そこへコロナ禍で鉄道、バス、航空が明日をも知れない逆風に陥っている訳ですが、公的支援の議論は見られません。ましてこれね。

GoToトラベル、急ごしらえ設計に穴 予算を追加配分:日本経済新聞Go To トラブルは続きます。指摘したように旅行会社救済が狙いだった訳で、それどころか大手旅行会社で予算配分を決めていたことが、予算消化の結果発覚したというお粗末な顛末です。コロナで需要が蒸発したホテルや遊戯施設の支援ならば、国が感染症対策の認証施設を決めて、認証施設の利用時に割り引いて割引分を国が補填するといったシンプルな仕組みにすれば何も問題ないし、旅行会社や旅行サイト経由で対象商品を予約しないと使えないというのでは、万人が利用可能でもないし不公平感は残ります。

さらに踏み込めばコロナが終息した訳でもない中で旅行に補助金を出すってのもおかしいし、医療や介護、保育などのケア労働への補助とか、経営が苦しい公共交通への支援とか、より緊急度の高い問題は山積しているなかでのことですから怒りが湧いてきます。特に固定費の高い鉄道事業者にとっては大変です。終電繰り上げや通勤定期運賃値上げなど自衛策がボチボチ出始めてますが、いずれ大幅な運賃値上げや減便に留まらず、路線の廃止も避けられない場面が来るでしょう。携帯料金よりこっちをどうにかしてくれ!

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Saturday, October 10, 2020

行政DXでは生まれないデジタルバリュー

去年の池袋暴走事故の公判が始まりました。

池袋暴走、元院長が無罪主張 「車に異常」地裁初公判:日本経済新聞
1ヵ月前の定期点検では異常は見当たらなかったことと、車の操作記録でブレーキ操作が無かったことやアクセルが踏まれていたことなど検察側の証拠固めが進んでおりますが、去年の人間だものエントリー背取り上げたマンマシン系のヒューマンエラーの可能性はあります。飯塚被告の操作ミスは動かないとしても、操作ミスをリカバリーするシステムは組み込まれていなかった訳で、公判を通じてその辺の議論に進むことは有用です。

暴走事故自体は高齢者特有とは言い切れませんし、ほぼ同時に起きた神戸市営バスの暴走事故のように、プロドライバーでもミスする現実が一方である訳で、高齢者の免許返上とか自動ブレーキや操作ミス防止システムを組み込んだサポかーの普及だけで解決する問題じゃないということは指摘しておきます。

加えて飯塚被告の無罪主張に批判が集まってますが、被告の権利ですからとやかく言うことじゃありません。対立があるから弁論を通じて解決策を探るという弁証法の原理は民主主義の基礎の基礎です。裁判はそのためのものです。しかし自動車がデジタル化された結果、ログを調べることでいろいろわかるってのも新たな事態ですね。

その一方で政権は暴走を始めました。日本学術会議の会員任命問題で早速やらかしました。これ学問の自由云々の問題というよりも、特別職公務員の選任を巡る法律問題というのが本質です。日本学術会議の推薦を受けて、内閣総理大臣が任命するという風に根拠法に記載されており、法改正時の1983年の国会答弁でも、それまで自主的な選挙で選任されていた会員を総理の任命とする変更を「形式的なもの」と答弁されております。

つまり政権側に拒否権は無い訳で、仮に拒否せざるを得ない事情があったと仮定しても、その理由は開示されるべきですし、それ以前に法改正の議論が先にある筈です。それぐらい重要な法律問題なんですが、政府の回答は見事なはぐらかしです。

政府、法解釈変更を否定 学術会議人事巡り衆院内閣委:日本経済新聞
政府は解釈変更はないとして、根拠に憲法15条の特別職公務員の選任に関する事項を取り上げております。意味するところは「国民が選んだ内閣の代表者が任命に責任を持つのは当然」ということのようです。これ解釈変更そのものですね。

特に行政法は法の執行イコール公権力の行使となる訳ですから、個別具体法で記述された通りの執行が求められる訳で、それを変えるには法改正が必要ですが、時として法が想定しない事態が発生して判断を迫られることはあり得ます。今回の場合任命されなかった6名が例えば重大な刑事事件の被告人であるとか、国際テロ組織との関係を示す証拠が見つかったとかぐらいの異常事態なら、法改正が間に合わないから法解釈を変更したという理屈は成り立ちますし、その場合に遡って憲法を参照することはあり得ます。但し今回の憲法解釈は間違ってますが。

明らかに内閣総理大臣の権能を持たない問題に介入した訳で、法律違反の越権行為ですが、処罰規定が法律になければ居直ってやり過ごすことは可能です。しかも説明を拒否している訳で、これは言い換えれば「察しろよ!」と言外に匂わせている訳で、凄みを演出することになります。これ反社、無頼漢、不逞の輩やDV夫のやり方です。執行機関である行政のトップが「法律?関係ねぇ!」と言っているに等しい訳です。これじゃデジタルバリューは生まれません。同じDVでも大違いです^_^;。

そして批判されると今更ながら「これも行政改革の対象」と逆切れ気味にあり方の議論をするって完全に順序が逆ですね。マスク、マスク、マスクで取り上げた黒川高検検事長の法令無視の定年延長を批判されて検察庁法改正をやろうとした安倍政権と同じですね。さて長い前振りになりましたが、こんな政権が打ち出す行政改革、行政のデジタル化が如何なるものになるかはわかりますね。新政権は日本を地獄に連れて行きそうです。

行政のデジタル化でハンコ廃止が俎上に上っておりますが、本人確認をどうするかは難題です。認証システムを強固にすると利用しにくくなりますから、ある程度簡便性も考慮する必要がありますが、簡便性に偏りすぎるとこんなことが頻発する押れがあります。

持続化給付金、簡略申請突かれる 800人以上分の不正計画?:日本経済新聞
持続化給付金は指南役がいて個人事業主を装って、且つ単月で5割以上の売上減を示す帳簿を偽造して若者に広がった不正受給ですが、Go To イートでグルメサイト予約によるポイント還元策の錬金術にも通底しますが、若者はシステムのバグに乗じた裏技利用に躊躇が無いですね。しかし不正受給は指南役に手数料を支払っているそうで、発覚すれば延滞金込みで公金返還を迫られますから、結果的に大損となります。高い授業料でした。

またこうしたテクニカルなハードルに留まらず、そもそも明治以来の文書主義を継続性を担保しつつ再定義する必要あありますが、そうなると原本とコピーの関係をどう定義するか、偽造防止をどうするかといった問題もあります。テクニカルな解決策としてはブロックチェーンを使うことで解決可能ですが、モリカケサクラで公文書の廃棄や原本の改ざんまでするような政府が、公開台帳であるブロックチェーン方式を積極的に採用するとも思えません。テクニカル以前のところに問題があります。

ブロックチェーンに関してはデジタル人民元に対抗して日銀デジタル通貨の実験をやるそうですが、気を付けたいのは、中銀デジタル通貨は使いようによっては公開台帳でお金の流れが追えることから、個人や法人の財布の中身が見えてしまう問題があります。デジタル人民元では中銀から商業銀行を介して流通させる二段階方式で通貨の匿名性を担保するとしていますが、不透明な中国当局の姿勢からうまくいかないじゃないかと言われております。日本はどうでしょうか?

話を変えますが、菅首相が重視している筈のコロナ対策をどうするのかが見えません。これから乾季になり手洗いやマスクが効かないエアロゾル感染が増えると見込まれますし、季節性インフルエンザへの警戒も必要な中、相変わらず検査が増えません。その一方で Go To トラベルの東京エリア解禁に踏み込むなどチグハグです。東京の感染者数は安定しているものの高止まり傾向があり、Go To 解禁で全国への拡散が心配されます。その結果新幹線は乗客が戻りつつあるようですが、航空の厳しい状況は変わらないようです。

ANA、希望退職を募集 賃金カットで年収3割減に:日本経済新聞
コロナ禍では単価の高い国際線が壊滅状態にある上、国内線も乗客減少で大幅減便された航空各社ですが、大手2社のANAとJALでは財務状況に開きがあります。ANAも世界的に見れば財務は健全な方ですが、破綻処理を経て再生したJALはひたすら健全経営で財務体質を強化した一方、拡大路線を目指したANAで明暗を分けました。

この辺は同じANAANAと鶴など過去エントリーで繰り返し述べてきましたが、特にANAが自公両党に政権交代以前からロビーイングしていたJALの公的救済に対する競争条件を定めた通称810ペーパーという行政文書によって、2012年―2016年の間のJALの新規投資が抑制されたことで、その間に特に国際線中心に自前路線を拡充してきました。自前化は政権による羽田国際線発着枠の傾斜配分もあってやむを得ないところではありましたが。

一方枷をはめられたJALは専ら財務改善に注力し、規模で勝るANAの2倍の利益計上するに至りました。新規投資が抑制されたこともあって、路線拡充は専らエアライン同士のアライアンスに依存した結果、コストを抑えながら路線拡充を図った訳です。これ破綻以前のJALとANAの逆転現象ですが、同時にコロナショックで先が見えない中で潤沢な手元資金を残して踏みとどまっております。とはいえ減便で余剰人員を抱えているのは同じで、Go To トラベルの受け皿となる観光地のホテルなどへ人員を派遣してしのいでいる状況です。大手エアラインが実質人材派遣業をやっている訳です。

ネットではJAL破綻時でも言われた大手1社体制の話もあり、与党の一部でも動きはありますが、大手2社も国交省も全くその気なしですが、結果的にJALの公的救済で競争環境を維持したことが好結果を生んだことも間違いありませんし、それ以上にANAの政治頼みでやり過ぎたため、1社体制になれば両社の遺恨が顕在化しかねないということで、健全な競争環境維持が共通理解になっている模様です。

前エントリーで指摘した地銀に限らず乗合バス事業者や中小企業の再編に前のめりと言われますが、バス会社は鉄道事業者の転身組を含みますし、地方中小企業tも再編対象は地場の有力企業でしょうから、つまるとこと地方のエリート企業の再編ってことですが、ここは魑魅魍魎の巣喰う世界でANAとJALどころじゃない遺恨を抱えていたりします。政府方針だけで進む話じゃありませんね。

行政改革を標榜する政権ならば、寧ろ鉄道と航空鵜の縦割りに中串を入れて鉄道による航空便のコードシェアを進める方が理にかなってます。実際コロナ禍で打撃を受けたエールフランスに対するフランス政府の救済条件に短距離便の鉄道代替を条件にしております。破綻以前から鉄道によるコードシェアを実施していた独ルフトハンザは破綻処理で国の支援を受けますが、鉄道コードシェアの拡大は確実でしょう。果たして新政権はどうするでしょうか?

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Sunday, October 04, 2020

風邪と共に去りぬ

予想外の展開です。

米政権・議員に感染者複数 ホワイトハウスで拡大か:日本経済新聞
前エントリーで取り上げたギンズバーグ判事死去に伴う最高裁新判事候補の披露イベント時のクラスター感染が疑われています。自業自得というか、ミイラ取りがミイラというか-_-;。

当然大統領選どころじゃなくなりますし、病状次第では執務不能となることもあり得ます。その場合の代理第1位は副大統領、第2位は下院議長となっており、政治的混乱は避けられません。特に共和党にとっては痛手でしょう。今更別の大統領候補を選ぶのもままならず、副大統領候補が横滑りという訳にも行かず、政治的混乱は避けられません。それ以上にコロナ禍の終息がますます見通せなくなり、国民の消費自粛ムードを高めます。

加えてただでさえ財政の崖問題で追加経済対策が打ち出せない中で、雇用情勢は悪化の一途を辿っています。てことは、アメリカの経済回復は遅れる訳ですから、世界中が様子見モードの米中摩擦の行方も微妙になります。確実に経済を回復させている中国を排除して対米追従すれば自国の経済回復も遅れる訳ですから、日本を含め、多くの国の迷いを誘う事態です。まあ日本はそれどころじゃないあれこれがありますが。

東証「バックアップへ切り替えできず」 機器故障が原因:日本経済新聞
下期初日の10月1日に東証がシステム障害で終日取引停止になりました。原因は記憶装置の不具合ですが、バックアップディスクへの切り替えがうまくいかず、混乱を避ける為に已む無くということですが、問題は代替市場が機能しなかったことです。

欧米では地方市場や私設市場が併存していて、相互にバックアップされる自律分散システムとなっているので、危機の不具合による取引停止は避けられるんですが、取引の薄い地方市場では独自のシステム構築の費用が出せず、東証のシステムに相乗りしていたし、私設市場(PTS)は金融庁の規制で規模が拡大すると東証の上場銘柄が扱えなくなるなどで、小規模PTSが複数併存していて、ネット証券が東証を含む複数市場で最も有利な市場で取引するSORという仕組みがありますが、最大規模の東証のシステムダウンでバグが出る可能性があるということで、ネット証券各社はSORを止めたため機能しなかったというもの。

株式市場も東京一極集中の弊害が明らかになった訳で、香港に代わる国際金融都市など無理ですね。金融分野では3行合併でスタートしたみずほ銀行のシステム障害がありましたが、大きけりゃいい訳じゃないってことですね。それを忘れたかのような地方銀行の経営統合を含む再編に前のめりな管政権ですが、同様の問題が起きるとは思わないのでしょうか?

それと気になるのが、同時に経営が苦しい地方乗合バス事業者や地方中小企業の再編も同じノリで進めようとしているんですが、これ1938年の陸上交通事業統制法の時代に逆行させる気でしょうか?今更な国家総動員体制を目指しているとしか思えません。そんな中でのNTT再編ですが、稼ぎ頭のドコモが他社乗り換えでユーザーを減らし、気が付けば3位ということで、もはやガリバー企業としてのNTTグループの協業規制が意味を失ったということです。

加えてNECの出資を仰ぐことになった訳で、気が付けば旧電電ファミリーの復活劇ということですが、5Gの出遅れを取り戻したいってことですね。そしてHuawei対策として国産通信インフラの復権を狙ったものと言えましょう。NTTの筆頭株主は34%を保有する財務大臣つまり国なんですが、上場企業が実は国営企業という中国みたいな現実もあります。何だか国家総動員体制下の電力国家管理に酷似します。携帯料金値下げはこれを誘導する為だったのかな?

このノリで民営化JRに手を突っ込んでくる可能性もあります。経営不振のJR北海道はJR東日本に、JR四国はJR西日本に強引に面倒を見させるとかやりかねないですね。JR九州を含む上場4社は完全民営化されているので、抵抗力は一定にあると思いますが、例えば災害復旧にかこつけて介入する可能性はあります。

例えば熊本地震と大雨で大規模な山崩れで不通となった豊肥本線は3年半かけてやっと復旧しましたが、復旧費用は50億円で半部は国と地方の折版で補助されてます。一方同時に被災した並行する国道57号線は、ルート変更で北側復旧ルートと称する3.6kmのトンネルで外輪山を超える形で復旧し、費用は800億円と言われ、全額公費です。道路予算と鉄道予算にはこんなに開きがあるってのがショックですが、それでも復旧に公費を当てにせざるを得ないJRは、ある意味旧国鉄時代のような政治圧力を受ける存在になりかねない訳です。これはいつか来た道です・

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Sunday, September 27, 2020

縋る世界に闊歩する鬼のレントシーカー

Rentseekerとは企業など特定の利権集団が政治に働きかけて都合の良い規制をかけたり、逆に都合の悪い規制を緩和したりするよう働きかけて超過利潤(Rent)を得ようとする活動(Rentseeking)を行う人々のことです。ロビイストという言い方もありますが。

直ぐに連想するのは森加計問題の後者の加計学園による獣医学科設置を巡るあれこれは典型的です。この問題では認可を渋る文科省に官邸から圧力があったとされておりますが、同時に過疎に苦しむ愛媛県今治市にとっては若者を集めるための大学誘致を餌に地方政治に対しても働きかけがあった訳ですが、こういった中央と地方を巻き込んだ根回しの過程に政治家が関与するケースは枚挙に暇がありません。

若者の流出で高齢者だけが残される地方の過酷な現実は理解できますが、その解決策として大学誘致ってのが何とも発想が貧困です。それ以前に地元の若者が何故流出するのか?という問いを立ててみてほしいところです。結論を言えば若者にとって魅力的な仕事が無いからなんです。獣医学科を誘致した今治にしても、畜産が盛んとは言い難い四国ですから、卒業生は他地域へ流出する訳で、若者を呼び込んでも地域に定住定着できなければ同じことです。

結局地方活性化と言っても、観光地として売り出すか企業や大学その他の誘致といったありきたりの発想しか出てこない訳です。その最たるものは前エントリーの大阪トトに見られる地域特性を無視した東京の劣化コピーで地方活性化だとドヤ顔なんですよね。その東京もリモートよで指摘したように、香港の危機に乗じて今度こそ国際金融都市とか言っている訳で、そもそも金融都市としての比較優位のない東京じゃ無理という現実は見ないんですよね。

つまり何が言いたいかと言えば、レントシーキングじゃ経済は活性化しないどころか泥沼にはまるってことです。そのレントシーカーが間違って大統領になってしまったアメリカの迷走ぶりを見ればよくわかります。

米大統領選、法廷闘争も 最高裁人事が決着左右か:日本経済新聞
法廷闘争にもつれ込んだ大統領選と言えば2000年の子ブッシュとゴアの選挙戦で、一部の州で票の集計結果に疑義が生じて集計をやり直したことが思い出されますが、結局法廷へ持ち込まれて決着しました。お陰で子ブッシュは国民じゃ無くて裁判所に選ばれた大統領と言われました。

今回の構図はもっと複雑怪奇でして、コロナ禍で週によって認められている郵便投票の増加が言われ、結果投票率が上がると民主党有利になるということで、トランプ大統領が郵便公社に圧力をかけてきたこともありますが、同時にここへ来て世論調査の支持率がバイデン有利と言い切れない変化が生じていて、どう転んでも接戦となりますが、そうなると集計に時間がかかる郵便投票の結果で逆転の可能性が出るなど混沌とした状況で、トランプが大統領に居座る事態も想定されるという嘘みたいな話になりつつあります。

そこへもってきて最高裁のリンス・ギンズバーグ判事が死去して、後任の選出が必要なんですが、リベラル派のギンズバーグ判事の後任をトランプ大統領が指名すれば保守派となり、9人の判事の保守派5人リベラル派4人のバランスが崩れて保守派優勢となることから、民主党サイドから新判事選任はf大統領選後、新大統領によって指名されるべきだという議論が起きていて、実際過去には同様の事例はある訳ですが、大統領職を譲る気のないトランプ大統領は法定闘争で有利になるように保守派判事選任に拘っているという構図です。これがアメリカの政治の現実ってのが信じられませんが。

ややこしいのは経済界の動きでして、流石に出鱈目なトランプ支持を打ち出す企業はありませんが、本人がレントシーカーで「話の分かる」ビジネス寄りの大統領を内心歓迎している訳で、特にトランプ減税の見直しを公言するバイデンに対しては複雑な心境にあります。一方雇用情勢の厳しさもあって若者の支持はバイデンに傾いており、どちらが勝つにしても接戦は間違いいあrません。

米中摩擦の渦中にある中国にとっては、実は人権問題に厳しいバイデンよりもトランプの方が内心歓迎ってのが本音です。Huawei問題にしても、トランプが再選されれば交渉次第で活路がありますが、トランプが敗れれば、残る任期中に腹いせにHuawei潰しに走るのは目に見えてますし、バイデンが大統領になっても国内雇用重視で中国には厳しく当たるでしょう。

そして日本ですが、イージスアショア代替策というめんどくさい問題を抱えています。元を質せば安倍前首相がトランプ大統領に対して安易に約束した結果ですが、ブースターの民有地落下問題で無理という結論となったのですが、とにかくアメリカから兵器を買う約束だけは残った訳で、頭抱えながら敵基地攻撃能力などの危なっかしい議論をちらつかせている訳です。ちなみに国連憲章の敵国条項がある限り、日本とドイツに対しては、他国への軍事攻撃の意図があると認められれば宣戦布告なしに攻撃してよいことになっております。保守派脳内フローラでは見えていない現実です。

その他にもTPP11問題もあります。安倍外交の成果とされているようですが、元々アメリカの参加を睨んで農産品輸入や遺伝子組み換えやゲノムに対する知的財産権を認める一方で自動車関税の撤廃は時間をかけてという非対称な内容を盛り込んだ訳ですね。その結果WTOルールによる最恵国条項で第三国も恩恵に浴しますから、アメリカはTPPに復帰することなく日本から引き出した譲歩を享受できますし、だから日欧EPAもほぼ同時にまとまったし、Brexitで揺れる英国も日本に宗派を送る訳です。つまりTPP11は首から安値の値札を下げている状態な訳で、世界各国からウェルカムされる訳です。

そしてコロナ禍ですが、これで安倍政権の支持率が急落したように、管政権にとっても優先順位の高い問題の筈ですが、Go To キャンペーンに代表されるバラ撒き政策に踏み込む姿勢はどうかと思います。先週の4連休で観光地に人が戻ったと言われますが、2週間後の感染拡大が心配されます。Go To トラベルの東京発着解禁やイベントその他のキャンペーンを10月1日スタートとなる訳で、潜在的感染者が増えた状態で迎える訳です。そして急速に気温が低下し、季節性インフルエンザの時期も迫ります。

冷静に見て咳や圧夏などの風邪症状が普通の風邪なのか季節性インフルエンザなのかcovid19なのかは判別できません。てことは医者にかかる前にPCR検査を受けて結果待ちをしないと医者にも行けないという不都合な現実に国民は直面する訳ですが、検査体制の拡充は今もって不十分です。そんな中で旅行に行け!とか飯食え!とかイベント行け!とか言われてノー天気に楽しめるでしょうか?Go To ってそもそも命令形だし。

それ以前に Go To キャンペーン自体が特定業種に利益をもたらすという意味で典型的なレントシーキングの産物と言えます。管政権の本質が良く見えます。風邪ひかない人たちの本質は変わらないってことです。

4連休を振り返ると道路が渋滞して駅へ出るバスが遅れて運行していた一方、電車は意外に空いていた印象があります。伝え聞くところによるとカーシェアの予約が取れないという声があり、通常のレンタカーを含めて相当数のレンタカーが出払っていたようです。コロナ禍で公共交通が忌避された結果でしょうけど、自動運転で予想されるカーシェア拡大や自動運転タクシーは道路のキャパシティがネックになるということですね。政府肝いりのスマートシティが有望なのか?という疑問もあります。結局感染対策を強化している公共交通の利用が都市問題の解決には欠かせない訳です。やや凡庸な着地点ですね^_^;。

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Sunday, August 30, 2020

アベノミクスを終わらせろ

健康上の理由による突然の辞任ですが、腑に落ちないのが代理を立てて直ちに静養しないことです。来月の自民党総裁選で後継者が決まるまで執務を続けるのは、責任の取り方としておかしいです。当然国会召集も新総裁に丸投げとなる訳です。自分の任期中に後継者を競わせることで、影響力を維持したいってことでしょうけど。

それはそれとして、アベノミクスの総括がどうなるのかが興味深いところです。成果として株価の上昇と雇用環境の改善が取り上げられますが、いずれもアベノミクスの成果ではありません。株価といっても日経平均株価ばかりが取り上げられますが、これ225の優良銘柄の平均値ですから、上がらない方がおかしいんです。ま、バブル崩壊で実際下がった訳で、38,000円台を付けた最高値に未だに届いていない訳です。

この225銘柄は定期的に入れ替えられますし、合併や上場廃止などで銘柄数が減れば補充されます。謂わば日本のチャンピオン企業を集めた指標ですから、上がらないってことは日本経済の成長力の劣化を意味する訳ですし、実際バブル崩壊以来下がりっぱなしだった訳で、下がった水準から少し戻したことを以て成果とするのはおかしい訳です。

あと雇用に関しては、完全失業率の低下や有効求人倍率の改善が言われますが、非正規雇用が4割を占める質の劣化は問題です。これも90年代後半から生産年齢人口の減少が始まり、2007年以降には団塊世代の大量退職もあった訳ですから雇用情勢が売り手市場になるのは必然ですが、一方で企業の求人難に対しては非正規雇用の拡大で穴埋めされた訳で、その結果高齢者と女性の労働力率は高まりましたが、見方を変えれば、その間GDPはほとんど伸びていない訳で、労働生産性が低いまま労働力の投入量を増やしてGDPを維持したというのが実際です。

これ前エントリーで指摘したように政府の成長戦略で経済成長する訳じゃなくて、企業の成長力が結局経済成長をもたらすという当たり前のことを申し上げておきます。その意味で示唆に富むのがこれ。

角栄メモは今も問う ポスト安倍の金融センター構想は 本社コメンテーター 梶原誠:日本経済新聞
コラムでは今度こそ東京をアジアの金乳センターにすべしという希望的観測が語られてますが、1974年に東証理事長に就任した谷村裕氏に当時の田中首相がメモを渡して株式市場の抜本改革を求めたことが、国際金融都市東京の出発点ということです。

その「角栄メモ」の中身は「エクイティファイナンスは利払いがなく低コスト」とする日本企業のあり方を根本的に見直すべきことが綴られていたそうで、株主価値の向上と株主還元に重きを置くものだったということです。所謂コーポレートガバナンス問題ですが、株式持ち合いで安定株主対策を取りながら、株主に煩わされることなく意思決定していた日本企業の姿がその後どう変わったかは問われます。

リーマンショックで株主資本主義の弊害が指摘されましたが、それ以前に株主という外部の目を排除して独善的に意思決定してきたことが、バブル期に財テクと称して土地や株へ投資資金を振り向け、次の成長に繋がる投資を怠った結果、バブル崩壊で競争力を失った訳で、基本的に日本経済は当時の失敗を乗り越えられていない訳です。

かつて電子立国と言われ世界の半導体市場を席巻した日本の電機産業が典型的です。バブルに踊りIT革命の波に乗り損なった間に、ムーアの法則に則って大規模投資を継続した米インテルや、後発ながら積極投資でグローバルプレイヤーに成長した韓国サムスンやLGの後塵を拝する結果となった訳です。

余談ですが日韓事変の後日談ですが、日本の化成品輸入が滞った結果、サムスンもLGも製造工程を見直し、例えばディプレイパネルなど精度を要求されない工程で韓国産化成品を使う一方、日本の化成品メーカーが現地進出することで、同等品の入手も可能になり、今後製造技術の移転で韓国メーカーもキャッチアップが期待されるという状況になり、財閥企業と中小企業のギャップ解消が進んだことで、韓国から「安倍さんありがとう」の声が上がってます。これをアベノミクスの成果と呼ぶかどうかは微妙ですが^_^;。

バブル崩壊で沈んだ日本の電機産業ですが、コロナ禍で沈むとすれば自動車産業でしょうか。自動車メーカー本体は何とか持ちこたえるとしても、部品メーカーから悲鳴が上がっています。1台3万点と言われる自動車部品の供給がコロナショックで止まり、感染防止の観点からも国内メーカーの操業停止が相次ぎ、結果的に国内部品メーカーも操業を止めざるを得なくなりました。その結果資金繰りが悪化しており、いずれ廃業も出てくるでしょう。そうすると結果的に国内サプライチェーンが弱体化し、生産再開が早かった中国依存が短期的には強まる可能性があります。そうなると危機対応で国内回帰が叫ばれるのと逆の動きとなって、国内サプライチェーンが立ち枯れていく可能性があります。

元受けの大手メーカーが資本を入れるとかすれば何とかなるかもしれませんが、CASEなど100年に一度の変革期を迎える自動車産業で、在来型のガソリン車の部品供給が滞ればEVシフトが進む可能性も視野に入れる必要があります。逆に大手メーカーにはある意味チャンスかもしれませんが、それは多数のサプライヤーを犠牲にしての生き残りということになる訳で、そこまで腹の座った経営者が果たして現れるかどうか?

そしてEVシフトはある意味自動車メーカーの強みを失うことにもつながります。内燃機関をコントロールしてて適切に動力を取り出し駆動する技術はアナログなチューニングの塊であり、それが参入障壁にもなっていた訳ですが、その強みが失われれば、新規参入者との競争を覚悟しなければなりません。

生産台数では劣るテスラがトヨタを時価総額で上回るってのはそれなんですね。部品メーカーとのしがらみのないテスラは、オンラインでバージョンアップしながら性能を高めるというスマホのような繋がるクルマを実現してますが、これが既存メーカーには高いバリアなんです。自動車の世界も電子化自体は進んでますが、それは主にロッドやワイヤーを電子回路に置き換えることが中心で、機能的にひと塊のユニットを組み立てるモジュール化とも関連します。個々のモジュールに制御用のプロセッサーが組み込まれており、独自OSで動いている訳で、モジュールに不具合があればモジュール単位で交換するという形でブラックボックス化しており、これがコネクテッドカーへの進化を阻んでいる訳です。

てことで、心配なのが政府による自動車産業への介入なんですが、実際窮地にある日産をホンダに救済合併させようとして双方から断られたなんて話もあります。仮に構造変化でつぶれる自動車メーカーが出るとしても、それは市場の正常な作用であって、政府が手を突っ込むような問題ではありません。

逆に気になるのが密を避けるという意味で公共交通忌避に乗じて自動車を売ろうという方向へ進む可能性もあります。公共交通の独立採算原則の下では放っといても公共交通は立ち枯れるから車を売るチャンスという訳ですね。国民の移動の権利が規定されていない交通政策基本法の下ではそうなります。

同じ公共交通でも、鉄道やバスは換気に配慮して対応してますが、それが出来ないのが航空でして、空気の薄い成層圏を飛ぶ以上、気密性も保持が優先されます。実際航空機の前後の席での感染が報告されてますし、航空産業にとっては逆風は続きます。ある意味フリュグスカム(飛び恥)実現のチャンスでもある訳ですが、恐らく政府は航空の救済に向かうでしょう。

あと気になる動きとしてはJR東日本が時間帯別運賃の導入を検討するというにゅーすですが、これ運賃制度へのダイナミックプライシング導入が意図されています。その問題点はデジタル経済はビッグブラザーの夢を見る? で指摘した消費者余剰の搾取を意味します。届け出制の特急料金やグリーン料金では既に繁忙期と閑散期あるいは事前購入か車内購入かで格差をつけてますが、これわかりやすく言えば客の足元を見て高く取れるところから取るという話であり値上げの口実です。つまりSuica甘いかエントリーで指摘したように、仮に消費税減税が実現しても交通運賃の値下げは無いってことです。

書きたいことはまだありますが、長くなりましたので一旦終わります。アベノミクスには終わってほしいけど。

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Sunday, August 23, 2020

コロナの後遺症

covid-19の感染拡大が続いていますが、日本の場合検査が少なすぎて、感染拡大の実態が見えないまま、国民の疑心暗鬼ばかりが拡大します。故に大学ラグビー部の寮でクラスター感染が確認されたら。ラグビー部と無関係の教育実習生受け入れが断られたりという差別的なことが起きてしまいます。相変わらず保健所の窓口能力がボトルネックになっていて改善は見られません。

東京都や大阪府の知事がメディア露出で政治利用している実態もあり、国民に寄り添う政治姿勢は見られません。一方で世界中からコロナ感染者が回復後も心臓や肺に延焼が見られるなど後遺症が指摘されており、とてもじゃないけど普通の風邪レベルの話じゃありませんし、感染力の強いウイルスの生存戦略としての弱毒化も見られません。確実に長引くコロナ禍の中で、出来ることを積み重ねるしかありません。

そしてまともなコロナ対策を打ち出せない政府の無能に批判が集まるようになりました。アベノミクスが始まる前から批判していた身としては、ここへ来ての内閣支持率低下に今更感しかありませんが、歴代政権の実質GDP成長率の比較を見ても、大規模財政出動で経済を下支えした小渕・橋本政権で1.0%、規制緩和中心に新自由主義的な構造改革路線の小泉政権で1.0%、何だかよくわからなかった民主党政権で1.6%、大規模金融緩和の2019年までの安倍政権で1.2%です。しかも安倍政権にはオマケがついてます。

日米欧GDP戦後最悪、4~6月 日本はデジタル化カギ:日本経済新聞
統計不正などのインチキで数字を作ってきた安倍政権ですが、コロナで吹っ飛びました。しかも19年10-12月期、20年1-3月期に続く3期連続の下落ですから、ザックリ元の水準から1割減ってところです。しかもコロナ禍が長引くから回復には3-4年程度あるいはそれ以上の相当の時間がかかると見るべきでしょう。安倍政権下の成長率はさらに下がる訳です。

歴代政権の比較で何だかよくわからなかった民主党政権時代が最も高いってのは意外ですが、これ東日本大震災の復興による部分もありますから、やや下駄を履いた数字ではあります。しかし大災害に対して汗かいて国民に寄り添って努力したことは認めて良いと思います。つまり成長戦略ぶち上げて景気の良い話を煽った自民党系政権に対して、目先の課題に取り組んだ結果、経済が反発した訳です。ここ重要です。

てことでまともなコロナ対策も打ち出せずに国会も開かずに逃げている限り、安倍政権の評価は下がらざるを得ない訳です。そもそも財政政策や金融政策を成長戦略とするのは疑問です。マクロ経済政策を理論化したケインズが、報道記者に成長理論を問われて「アニマルスピリット」と答えた逸話が有名です。ケインズの理論は経済成長過程で生じる景気変動を平準化する理論であって、実際の成長は企業家のアニマルスピリットに依存するという意味です。つまり自らの経済理論に成長理論は無いと認めた訳です。

政府が打ち出す成長戦略は当てにならない訳です。結局企業がリスクを取って投資することが成長に繋がる訳で、その意味で成長できないのは政府のせいだという新自由主義者の主張も要注意です。例えば民主党政権で実現した高速乗合バスの規制緩和も、ツアーバス事業者からすれば規制強化なんですが、規制をクリアして乗合免許を取得した所謂新免事業者が輸送市場の活性化に寄与したように、ルールの変更は重要ですが、岩盤規制があるから成長できないなんてほざく経営者は、無能を晒しているに等しい訳です。運輸省や郵政省と戦ったヤマト運輸の事例を挙げるだけで十分でしょう。

ただ悲観すべきではないのは、GDPは付加価値の合計であって、例えば外出自粛や飲食店の営業自粛で必然的に自宅で食事をとる機会が増える訳ですが、飲食店の原価率が3割程度で元々付加価値が高かった一方、スーパーで食材を買って自宅で調理すれば、飲食店が生み出す付加価値は消える訳ですから、生存には問題がない訳です。付加価値って選択的消費の結果生じる訳ですから、早くコロナ感染を封じ込めて、手間のかかる自宅調理より外食を楽しめる環境を作ることが大事ってことです。

心配なのは雇用でして、既に多くの企業が来年度の新規採用を見直していて、JALやANAは既に採用停止を打ち出しておりますし、JR西日本も新規採用抑制を打ち出しております。JR各社は国鉄末期の採用停止で空白の世代があり、今後国鉄OBの社員の大量退職が見込まれるため、計画的に新規採用を拡大してきたのですが、コロナ禍による運輸収入の減少でそれどころじゃなくなりつつあります。

一方でネット通販の利用拡大で宅配便のドライバーは増えてますが、急激な拡大には正社員主義のヤマト運輸も追いつかず、利益を減らすとして減少傾向にあった外部委託に頼らざるを得ないですし、更に外食の宅配でウーバーイーツなどの拡大が見られますが、これも飲食店の営業自粛でアルバイト先を失った学生、フリーター、外国人留学生などが更に不安定なギグワーカーに転落したとも取れる訳で、雇用の劣化は止まりません。ただでさえ低下著しい日本の労働分配率はさらに低下し消費を冷やすことは間違いありません。

そして新卒の正規雇用減少はいつか来た道ですね。90年代後半のロズジェネ世代の再現となり、多くの若者が社会人としてのキャリアの始まりで躓く訳です。とはいえベンチャーキャピタルの弱い日本では起業もままならずですし、コロナ禍が収まるまでは海外渡航もリスクがあります。ある意味ロスジェネ世代より過酷な現実に直面しているとも言えます。

そして現役世代の賃金低下は年金や医療保険など社会保障にストレスを与えます。年金給付の減額や診療の自己負担増で対応すれば、寧ろ老後不安から現役世代の貯蓄性向を高めますから、これも消費を冷やします。そしてロスジェネ再現以上に問題なのが、学校教育の遅れです。学校の閉鎖でカリキュラムの消化が遅れていて、夏休みを極端に短縮しながら密を避けで授業を行う教育現場のストレスは相当高いですが、問題は小中高大と幅広い世代に影響が及んでいることで、将来「ゆとり世代」ならぬ「コロナ世代」が長期に亘って経済にマイナスインパクトを与えかねません。安直に学校閉鎖を決めたツケが重くのしかかります。

てことできりがないのでこの辺にしておきますが、この状況で公共交通の逆風をどう乗り切るかは重大です。おそらく独立採算原則を見直さない限り、立ち枯れていく未来が見えますが、民主党世間が提案した交通基本法を自公政権で交通権部分を省いた交通政策基本法として成立させたことがネックになりそうです。憲法に紐付けされた交通権を盾にしないと、結局自治体は金を出し渋り事業者は撤退せざるを得なくなることになりかねません。

また欧州で見られる交通税のようなものを導入する手はありますが、これも恐らく課税対処になる沿線住民や企業の反対で潰されるのがオチになりそうです。あるいは揮発油税など燃料税を事業者への補助金に使うとか、国税レベルで炭素税のような新税を導入して補助財源にするとか、公的サポートを考えないと持続可能性を損なうことになります。

てことで経済社会にも深刻な後遺症を残しそうなコロナ禍です。国会召集早よ!

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Sunday, August 09, 2020

帰らざる社畜

お盆に家に帰るのはご先祖様と社畜で、家から居なくなるのがアニオタと鉄ちゃんと書いた社畜人ヤプーから4年。コロナ禍で様変わりしました。バーチャルなご先祖様はコロナ禍に無縁ですが、感染拡大の心配から帰省を自粛する社畜たちは、せめてネット動画で孫の姿を両親に見せるリモート帰省がせいぜいです。お盆に限りませんが、両親の介助と妊婦の安心感から選択される帰省出産もままならず、少子化は促進されるでしょう。もはや日本では消費をリードする中間層の再生産が成り立たなくなりつつあります。

コミケの中止はやむを得ないとしても、コロナ禍が無くてもオリパラで東京ビッグサイトが使えないから、アニオタは巣篭りしてネット動画チェックで本来のオタク道に回帰するから家から居なくならないけど、鉄ちゃんは相変わらず全国に散っています。帰省ラッシュ消滅でラッキーですらあります。臨時快速ムーンライトは走らないけど。

てことでご先祖様と鉄ちゃんは変わらないってことで、共に尊い?(笑) 社畜とアニオタは共に巣篭りだけど前者は強制後者は自発と中身は大違いで、ニューノーマル(新常態)での社畜人ヤプーの幸福はいずこ?

所定外給与24.6%減 6月、過去2番目の下げ幅:日本経済新聞
これ正規雇用者の残業の減少とボーナスの削減が原因ですが、非正規雇用者の雇い止めやアルバイト・パートの時間短縮を反映しておりませんから、消費へのマイナスインパクトはより大きい訳です。そんな中でのGo To トラベル強行はそもそも消費喚起効果が限られます。正規雇用者の残業減少も、不況による調整の意味に留まらず在宅ワークによる残業代ゴマカシも含まれますし、通信費や水道光熱費の負担増による消費のマイナスも考慮する必要があります。

結局旅行業界のロビーイングの成果なんでしょう。JTB、HIS、KNT、日旅の旅行業大手4社の5月の取扱高前年比が軒並み1-3%という惨憺たる状況です。これ前年比ですからね。しかも旅行業者は旅客と運輸、宿泊その他の事業者との仲介で手数料率は10%程度ですから、もはや社員の給料の支払いさえ覚束ない逆風です。

旅行業界では所謂団体扱いってのがありまして、国鉄→JRをはじめ運輸、宿泊、その他施設でも団体利用の割引料金が存在します。実際に日本人の旅行形態は戦後長らく団体旅行が主流でしたし、個人旅行のニーズ自体は60年代後半にやっと顕在化するといったレベルでした。しかも個人旅行の発生手配は手間ばかりで僅かなマージンしか得られないから旅行会社には歓迎されないものです。

ただ旅行業法で旅行会社は主催旅行を催行できることから、団体扱いで運輸や宿泊を割引料金で仕入れて、それを組み合わせて個人向けに販売するパック旅行という旅行商品を企画販売できます。しかも大手ほどバイイングパワーを駆使して相対取引で値下げを要求できますから、仕入れを安くして利益を乗せて個人向けには個別手配と同等若しくはやや割安程度でもワンストップで申し込めて旅客側の手間が省けますし、加えて一部の史跡や施設で団体のみの見学客受け入れというところを組み込めれば、付加価値としてアピールできます。

勘の良い人はお気づきでしょうけど、ツアーバスの仕組みがこれなんですね。旅行会社が団体旅行のオフシーズンに当たる盆暮れに貸切バスを割引価格で仕入れて、主催旅行として個人客を募集し運行する形です。しかも旅行業法で最少催行人数以下の場合は催行中止が出来ますからノーリスクな訳で、乗合免許で旅客の有無に関わらず運行する義務を負う高速乗合バス事業者から不公正と是正を求められ、関越道の事故で注目を集めました。

本題に戻しますが、加えて旅行会社は旅客から前払いで代金を収受し、乗車券や航空券など大手キャリア向けの仕入れに一部使いますが、宿泊などは事後精算となりますから、国の支援を梃子にパックツアーが売れるなら、資金繰りの助けにはなります。Go To トラベルの場合、個人で支援条件を見極めて個別手配するのは手間がかかりますが、条件を踏まえた旅行商品を組むのは旅行会社にとってはお手のものですから、結局旅行会社のパックツアー利用に誘導されます。ワンストップが活かせるわけです。

その一方で宿泊を提供する旅館やホテルは感染防止策が求められ、館内消毒や従業員の手指消毒に留まらず、大部屋での食事提供やバイキングとはいかず、個室配膳となると手間が増えますしで、追加費用も発生します。いくら国が支援するとはいえ、儲けにつながるかは微妙で、実際Go To 便乗値上げのような動きも見られます。

てことで旅行会社にはメリットがあるかもしれませんが、そもそも消費の前提となる雇用者報酬が縮んでいるんだから効果は知れてますし、運輸や宿泊に留まらず裾野が広いから経済効果が大きいとのたまう経済学者がいますが、現場を知らないにも程があります。

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Saturday, May 30, 2020

マイクロオフィス365

緊急事態宣言が解除され、揺り戻しか一部で渋滞や密集が見られますが、COVID-19を克服した訳じゃないので、引き続き警戒は必要です。故に乗り鉄どころか駅前に出るバスも自粛してますが、ネタ探しできないのが悩みです^_^;。そういや鉄道ジャーナル最新号の列車追跡シリーズはリバイバル掲載と趣味誌も苦しんでます。てなどーでもいい話が吹っ飛ぶえらいことが起きてます。

中国、香港に「国家安全法」導入方針決定 全人代閉幕:日本経済新聞
これ三蜜で即身成仏で指摘したコロナ禍による米中対立の不可逆的な悪化の結果です。貿易摩擦なら妥協を伴うとはいえ外交的解決の可能性がありましたが、最早その段階を超えたと中国当局が認識した結果です。元々一国二制度は台湾の復帰を睨んだ中国側のアピールでもあった訳ですが、コロナ禍で初動を失敗したことで中国政府は批判を浴び、更にマイナス成長で統治の正当性に疑義が向けられる中で、国内向けに強硬な対応を取らざるを得ない状況ということで、習近平体制が言われるほど盤石ではない結果です。

加えて1億人ほどいると言われる先進国レベルの所得層の政治的影響力が増した結果、香港を思うように統治できないことに対する中国国内の世論の不満もあります。一方、そうした高所得層は自由度の高い香港への移住が進み、狭い香港で不動産価格の高騰をもたらした結果、元々の香港人が家を買えない事態に陥り、大陸からの移住者への反発が強まっていました。故に雨傘運動から始まり逃亡犯引き渡し条例撤回などのデモは主に将来に不安を抱える学生主体で進み、大人たちが支援する構図となりました。これ60年安保闘争当時の日本が、安全保障の米軍依存への不安を学生が先導して多くの国民を巻き込んだ構図とそっくりです。

一方のアメリカもトランプ政権の初動ミスでCOVID-19の感染拡大で大統領選の再選が怪しくなったトランプ大統領は、中国に責任転嫁して乗り切ろうとしています。こうなるともう話し合いで落としどころを探るどころじゃなくなり、既に香港優遇の見直しに突き進んでますが、更に金融制裁を課して米銀との取引を制限する可能性もありますが、北朝鮮やベネズエラと違って世界第2位の経済大国ですから、簡単には従わないでしょうし、世界を巻き込んだ報復合戦となると、世界中が振り回されます。コロナ後のV字回復はなさそうです。

寧ろニューノーマル(新常態)を考えるべきです。各国ともロックダウンなどで経済にブレーキをかけざるを得ない中で、国民生活や雇用の支援などで財政出動を余儀なくされてますが、財政出動に合わせて中央銀行の金融緩和で金利上昇を抑制する流れもある訳で、例えば米FRBのゼロ金利尾が典型ですが、財政出動で増発される国債を買いオペで支えて中長期の金利を抑制するということを始めた訳で、これ黒田日銀のイールドカーブコントロール(YCC)をFRBが取り入れたに等しい訳です。その結果金利が人為的に抑え込まれて低金利が続く一方、それ故にリスクマネーが拡大して株式に資金が流れ込む訳です。故に説明のつかない株高が実現している訳です。

つまり金融緩和で資金は潤沢だけれども、それを活かす借り手の不在という合成の誤謬が起きている訳で、実はコロナ禍をきっかけに世界が日本に追いついてきたってのが新常態の本質です。つまり世界デフレが進行するってことです。経済を支えるための財政出動はやめられないし、それを支える金融緩和もやめられない結果、金利が消滅してタンス預金が合理的選択になる世界ってことです。これは個人も企業も同じで、ある意味日本企業が内部留保を積み増してきたことは正しかったのか?

社畜の国のリモートワークは、よく考えたら労働法改悪で取り上げられ断念された裁量労働制の拡大が図らずも実現し、残業代カットも実際行われているようですから、恐らく多少の問題ああっても企業は進めようとするでしょう。とはいえ問題山積で、特にセキュリティ面の問題は相当な重荷になりそうです。暗号化による公衆回線上の仮想イントラネットとも言うべきVPNの導入で特需が起きているようですが、暗号化と復号で遅延が生じますから、リモート会議には不向きですが、Zoomは手軽だけどセキュリティが弱点になるなど、課題はいろいろあります。加えてこんな問題も。

在宅ワークの費用、だれが負担する? 就業規則で明確に:日本経済新聞
在宅ワークに伴って生じる通信費や光熱費の増加を家計で負担することになれば実質賃下げと一緒ですが、おそらく就業規則でこの辺を明確にしている企業は少数派でしょう。特にコロナ禍で必要に迫られて始めた会社は、この辺を曖昧にしてやり過ごそうとするでしょう。労組を通じてものが言える会社も多数派とは言い難いところです。

加えてウサギ小屋とも揶揄される日本の住宅事情では、必ずしも個室が用意されているとも限りませんし、下手すれば夫婦共働きで場所取りを争い、更に子供のリモート学習まで対応するってことになると、どれだけの大邸宅が必要なことになるでしょうか。その結果通勤時間の節約はあっても寧ろ非効率になったりストレス抱えたりして脱落する人が増えるとすれば、ワークライフバランスどころじゃなくなる訳で、「働き方改革」の掛け声が如何に空疎だったかってことです。在宅のマイクロオフィスはブラックな毎日になりかねません。

加えて通勤電車の混雑は緩和されるかもしれないけれど、独立採算前提の日本の交通事業では、結局採算が取れなくなって減便や撤退が相次ぐ可能性も指摘できます。既に上尾市の丸健自動車が民事再生手続きで事実上破綻しましたが、問題は救済合併や資金支援をする側に余裕が無くなっていることです。丸健自動車もM&Aを打診していたけれど成立しなかったってことで、事業を継続できずに憤死する事業者が出てくる可能性があります。そのとき自治体が救済に動けるでしょうか?唯でさえコロナ禍で疲弊している中で、その余力は乏しいと言わざるを得ません。

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Sunday, April 26, 2020

不要不急の黄金律

Zoomを200mと空目して、ソーシャル・ディスタンシングってそこまで離れないといけないの?と勘違いした人もしなかった人も、お元気でしょうかwwww。私はと言えば、元々引きこもりのボッチですから、あまり変化ありませんが、流石に接触機会が増える乗り鉄は自粛してます。

しかし不要不急が叫ばれるけど、何を以て不要なのか不急なのかは曖昧です。例えばパチンコ規制ですが、開店前の行列に始まり、店内の密集度も高いし、換気が十分かどうかも不明で、しかもプレイ時間もそれなりに長い訳ですから、入場制限や間隔を空けるなどは必要かもしれませんが、補償無しの自粛要請には無理があります。そして自粛に応じなければ店名公表するとして大阪市などでは公表されましたが、これ逆に人を集める効果があるので、あまり意味がありませんし寧ろ逆効果です。欧米のように休業補償を条件に強制力を持たせるべきところです。

現行憲法でも強制力を持たせること自体は可能ですが、補償したくないから曖昧にしている訳です。旧憲法下で国家総動員法などと共に成立した陸上交通事業調整法で、東京の私鉄統合が行われたのは空飛ぶ都営交通でも取り上げましたが、東武野田線の柏以南は京成エリアですし、東上線は西武エリアですが、路線移管は行われず、中央線以南の西南部が東急に統合されたに留まりますが、西武に統合された多磨鉄道はそのままだし、実際は資本の論理による乗っ取り(京浜)や電力国家管理による独立維持の放棄(小田急、京王)の結果ですし、南武、鶴見臨港は国有化だし相鉄は相模線の国有化で東急への経営委託はしたものの旧神中線のみで独立存続してます。

地方でも1県1事業者を模索されましたが、ほぼ実現した富山と福岡は、事業者同士の自主的な統合の結果ですし、富山では県営鉄道や富山市電まで富山地方鉄道へ統合する徹底ぶりでしたが、一方で県内の交通統合の音頭を取った熊本では、熊本電気鉄道と熊延(ゆうえん)鉄道(後の熊本バス)が応じず中途半端になりました。近畿圏でも関西急行鉄道と南海鉄道が統合して近畿日本鉄道が成立した一方、南海傍系の高野山電気鉄道は独立を維持して戦後の南海電気鉄道の分離独立の受け皿となりましたし、力業の統合の阪神急行電鉄と京阪電気鉄道は、やはり旧京阪が分離独立してますが、新京阪線は阪急に残り京都線になるなど混乱しました。コロナ対応がうまくいかないのは憲法は関係ありません。

そして国家総動員体制下で鉄道事業者に求められたのが不要不急線の休廃止と資材の供出でしたが、こちらは国鉄白棚線(白河―磐城棚倉)をはじめ全国の多くの鉄軌道で行われ、軍需品増産や兵員輸送に必要な路線建設に回されたり、金属類は兵器生産に回されたケースもあるようです。という訳で鉄ちゃん的にはこれを連想してしまいますが、基本的に未補償でした。国鉄白棚線は路盤を専用道にして国鉄バス路線として存続しただけマシではありました。戦時BRTですね。

てことでコロナ問題での政府の対応は大いに不満のあるところです。炎上したアベノマスクにしろアベノコラボにしろ、官邸の1人の経産省出身秘書官の発案だそうで、いずれも内閣支持率の低下に焦って提案したものだそうですが、検査を増やすとか衛生用品の増産などの実質的な対策ではなく人気取りに走るところが国民から見透かされている訳です。また1世帯30万円給付も無条件に1人10万円に変更されましたが、これ公明党がが意地を見せた訳じゃなくて支持母体の創価学会からの突き上げで仕方なくって話で、単なる自己保身です。こんな連中が言う不要不急には違和感しかありません。今一番の不要不急は五輪だろ。その一方で感染爆発した欧米は次のフェーズへ進みます。

米欧のコロナ感染、公表値の10倍も 抗体検査で判明  人口6割で「集団免疫」 まだ遠く 精度向上に課題
PCR検査に精度の問題があることは確かですが、とにかく感染の実態を把握するには検査を増やすしかない一方、出口となる集団免疫の獲得進行度を見る意味もあり、遺伝子検査であるPCR検査に留まらず血液を採って抗体の有無を調べる抗体検査へと進み、疫学データを拡充しています。結果はPCR検査の陽性反応で確認された感染者数を大幅に上回る感染率であることが分かった一方、集団免疫獲得と言える60%には全く届かないということで、終息にはまだまだ時間がかかることが明らかになりました。また1度回復して再発症するケースも報告されており、その場合重症化するケースが多いということもあり、免疫の暴走が疑われています。つまり集団免疫獲得が本当に出口になるかどうかもわからないってことですね。

加えて国内感染が終息しつつある中国では帰国者を原因とする感染拡大が見られるなど、今後第2波第3波の感染拡大も警戒する必要があります。しかもそのタイミングが国毎にズレてますから、一旦落ち着いても油断できない状況は続く訳です。1年後に五輪開催できると考えるのはあまりに楽観的です。

最後にちょっと臭い話。鉄道を巡る戦時体制で特筆すべきは戦時下の食糧増産計画でして、人口密集地の東京では住民の糞便が大量に出ることに注目した当局が、郊外の営農地帯への堆肥供給のために鉄道各社に汚わい輸送を要請したものの、乗客の評判を気にして各社尻込みする中で、唯一要請に応じたのが西武鉄道ですが、戦時体制でただでさえ要員が徴用されて人手不足の中、御大堤康次郎の陣頭指揮で大混乱に陥ったという逸話があります。所謂西武鉄道黄金列車伝説です^_^;。

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