バス

Sunday, April 23, 2017

忖度弄すと引く大人かい!

世の中不思議いっぱいなんですが、そもそもシリアにアメリカがトマホーク59発も打ち込んだのに、ロシアがシリアに供与したとされる対空ミサイルシステムが働いた気配なし。トラブル?元々ザル?それとも事前通告を受けたロシアが敢えて止めた?

不思議はまだいっぱい。シリア攻撃は北朝鮮への警告と米ペンス副大統領も認めて、シンガポールにいる空母カール・ビンソンを朝鮮半島近海へ派遣もなぜかインド洋へ。北朝鮮のミサイル発射は失敗。北朝鮮核実験場でバレーボール。一方日本の安倍首相は北朝鮮ミサイルにサリン搭載など危機を煽って韓国から不快感。そりゃそうだ。今韓国は大統領選真っ只中。誰が選ばれるかで北朝鮮に対するスタンスも変わるって時に日本国内向けの人気取りは不謹慎。しかも欧米メディアは変な憶測を働かせるし。逆に北朝鮮も大統領選が終わるまでは下手に挑発して敵対的な政権ができたら藪蛇だし。

でもトランプ大統領は喜んでます。なぜならば危機感煽ればリスクオフで円高ドル安になるわけだし。自らの口先介入を安倍首相が補強してくれたんだから感謝っておい!そもそも福一事故で米国民にいち早く退避勧告をした米政府が未だ韓国国内に軍属、非軍属含めて10万人はいる米国民に退避勧告出さずに軍事行動はあり得ません。シリアは直接反撃できないからミサイル打ち込んだけど、同じこと流石に北朝鮮には無理ってもの。トランプ大統領って素人的な危なっかしさはあるけれど、ある種の勘の良さはありそうです。計算通り?まさかね。

北朝鮮危機を煽る安倍首相ですが、森友問題は未だ決着せず。これぐらいのスキャンダルで政権が吹っ飛ばない今の日本の異常さ。森友学園が9億の国有地を8億値引きだけど、加計学園は36億円の土地を無償で入手しかも国家戦略特区を悪用して正規には認められない獣医学科新設というルール破りの権力私物化ですからね。

日米経済対話が始まったけど、日本側の意図に反して貿易問題が前面に出て事実上の日米FTA交渉に。そうならないように根回ししたはずが裏目に。こうなるとアメリカの要求は自動車と農業を中心としたTPP以上の譲歩とTPPでは盛り込まれなかった為替条項。ドル高是正のルール化が必ずテーマになります。

その一方で米中間ではドル高を是正したいアメリカと元安による資金流出を抑えたい中国の思惑が一致しており、両国間で為替協定を結ばれたら日本は手も足も出ないまま円高を受け入れることになります。原油価格も上昇基調にあり日本にとって円高は歓迎すべきなんですがね。G20財務省会合でも金融政策はデフレなど国内問題の解決のためのもので、為替誘導ではないと敢えて強弁しなきゃならないところに日本政府の苦しさが滲みます。

その一方で事実上とん挫したTPPは11カ国で新たな協定として発効させる方向性を打ち出したものの、アメリカを説得して迎え入れるという殆ど不可能なたわごとを言い始めました。アメリカ抜きなら日本に有利な交渉ができるとでも思っているようですが、12カ国の交渉でアメリカの立場を代弁するような対応を取った日本はむしろ警戒されていると見るべきです。農業分野でライバルのアメリカが抜けたことで、オーストラリアやニュージーランドは寧ろ攻勢を強めさえするでしょう。結果11カ国TPPでも農業分野は攻め込まれます。日米二国間と併せて日本は得るものなしです。

この日本政府の無能さですが、地方や民間企業も同じかも。地方でいえば存続の危機にあるJR北海道問題で北海道庁の対応のまずさ。最近やや柔軟化したようで、バス化も含めて協議に応じる姿勢は見せるものの、上下分離には否定的で、運賃値上げには理解を示すものの、JR貨物の線路使用料値上げや青函トンネル保守費用の低減を国に求めるということで、結局国と乗客に負担を求め、自らは負担しないって話です。虫が良すぎます。

民間はといえば東芝の迷走が相変わらずですが、実は買収した海外子会社の不祥事や損失で本体も傷ついたのは東芝に限らず、中国子会社の不正で損失を被ったLIXIL、人口減少で国内じり貧だからと買収したブラジル企業で躓いたキリンとか、成長分野を海外事業に求めてシナジーを得られなかった日本郵政とか。共通しているのは高値掴みしてのれん代償却が重荷になる一方、それっをカバーするシナジー効果は得られていないという同じ構図。日本の企業経営者はよほど無能なんだ。

同じ原発事業を抱える三菱重工と日立製作所ですが、海外案件がことごとく中止になって受注分のコスト上振れも低負担で切り抜けられたという意味で、ある意味運が良かったと。こうなればWHの破たん処理で原発事業から事実上撤退する東芝のおかげで国内の廃炉事業で出番が増える漁夫の利。実質国有化された東電の福一事故賠償を国が面倒を見る現在のスキームではコストの上振れは国が面倒見てくれるし電力料金への転嫁で国民につけ回しできるしで、ハイリスクの海外案件は無理に手出しする必要なし。国有企業をコントロールして構造改革を主導する手法は中国と同じです。いやむしろ習近平の反腐敗政策があれば森友や加計のような問題は起きないか^_^;。中国なら安倍晋三も問題閣僚も死刑かも。それはそれで問題だが。

てなことはいろいろあるんですが、こんなニュースに引っかかりました。

。ロボットと仕事競えますか 日本は5割代替、主要国最大  :日本経済新聞
これそもそも前提がおかしい。経済学では労働力の資本による代替を進めると資本収益力が逓減するという命題があります。実際求人難で賃金が高止まりしていたバブル期に、海外市場を睨んだ強気の判断もあって日本企業はこぞって設備投資に走り、過剰投資で資本収益力を低下させて、90年代半ばからは供給過剰の是正を雇用調整で行って益々資本収益力はじり貧になり、一方過剰設備投資のツケで設備の更新投資が滞り、外資の力を借りて最新設備を手に入れた新興国の台頭に伴い競争力を失ったわけです。

そこへもってきての人口減少です。生産年齢人口自体は90年代半ばから減少に転じたんですが、丁度日本企業が雇用調整を始めたタイミングと重なったこともあり、人手不足が顕在化するまでに凡そ20年かかったわけですが、今後人手不足は深刻化の一途をたどります。JR北海道問題に即していえば、そもそも地域の人口げ減っている中で、鉄路を維持するための要員が確保できないわけで、それを回避するためには、電化や軌道強化などの設備更新でメンテナンス負担を減らし、各種センサーを活用したインテリジェント化など相当な設備投資が必要なんで、その資金を地元で負担できないなら、鉄道廃止止む無しです。これ民間企業も同様なんですが、ロボットやAIはあくまでも労働生産性を高めるためのツールとして活用して、資本と労働の投入バランスを是正することで、付加価値創出力を高める必要があるわけです。

この観点から言えば政府が進める働き方改革も全く見当違いで、そもそも仕事の繁閑を残業で調整しようとするから無理が生じるんでAIを活用して短時間で成果が出る仕組みを作ることが必要なんで、その意味では現状の残業規制は緩すぎて企業に投資インセンティブをもたらさないと言えます。

折しもヤマト運輸のドライバー不足問題やセブンイレブンなどコンビニの人件費負担増などの問題が顕在化して、対策として無人自動運転の解禁が言われますが、実現するまで人手不足は待ってくれません。ヤマト運輸では運賃値上げや時間帯サービスの縮小や宅配ボックスの設置などを進める考えを示してますが、そういうことなんですね。単純衣労働力を資本であるロボットやAIに置き換えるんではなくて、新しいテクノロジーを取り入れながら、顧客から受け入れられるサービスの在り方を模索していく以外に出口はありません。良い子にプレゼントを運ぶサンタさんもそりを引くトナカイがいなけりゃ成り立ちません。てなわけで迂遠ながら季節外れのダジャレ完成^_^;。

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Sunday, March 19, 2017

曲がり角の整備新幹線

森友問題が予想以上に盛り上がっております。どうせメディアが動かないだろうと思っていたら、籠池理事長夫妻のキャラの立ちっぷりや安倍昭恵夫人のノー天気な行動力と随行する官僚の公務か否かとか、総理夫人を私人と閣議決定とか、なんば花月かい!草生えるわ。

てことで数字が取れるとメディアが動いた結果、23日に鍵池理事長の国会証人喚問が決まりましたが、問題の本質は国有地払い下げを巡る値引き問題と教育基本法違反が疑われる私立小学校の認可を巡る大阪府の規制緩和を含む便宜供与問題の2つ。国会に呼ぶべきは当時理財局長だった迫田国税庁長官と松井大阪府知事です。

第一次安倍政権当時の姉歯事件が、永田議員偽メール事件でとん挫して、改ざんを許した大臣認証構造計算ソフト問題、民間検査機関による検査業務とそれに関連して不自然に米国基準を接ぎ木した規制改革などはスルーされ、1建築士の犯罪に矮小化され検査の厳格化だけに終わった轍を踏む可能性があります。籠池氏の証人喚問に何かの仕込みがあるか要警戒です。多分贈収賄事件というよりは、官僚による政権への忖度だろうとは思いますが、だから許されるって話ではありませんね。

この手の忖度は歴史を紐解けば結構あります。古くは東海道新幹線の岐阜羽島駅を巡る問題で、岐阜県選出の大野伴穆代議士の関与が噂されましたが、当時新幹線建設に懐疑的な世論もあり、政治家の関心は高くなかったのですが、反対されると面倒ということで、国鉄側が忖度したものです。

元々東海道新幹線は最高速250km/hで東京―大阪2時間半という目標を掲げて計画がスタートしてます。当時既に民間航空の台頭とモータリゼーションの進捗で挟み撃ちに逢っていた鉄道は、世界的には斜陽産業と見做され、フランス国鉄で331km/hの記録を出しており、枯れた既存技術で200km/h-250km/h程度の営業運転は可能と見られてはいましたが、そのための追加投資に及び腰で、当時の高速列車は最高速160km/h止まりでした。

日本でも民間航空とモータリゼーションは欧米に遅れながら進んでいたのですが、その一方で戦後復興が軌道に乗って旺盛な需要拡大で、特に東海道本線は早晩輸送力増強が必要な状況でしたが、航空とクルマに対して鉄道のシェアを維持するために、世界最高峰の高速鉄道の建設を意思決定します。戦前の弾丸列車計画である程度用地が確保されていたことも背中を押したのでしょう。

そのため可能な限り直線的なルートで計画され、名古屋から米原へは、当初鈴鹿山地をトンネルで抜けて直行するルートで検討されましたが、当時の土木技術水準では長大トンネルは建設費を増大させるということで、計画が具体化する中で、現在の関ヶ原ルートに落ち着きますが、そうなると岐阜県をかすめることになり、駅を造らないで反対されるリスクを回避するため、岐阜羽島駅の設置が決まった経緯があります。余談ですが鈴鹿山地ルートならば関ヶ原の雪に悩まされずに済んだ可能性はあります。

これだけが原因ではありませんが、計画を具体化する過程で妥協を迫られた結果、最高速は巡航速度200km/hプラス10km/hの210km/hとなり、東京―大阪3時間へ。そして京都駅への速達列車停車で3時間10分となります。加えて盛土の安定のために開業時は盛土区間の徐行で4時間となり、1年1か月後に徐行解除という対応が採られました。枯れた技術の集大成とはいえ、世界初の速度域の営業運転ということで、慎重を期したわけです。

結果的に東海道新幹線は沿線の人口と産業の集積を進め、事業としても大成功だったわけですが、一方で会計規則の変更で民間企業並みに減価償却を義務付けられたこともあり、皮肉なことに国鉄は新幹線開業年の1964年から赤字転落し、以後累積赤字を重ねて解体、分割民営化へ進むことになります。東海道新幹線単体で見れば職客後も大幅黒字ですが、電化、ディーゼル化による動力近代化と需要が旺盛な幹線ルートの複線化に、首都圏通勤五方面作戦もあって、償却資産を増やし続けたことで、赤字は拡大の一途をたどります。巷間言われる赤字ローカル線問題はむしろ無償貸与または譲渡で減価償却が発生しませんので、経営への重荷という意味では主たる原因とは言い難いところです。

この頃の国鉄幹部の経営能力はかなり低かったようで、赤字解消のために生産性を上げようとして所謂マル生運動を仕掛けて労組と破局的な対立をしたり、東海道新幹線の好調ぶりに「新幹線なら何とかなるかも」と全国新幹線網を構想して、整備法が国会で成立するのを受けて、とりあえず輸送力が逼迫しつつあった山陽本線の救済名目で山陽新幹線を着工し、岡山開業、博多開業の2段階で事業を進めましたが、この頃には大型機の就航もあって長距離では航空のシェアを切り崩すには至りませんでした。

その一方、整備法の縛りもあって新規着工の新幹線は最高速260km/hで最小曲線半径も東海道の2,500mから4,000mに、軌道中心間隔4.2mから4.3mとグレードアップされましたし、加えて高度経済成長期の年率5%に及ぶインフレもあって、東海道新幹線より減価償却費の負担が重くのしかかる一方、輸送量は東海道の凡そ1/3に留まり、単体で辛うじて黒字も、並行する在来線の赤字転落もあって、国鉄全体の収支改善にはほとんど寄与しませんでした。寧ろ減価償却費の増大はフリーキャッシュフローを生み出しますから、会計上赤字でも現金は潤沢で、身の丈に合わない過剰投資は加速し収支悪化が止まらないわけです。

こうして国鉄解体、分割民営化へと進むわけですが、民営化でJR各社が軒並み収支改善された秘密の1つは、JR各社の国鉄継承資産の圧縮記帳です。旧国鉄勘定で資産の減損処理をして、新会社へは例えば貨物コンテナ1個1円とかで継承し、バランスシートが身軽な状態でスタートしたことによります。ただし本州3社に継承された新幹線だけは例外で、営業権こそJR各社に帰属しますが、資産としては新幹線保有機構という特殊法人に継承させて、JR各社から線路使用料を徴収する形にして、旧国鉄債務の一部として負担させたわけです。しかしこれは見直されます。

対航空で競争力を高めたいJR東海は300系で270㎢/h運転を実現しますが、稼ぎ頭の東海道新幹線でリース料の負担が重い一方、減価償却費が得られず投資の停滞を余儀なくされます。また他社に先駆けて株式上場を目指すJR東日本は、東京証券取引所の助言で、主たる事業資産である新幹線が自己保有ではない状況では、減価償却費による継続投資ができないから、事業継続に疑義があり上場は難しいと指摘されたことを受け、国に新幹線買い取りを提案。東海と西日本も同意して買い取りが決まります。

この時の価格査定で時価法の1種である再取得価格法によります。簡単に言えば同等の資産を現時点で再取得する際にかかる費用ですが、非償却部分の地価部分が膨張しているわけですから、車両更新を進めて対航空の競争力を高めたいJR東海にとっては不満の残る査定となりました。そして後にこれでは東海道新幹線の設備更新が滞ると国に不満をぶつけて、のぞみ料金の上乗せ部分を非課税積み立てして設備更新に備える新幹線版特特法のような仕組みを勝ち取ります。その後工法の見直しで設備更新費用は圧縮され、JR東海は舌出してます。JR東海がリニアに傾斜するのは、それだけ余剰資金が潤沢だということでもありますが、そのリニアでも大阪開業前倒しで利子補給を取り付けるなど、国を騙して利益を得るその手法は、ある意味森友学園よりも悪辣かも。

一方国鉄が事業主体となる前提の新幹線網整備法も有名無実化する可能性があったわけですが、分割民営化時点で既に基本計画から整備計画へ昇格していた5路線の整備スキームが検討され、現在の所謂整備新幹線スキームになるわけです。元々国鉄の存在を前提とした法律を民営化JRに担わせるために、国と地方が2:1の比率で助成し、JRの負担も30年リースで償還するというもので、事業費圧縮のためにフル規格の他にミニ新幹線とスーパー特急という3メニューを用意して、国、地方、JRの3者の合意に基づいて着工という手順が決まりました。その際並行在来線はJRの経営から分離することと、分離に伴う貨物やローカル輸送由来の赤字負担がなくなる部分も加えたJRの受益分がリース料の算定基準とされました。

これJR東日本の上場時の東証の助言から言えば、九州新幹線を抱えるJR九州の上場はやや違和感があるわけですが、JR九州の場合不動産や流通など関連事業の好調で鉄道事業の比率がJR各社中最低の49%ということもありますが、鉄道事業でも経営安定基金を取り崩して新幹線リース料の一括支払いとその他の鉄道資産の減損処理を上場前に済ませて、上場後の負担を軽くしたわけで、JR発足時の圧縮記帳を繰り返したわけで、ルール上はかなりきわどいことをやってます。

一方赤字圧縮のために大幅な路線廃止を打ち出したJR北海道にとっての北海道新幹線は、貨物との共用の制約もあって共用区間の最高速140km/hで並行在来線切り離しは函館本線函館―新函館北斗と江差線五稜郭―木古内で受益が少ない上、函館本線に関しては電化して新車まで入れて三セクに渡すという追加費用も発生してますし、共用区間は並行在来線ではないので、JR貨物の割安な線路使用料はそのままということで、実態として経営改善にはほとんど寄与していないですし、むしろ青函トンネル自体の老朽化もあって保守費用の負担は今後も増えると見込まれます。上場どころか事業継続の危機ともいうべき状況です。

JR北海道は北海道新幹線の札幌延伸に期待を繋いでいるようですが、東京から5時間超では上記の4時間の壁問題で航空からの移転は期待できません。それでも並行在来線切り離しの受益は見込めますが、人口の希薄な北海道では北陸新幹線つるぎのような近距離利用も期待薄です。整備新幹線自体がリース資産で減価償却がありませんから、スピードアップのための追加投資の原資が得られないわけで、この点は一括支払いを済ませた九州新幹線にも当てはまります。こうして見ると整備新幹線は未来のない中途半端な存在ということができます。加えて政治性が機能の低下を後押しします。

北陸新幹線の全ルート確定 敦賀以西31年着工  :日本経済新聞
小浜―京都ルートも驚きですが、京田辺市(学園都市線松井山手付近)経由の南回りルートとこちらもう回路です。京阪間で料金不要の新快速よりも遅いわけで、何のための新幹線なんでしょうか。小浜―京都ルートに関しては、京都と若狭地区の繋がりの深さを指摘する向きもありますが、そういうローカルな需要はバスの若江線(近江今津―上中)の在来線鉄道建設で満たせるはずで、新幹線である必要はありません。事業性を考えたら米原ルート一択だった筈。しかも北海道新幹線札幌延伸後の2031年まで財源なしですし、そもそも並行在来線をどうするのか。まさか湖西線を切り離すじゃ受益のない滋賀県が同意するはずもないですし。政治に忖度して岐阜羽島駅を作った東海道新幹線のツケがこういう形で跳ね返るとは。つくづく日本の統治システムの醜怪さに眩暈がします。

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Sunday, January 15, 2017

リスクを恐れない迷惑な人々

トランプラリーもやっと一服ですが、止めたのは?

東証大引け、反落 トランプ氏会見後の円高嫌気 医薬品が大幅安  :日本経済新聞
11日のトランプ氏自身の記者会見でした。しかも話題の中心は経済ではなくロシア。
トランプ氏、米メディアと対決姿勢 CNNなどを批判  :日本経済新聞
CNNの記者の質問に答えず「お前のところは嘘つきメディア」などと非難。CNN記者も食い下がりますが、この辺予定調和の日本の記者クラブ会見とは大違いです。とはいえ質問にまともに答えないとすれば、報道するメディア側も打つ手がないのが現実です。トランプ流メディアコントロールだとすれば問題ですが。

ただしCNN記者が問題視していたのが、トランプ氏がロシアに弱みを握られているという醜聞に関するものであり、言ってみれば出所不明の噂ですから、fact check という意味でメディア側の態度にも疑問は残りますが、ロシアによる大統領選介入に関してはトランプ氏も認めており、真偽よりも遺恨試合的に尾を引きそうです。アメリカ流の報道の自由にとっては課題が残ります。それでも日本よりはマシなのかな。

トランプ氏会見、サイバー攻撃「ロシア関与」  :日本経済新聞
米情報当局絡みですから、真偽は藪の中として、情報当局としてもこんな発表をすることになろうとは思っていなかった筈。トランプ氏の大統領選勝利はそれぐらい想定外だったんでしょうけど、同時にアメリカの民主主義制度の中心に外国ハッカーが介入できる脆弱性があるなんて発表のシュールさは何とも。逆にアメリカ情報当局による外国選挙への介入は噂レベルでも多数あり、日本の自民党にCIA秘密資金が渡っていたことは既に公文書公開で明らかになっています。当時と違ってアメリカの圧倒的な力の優位は失われ、ロシアが同じことができるレベルに追いついてきている現実を見せつけました。ましてマンパワーに勝る中国は?

蛇足ですが、従来「関税」と訳されてきた border tax を日経が「国境税」と訳したことで、やっと現実に追いついてきたかと。WTOルールでは輸出品に対する税還付は間接税に限って認められており、担税者と納税者が形式上一致することから直接税に分類される法人税では不可能という見解もありますが、世界的に多国籍企業の法人税逃れが問題視される中、税の専門家の間では法人税の本来の担税者は法人なのか?という議論が進みます。

元々事業所得としての最終利益に課税されるわけですから、ザックリ言えば営業余剰の配分を巡って国(税金)と株主(配当)と経営者(役員報酬)の間の利害調整に過ぎない問題です。法人税減税で直接利益を得るのは株主と経営者ってわけで、法人税収の減少は国家財政を圧迫する形で国民に転嫁されるわけですから、当然「法人税減税で賃金が上がる」という議論は成り立ちませんし、話を戻しますが、こうした隠れた担税者を視野に入れれば、法人税を間接税と見做すことは可能です。問題は数値を的確に把握し課税できるのか?という実務面のハードルです。貿易インボイスのようなものが導入される可能性もありますが。

ってことで、トランプ政権の政策的な目玉はこんなところでしょう。対米貿易黒字の大きい中国やメキシコは反発するかもしれませんし、メキシコに生産拠点を持つ日本企業にとっても影響はあるでしょうけど、騒ぐほどの問題じゃありません。それより自動車ならばカリフォルニアのZEV規制で2018年にもPHV以外のハイブリッド車がZEV指定を取り消されるとか、そっちでしょ。VWのディーゼル排ガス不正をきっかけに次世代環境車の本命はEVで確定しており、EV投資を考えたら、アメリカ国内への投資は避けられないところです。てなことを頭に置けば、こんなニュースも見方が変わります。

トヨタ「トランプ対策」奏功するか 米で1.1兆円投資  :日本経済新聞
トヨタにしてみれば5年間で100億ドルのアメリカ国内投資はわけないところ。それでトランプ政権へのリップサービスになるなら安いもの。トランプ氏にとっても「あのトヨタを動かしてやったぜ。ウェーイ!」と支持者にアピールできます。しかもこれエビデンス不要です。実勢を追跡するような支持者はいないってことですね。アメリカでは政策のエビデンスが強く求められ、オバマ大統領もそれゆえ思い通りの政権運営ができなかったんですが、トランプ流だと名指しされた企業がこういう反応をする限り、支持者から「トランプ氏スゲー!」の反応が返り支持率が上がるという構図です。これこんなのと同じになるってことです。
見えた?GDP600兆円 計上分野広く、五輪特需も  :日本経済新聞
アベノミクスで2020年に名目GDP600兆円達成を掲げていますが、それとは別に国連勧告に則った算定基準の改定があり、研究開発費等のGDP算入が2016年度中に実施と予告され、2016年10-12月期改定値から適用されました。新基準は過去に遡って適用されますから、GDP数値目標を設定したときの数字が隠れてしまい、比較不能になってエビデンスが成り立たなくなるわけです。

元々フローの数字に過ぎない名目GDPで数値目標自体意味がないんですが、税収に波及しますから、名目GDPの目標達成は歳入増による財政再建というストーリーとして上書きされるわけで、増税や歳出削減などの痛みを伴う対策なしに財政健全化をアピールするというレトリックなんですが、そんなアベノミクスをトランプ政権が見習っているとすれば、米欧二極でエビデンス不在の経済政策が進められることを意味します。今年最大のリスク要因でしょう。

日本に関しては変化なしではあるんですが、問題は必ず訪れる日銀の緩和政策の限界です。ただでさえトランプ相場で長期金利に上昇圧力がかかる中、既にマイナス金利水準=元本より高く買っている国債は満期まで保有しても損失が出ますから、それを見越した損失引当金を積んでいる状況ですが、元々低金利でほとんど金利収入が消えている中実際に金利上昇局面になれば引き当てが追い付かなくなり損失を出す可能性があります。そうなれば中央銀行発の大規模な金融パニックは避け難く、リーマンショックを簡単に超える水準の信用不安になります。日銀の緩和政策でリスクを集中させた結果ですから如何ともし難いところです。迷走する東芝

東芝、原発事業で陥った新たな泥沼:日経ビジネスオンライン

ややこしい構図なんですが、米原子力子会社WHの建設協力会社であるCB&Iの原発部門S&Wを巡る新たな減損が数千億円規模ということで、完全に再生シナリオが狂いました。そもそもCB&IがS&Wを切り離したのは原発建設を巡る規制強化で工事が度々中断し工期が遅れコストが増える中、WHとの間でも事業費の増額を巡って係争していたのを、S&WをWHが買い取ることで目先の損失を回避したんですが、資産査定の結果、追加減損が発生したわけです。CB&Iにとっては原発リスクを切り離せた一方WHは当座の損失は回避できたもののリスクを背負い込んだわけで、結果としてのリスク集中がそもそも問題なのですが。「原発は儲かる」は幻に。

話題を変えますが、本日1月15日は軽井沢のスキーバス事故から1年にあたります。

バス会社社長ら現場で献花 軽井沢事故1年  :日本経済新聞
事故を受けて再発防止策が講じられ改正道路運送事業法も施行され、貸切バス運賃の値上げなども行われたものの、違反は後を絶たず、特に基準を下回る低運賃請負はなくなりません。だからドライバーの待遇改善も進まずドライバー不足は解消されない状況です。それどころかインバウンドブームに乗じてバスの台数そのものは増えており、安値受注合戦はなくならないという悪循環です。バス会社にしてみればブームに乗っかれってことなんでしょうけど、その結果が事故などのリスクを大きくしているのだとすれば救われません。リスクを恐れないのは迷惑なんだってことを声を大にして言いたいところです。

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Thursday, September 22, 2016

日米金融あっち向いてホイ

本題に入る前に豊洲新市場問題。

豊洲盛り土問題、都庁の統治不備露呈  :日本経済新聞
迷走を重ねてますが、都庁のガバナンス問題に発展してややこしくなってます。汚染度封じ込めのはずの盛土がされてなかっただけでなく、その意思決定がいかに行われたかも説明が二転三転。これじゃ移転はいつになるやら。環状2号線着工はその分遅れます。たまった水の水質検査の結果、基準値を下回るヒ素やシアン化鉱物が検出されました。一部で基準値以下だから移転すべきという議論もありますが、汚染物質が汚染土由来である以上、現況のままなら汚染物質が染み出してくる証明でもあるわけですから、追加的な有効な封じ込め策は必要です。

蓮舫民進党代表の二重国籍問題ですが、これ法的には何の瑕疵もないないのに、味方から「説明しっかりしろ」って後ろから弾が飛ぶ状況で、民進党のグダグダぶりにうんざりします。二重国籍問題を言うならアルベルト・フジモリ氏の件も見るべきでしょう。2000年に自らの金銭疑惑による訴追を逃れるため、ブルネイのAPEC会議の帰路に立ち寄った日本で訴追逃れで大統領辞任を表明し留まり、日本政府はフジモリ氏の日本国籍を認め庇いました。2001年にペルー司法省が殺人罪で起訴。2003年にはICPOを通じて身柄引き渡し要求も日本政府は拒否。にも拘らず2005年には翌年の大統領選出馬返り咲きを目論んでチリに亘って当局に拘束され収監されました。この状態で2007年には日本の参院選の比例候補として国民新党から立候補ですから、どこまで節操がないのか。蓮舫氏がこれより悪質とはとても言えませんが、両親そろって日本人のフジモリ氏は許容できても、父親が台湾人の蓮舫氏は許せないということなんでしょうか。だとすれば純血ヘイト主義言説でしかありません。

ンで本題。メンドクサイから2つ並べます。

日銀総裁、利回り曲線の操作「十分出来る」  :日本経済新聞
米FRB、年内利上げへ「新たな証拠待つ」  :日本経済新聞
日米の金融政策決定会合が同日というのも珍しいですが、祝日の影響でしょうか。時差の関係で日本の日銀が先に決定しなければならないから後出しじゃんけん戦術は使えなかったんですが、整理すると日米ともに結果的には現状維持ながら、日銀は政策目標を利回り曲線に変えて国債購入目標を流動化するということで、マイナス金利の結果生じた長期金利がマイナス圏にならないようにして金融機関の収益圧迫という副作用を回避しようということですが、事実上国債購入を絞るテーパリングを意味しますから、年内利上げを強く示唆しながら動かなかった米FRBに先駆けて緩和見直しとなったわけで、「あっち向いてホイ」状態になったわけです。その結果為Fが動きました。
NY円、続伸 1ドル=100円30~40銭、日銀会合・FOMC受け1カ月ぶり高値  :日本経済新聞
日銀の「総括」で期待された外債購入は流石に踏み込めず、公式の為替介入はアメリカが反対している以上できないというわけで、円高の進行は今後も続くことになります。円高は輸入物価の下落を通じて家計にはプラスですが、そもそも異次元緩和の裏の目的が円安誘導だったわけですから、日銀は完全に打つ手を封じ込められたことになります。国債購入の減少は、マイナス金利と並び立たないことと、購入する国債自体が減って買い進めなくなるのは時間の問題ですから、長期で緩和を継続するには金利操作の方がやりやすいというわけですね。でもテーパリングじゃないよと強弁するのは、前回7月の政策決定会合で株式ETFの買い付け額を3.3兆円から6兆円に増額したことと併せて読むと、結局国債を買う代わりにETFを買うって話です。その結果株式市場でも異変が起きています。

以前から日銀のETF購入は「池のクジラ」と揶揄されてましたが、最近は購入枠拡大もあって、市況への影響がかな目立つようになりました。具体的には9時の開始後下げて始まるとなぜか10時以降急上昇してチャートが水面から顔を出したクジラのシルエットになるということで、ホエールウォッチングが市場のトレンドですwwwww。その結果安値で拾いたい個人投資家が安めの指値で注文を入れても拾えずに個人投資家が株式市場から遠ざかるという笑えない現実が。「貯蓄から投資へ」じゃなかったのか。株式のクラウディングアウトってあんまり聞かないけど、民間を圧迫しているんですよね。それに加えて不動産市場に不穏な動きが。

基準地価、商業地9年ぶり上昇 訪日客けん引  :日本経済新聞
基準地価の発表で地方も含めて商業地の値上がりが目立つ一方、住宅地は停滞し全用途ではマイナスです。しかし最近の日経は思い込みが強いというか、偏った報道姿勢が目立ちますが、訪日外国人増加の影響よりも、不動産投資信託(REIT)の影響でしょう。大都市のオフィスビルや賃貸マンションに加えて、ショッピングモールや高速道インター近接の物流センターなどREIT物件は増えています。REITは大きな資金を要する不動産投資を小口証券化して賃貸収益を投資家に還元するというもので、リスク分散と流動性確保が狙いです。

その結果確かに不動産投資が活性化されましたし、収益性に疑義が生じれば売られてしまうということで、不動産バブルの抑止にもなっているのですが、問題は低金利でして、元々ミドルリスクミドルリターンの金融商品という性格で予定利回り5%程度を見込んでいたのですが、リターンの水準がそのままでも低金利で相対評価が高くなれば当然投資資金が入ってREITも値上りしてリターン率は下がるわけです。その結果、土地の評価額が高くなるわけで、5%のリターンが1%になれば価格は5倍になるわけで、それが土地評価額へ反映された結果と見るべきでしょう。

しかし日銀の利回り曲線目標へのシフトで長期債の金利が上がれば、REITにも値下げ圧力がかかるわけで、地価水準も今がピークと見るべきでしょう。加えて長期金利の上昇は住宅ローン金利の上昇で住宅投資にマイナスですし、増えている売れ残りマンションも、低金利だからデベロッパーがやせ我慢で在庫している状況が変われば安値で換金売りが出るでしょうから、土地の値下がりが避けられない状況になります。2020年のオリンピックを待たずに土地失速が迫ります。

てな状況ですが、住宅投資に関しては人口減少に直面する日本にとってはむしろ歓迎すべきことです。更に言えば不動産投資もより選別されたものだけが残ると考えるべきで、その意味ではショッピングモールよりもネット通販の拡大が見込まれる物流センター投資以外は減ってくると見るべきでしょう。物流センター投資はアマゾンなどのネット通販事業者の自社配送と宅配便と中小企業ののネット通販を助けるサードパーティロジスティックス(3PL)がオーバーラップしながらサービスを競っている状況ですから、当分は投資が続くと見られます。その宅配便関連でこんなニュースが。

地下鉄、宅配の足に 東京メトロ・ヤマトが実証実験  :日本経済新聞
宅配便もネット通販の増加で利用は増えているものの、運賃は低く抑えられていてく苦しいところですが、輪をかけてドライバー不足が顕在化してきました。昔と違ってドライバーに高給を約束できない状況の中、ヤマトでは長距離の鉄道利用や航空便利用も併用しながら、物流業界の言うラストマイルと呼ばれる地域の集配網にマンパワーを集約する必要があります。その意味で近接地域の荷物の営業拠点間の横持ち便を過疎地の岩手県では以前から定期乗合バスに乗せて運ぶことが行われ、京都市では京福電気鉄道嵐山線で同様の取り組みが為されましたが、圧倒的に荷物量の多い首都圏では多数の横持ち便をさ知らせている状況があるわけで、それを地下鉄など通勤鉄道の余剰輸送力を活用してクリアできれば画期的です。

これは鉄道事業者側から見ても、ラッシュ対応の余剰輸送力の収益化になるわけで、人口減少で利用客減が見込まれる中での新たな増収策になります。加えてピーク対応の輸送力が昼間は余剰となり車両の半分は車庫で休んでいる現状から、収益機会の拡大で、さらにピークタイムの混雑緩和投資に結び付けば、鉄道側の設備投資を誘発する効果も期待できます。これらの動きが主に民間同士のコラボレーションで起きていることに注目すべきでしょう。財政や金融で強引に現金をばら撒き、公共工事を積み上げても使えるかどうかわならない豊洲新市場のようなものしかできないならば、政府はよけなことするなと言いたいところです。

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Sunday, August 28, 2016

都政の義理

2代続けて辞任に追い込まれた東京都知事ですが、健さん流に「とせいの義理だ、死んでもらいます」とばかりに公職を追われた不可解さですが、実は11年前の2005年にも、公職を追われた人がいます。石原都政を実質的に牛耳っていた浜渦武生副知事です。発端はある福祉系学校法人の認可を巡る不正の可能性から、都議会民主党議員が質問し、浜渦副知事が肯定する答弁をしたところ、自民公明の都議たちから「やらせ質問だ!」の声が上がり紛糾。100条委員会に諮られ、当事者でもある都議会民主党は自らに累が及ぶのを嫌って欠席する中、「やらせ質問ではない」との浜渦氏の答弁を偽証と決めつけ、石原知事が渋々更迭を決めたもの。実はこれ以来石原知事と都議会与党との力関係が逆転し、やる気をなくした石原知事は後に辞任するわけですが、それはかなり後の話です。

ま、浜渦氏自身が名の知れた右翼武闘派の活動家で、国会議員だった石原氏の秘書として仕えてのし上がった人物で、とかく独断専行で都議からも都職員からも疎まれていたことは間違いないですが、問題は学校法人の認可を巡る不正の疑惑のはずで、本来都議会で行政監査請求をすべき案件ですが、それを潰したわけです。経緯から察するに元々自民党都議に情報を流して質問をさせようとしたところ、いつまでも動かないから民主党に話を持ち込んだらしいのですが、仮にそうだとしても、手続き上都議会の監査請求が必要だから情報を流すことはあり得るわけで「やらせ質問」は本来あり得ないし、そういう反応が逆に利権の存在を浮き彫りにします。ちなみに当時から自民党都議団のトップは昨今週刊誌でも叩かれている内田茂都議で、ゼネコンに顔が利くところから、都職員自体が相談者に先に根回しをお願いするというズブズブの関係だとか。都知事選で敵と名指しして抵抗勢力と演出した小池氏はクレバーでした。

とはいえ保守派同士で、舛添前知事による韓国学校補助問題への反対では一致しており、いつ「てへぺろ」和解するかもわからないのですが、世論の関心が集まっている間はファイティングポーズを取らざるを得ませんから、引き続きメディアが情報を流し都民がそれに関心を持ち続けるしかないのですが。その意味で築地市場の豊洲移転問題はリトマス試験紙になります。

2011年の都知事選ではあまり話題にならなかったものの、食品を扱う場所として問題は深刻です。都の公式見解としては「基準値以下だから安全」ということですが、それならば安全宣言を出して風評被害が出ないようにすべきですが、それはなし。また仲卸の入居ブースの間口が1.5mしかなく冷機を置いたら奥へ入れないとか、電源が貧弱で電動ターレットの充電ができないとか、そもそも賃料も未定なのに11月7日の移転日だけが決まっていて仲卸への説明会は紛糾して見通しが立たない状況ですが、小池都知事は見直しに積極的ということで、どうなるか見物です。

この問題は築地市場跡地を更地化しないと環状2号線の湾岸延伸工事が着工できず、沿道には晴海の選手村と室内競技場のメイン会場になるビッグサイトがあり、2020年に間に合わせるのは至上命令ですが、見直せば当然着工が遅れ2020年に間に合わないということになります。それでも突っ張り通すことができるか。小池知事の正念場です。それと交通インフラの問題も指摘されていて、豊洲新市場は公共交通としてゆりかもめしかありません。都バスが補完するとは思いますが、現状メトロ日比谷線と都営大江戸線の地下鉄2線に加え、JR新橋駅からのバス便も使える築地市場の足場の良さに比べると、りんかい線開業前はイベントのたびに度々重量制限から改札止めという事態が起きていたゆりかもめが、イベントではなく日常でパンクする可能性があります。この問題はそのまま2020年五輪にも当てはまります。故に中央区が銀座―有明間の臨海地下鉄構想をぶち上げたわけですが、当然どう転んでも2020年には間に合いません。

あと五輪関連では新国立競技場も着工準備中ですが、間に合うかどうかは神のみぞ知る状態。それ以前に陸上競技場としてサブトラックを備えておらず、別に作るサブトラック計画自体が流動的ということで、この問題も決着は容易ではありません。加えて晴海の選手村も、大会終了後にマンションとして分譲される計画で民間事業者の応募を募っているのですが、開発事業者は及び腰。底地を低価格で提供されるとはいえ建設費は自前で、しかも当面バス以外の公共交通は無しですから、当然鉄道駅に近い臨海部の他の物件より不利で高く売れる保証はないですから、リスクが大きすぎるわけです。中央区が臨海地下鉄のような大風呂敷を広げたのも無理もないところです。しかも五輪後は人口減少もあって都心のマンションブームも終わると言われています。

この点は現状異次元緩和(QQE)で不動産価格が上がっている現状ですが、都心部の億ションも売れ行きが止まってきています。元々中国やシンガポールなどの富裕層が投資用に購入するケースが増えていましたが、今年に入ってからの円高で風向きが変わりました。しかし再開発ブームでマンションの供給は増えていますから、五輪を待たずに値崩れする可能性もあります。こうなると選手村もできないで五輪危うしとさえ言えます。難題山積の中で小池知事がファイティングポーズを続けられるか。しっかり見ていきましょう。

都民でもないので地元神奈川の話題ですが、やはりこれですね。

相鉄、JR・東急との直通延期 一部で着工遅れ  :日本経済新聞
理由は用地買収の遅れによる着工遅れですが、東海道貨物線にしろ相鉄本線にしろ列車本数の多い営業線の近接工事で、限られた作業時間で作業を完了させる必要から、人海戦術を取らざるを得ないわけで、要員が集まらないことも遠因と考えて良いでしょう。加えて住宅密集地で地形も複雑で、地盤が脆いところは薬液注入で地盤改良も必要だし、住宅地で夜間工事も限定されるなど、悪条件はいろいろありそうです。その結果相鉄が沿線で展開中の再開発にも暗雲が。
相鉄、JR・東急との直通運転再延期、沿線再開発に影響  :日本経済新聞
元々相鉄はJRとの直通を優先したのですが、横浜市の横やりで東急との直通もとなって事業規模が拡大したわけですから、既にと新直通を見込んで沿線再開発に着手した相鉄にとって工事の遅れは痛手です。JRとの直通の場合の当初事業費は総額700億円だったものが、東急との直通で一部東急負担とはいえ2,700億円にまで膨らんだ事業費が工事の遅れで4,000億円規模にまで拡大したわけですから、当初案のJR直通のみなら遅れて事業費が倍増しても1,400億円ですから、相鉄のダメージは計り知れません。尚、記事中の五輪輸送問題は、元々日産スタジアムの最寄駅は小机ですし、20020年の日韓W杯当時は現状と同じ体制で乗り切っていますから、あまり関係はないですが、横浜市にとっては相鉄沿線再開発による税収増の期待はあるわけで、自らまいた種がブーメランです。また公共事業でも選択と集中が大事という教訓でもあります。

06年から始まった生産年齢人口の減少が、人手不足で公共事業のスケジュールが成り立たなくなってきています。公共事業でインフラ整備頼みの経済政策は明らかに限界が見えています。いい加減見直すべきですね。

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Sunday, August 14, 2016

戦争を知らない大人たち

本題に入る前に天皇の生前退位問題。

象徴 その心(3) 天皇に「私」はないのか 人権巡り国会で議論 :日本経済新聞
いろいろ言われますが、論点はこれです。すでに戦後の帝国議会で新皇室典範の審議で三笠宮殿下が意見を述べてます。つまり天皇の人権問題が本質なんですが、伝統ガーな人たちの反対で積み残したまま現在に至るわけです。これ女帝問題や女系宮家問題も同様なんですが、戦前の帝国憲法を前提とする旧皇室典範に対して新憲法とのすり合わせげ十分に行われてこなかったってことですね。

そして先日の天皇のビデオレターでの意見表明ですが、憲法が求める象徴天皇として初の皇位継承者となった明仁天皇が指摘したのは、終身制を前提とする限り、服喪と即位の同時進行というある種のカオスをもたらすという点。これ皇位継承の経験者故の視点と言えます。だから特例法での対応は望んでいないわけです。同時に憲法第2条〔皇位の継承}で「皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。」とある通り、皇室典範の改正以外でこの問題を対処できないと憲法で規定されています。女帝や女系宮家に議論が及ぶと、小泉政権時代から反対し続けてきた安倍晋三にとっては面白くないってことで、この問題を安倍政権はどう扱うか、注目されます。おまけ。

SMAP、年末に解散 事務所が発表  :日本経済新聞
SMAPは1月にも解散騒動があって、その後テレビでLIVE謝罪というセレモニーを経て沈静化されたものの、水面下ではやり取りがあったようです。ただしプロダクションの移動は無しということで、本人の意思が通しにくい芸能人の人権問題に天皇の人権問題が道しるべになるとすれば、結構重要な意味があります。

ついでに言えば伝統ガーな人たちはそもそも人権がお嫌いなようで、天賦人権説をキリスト教的な価値観をベースとしていて日本の伝統的な価値観に合わないと批判しているようですが、一夫一婦制もキリスト教的価値観に依拠していて、しかもお金持ちは公然と妾を囲っていて、西武鉄道二代目の堤義明が妾腹なのはつとに有名なように、明らかに日本の伝統的価値観に合わないですがね。冗談はさておいて、天賦人権説が王権神授説の対抗言論ということを知っていれば、キリスト教的価値観を捨象して国家主権の対抗概念としての人権という風に普遍化できます。つまり主権国家が主権国家たるためには人権を前提にするから国民の負託を得られるわけです。

で、改憲論者の小池都知事がいろいろぶち上げてくれてますが、まずはこれ。

小池新知事は新国立のサブトラック問題を解決できるか|inside|ダイヤモンド・オンライン
元々陸上競技場であるはずの国立競技場ですから、国際大会開催基準としてサブトラックの設置は当然だったところ、サッカー協会やラグビー協会からワールドカップ級の国際大会の開催基準を満たす8万人収容スタンドが要請され、サブトラックは外に作るとしてザハ案に見られる巨大スタンドとして結実し、その後コスト問題で白紙撤回されて再コンペで隈研吾案で決着したのは五輪霧中で指摘したように、風致地区第1号で15mの高さ制限が課せられてた神宮の森の高さ制限撤廃の露払いとしてザハ案の新国立競技場という点で、地権者とサッカー協会、ラグビー協会の共犯関係がある一方、サブトラック問題が生じたわけで、陸連にとっては寝耳に水というわけで、軟式野球場へ仮説する方向ですが、数億円かかるので常設にできないかという意見がある一方、地権者は稼働率の高い軟式野球場がなくなるのは困るというわけです。そこで秩父宮ラグビー場への併設案があるものの、ラグビー協会が反対とはいえ、元々大スタンドをごり押しした手前もありと、エゴのぶつかり合いが解決を困難にしています。環状2号線の湾岸延伸着工とスケジュールが絡む築地市場の豊洲移転問題もあり、難題山積。憲法改正どころじゃない現実です。あとこれ。
都知事公約「満員電車ゼロ」は、こう実現する | 通勤電車 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
岐阜にも関わったトンデモ鉄道コンサル氏でツッコミどころ満載ですが、余裕時分を削った結果、ダイヤ改正翌日に東中野事故を起こしたJR東日本や尼崎で脱線転覆事故を起こしたJR西日本が、その後保安装置の強化などの安全投資を深化させたプロセスを無視してます。別に都が財政支援するわけでもなさそうですから、事業者の自助努力を促すってだけ。小池知事の政策スタンスをよく示してます。

前置きが長くなりましたが、サイドバーの「戦争の社会学」ですが、改めて戦争とは?平和とは?ということを考える上で戦争の歴史や意味をを体系的に説明した格好の入門書です。紹介コメントでも書きましたが、奇妙な日本軍に関して章1つを当てて考察してますが、そのトンデモぶりに驚きます。例えばクラウゼヴィッツの戦争論では兵力と兵站の重要性を説いている一方、精神面の重要性を指摘してますが、これを兵力で劣っても精神力で跳ね返すと曲解したり、真珠湾攻撃のような奇襲は短期決戦で迅速に敵国と和平交渉に入るのがセオリーながら和平交渉が準備されておらず、長期戦になって力尽きたわけです。日本は戦争の仕方を知らなかったと。そんな歴史を彷彿とさせる出来事が現在進行中です。

マイナス金利、効果道半ば 導入半年  :日本経済新聞
思い出していただきたいんですが、13年4月の黒田バズーカは、2年で21&のインフレ目標達成のための短期決戦だったはず。ところが一向に物価は上がらず、ズルズルと目標年次の先延ばしと追加策という戦力の逐次投入を繰り返すばかり。そもそも出口論も議論せずというスタンスで、日米開戦時の日本軍と何と似ていることか。それどころか今年に入ってマイナス金利政策を導入し長期金利の低下は目論見通りとしても、円高を防げず、それどころか銀行の離反を招くなど散々です。
マイナス金利で減益3000億円 日銀に懸念伝達  :日本経済新聞
遂には金融庁のツッコミも。足並みも乱れさしずめミッドウエー海戦の様相でしょうか。一応9月の日銀政策決定会合でマイナス金利政策の検証を約束したものの、言い訳を重ねるだけなのは目に見えてます。

マイナス金利の成果として住宅着工の増加が指摘されてますが、これ中身は賃貸アパートの建設ラッシュなんで、マイナス金利の恩恵はあるかもしれませんが、むしろ実家の相続対策としてのアパート建設と見るべきです。所謂空き家対策法の施行で空き家になった実家を放置できなくなったことと、アパートの課税特例で固定資産税1/6、都市計画税1/3でトータルで1/5ほどに負担減となることから、親が生きていても実家をアパートに建て替えて負担減を目羅うというものですが、その結果民間賃貸空宅の空室率が高くなっています。結果家賃が下落し、持ち家の帰属家賃を含めれば消費者物価指数の2割ほどのウエート付けがされているわけですから、そら物価は上がりませんわ。不都合な真実ですが日銀は認めるでしょうか。

戦争と金融政策は違うと言われるかもしれませんが、短期の作戦として始めた政策が未達で長期戦にずれ込んだ時点で戦略の練り直しが必要なのは同じです。勝てない戦争はしない。戦況が劣勢ならば速やかに退却するってのが戦争のセオリーですが、日銀は未だ出口論を封印しています。思えば東芝もシャープもこうして傷口を広げて立ち行かなくなったわけですし、日本の様々な組織にこうした撤退下手とでも言うべき病弊が蔓延しているようです。関連でこのニュース。

夕張市、JR北に地域振興の協力要請 路線廃止容認の条件に  :日本経済新聞
財政再建団体となった夕張市としては、」実際これしか選択肢はないと思います。加えて夕張支線の場合夕張市単独で意思決定できる稀有な条件もあったということです。他の路線は複数自治体に跨っていて自治体間の意思のすり合わせだけでひと仕事になります。実質道庁が動かなければ動かないでしょうけど、道庁は動く気配はありません。

あと青森方式というか、道が線路保有して自治体出資三セクに貸し付ける方式も、あくまでも整備新幹線の並行在来線だから、新幹線というインフラの見返りとして県単位で同意を得やすかったってこともありますから、路線の維持だけがテーマの北海道では無理な話です。おまけで言えば青森方式よりも、事業者のIGRいわて銀河鉄道による線路取得費を事後的に県が肩代わりし、沿線自治体に固定資産税を納めさせる一方、自治体側でその税収分を積み立てて保守費用に充てる基金とするというクレバーなやり方をしてます。実質公的な減価償却をやってるわけです。

というわけで、実際に協議が始まれば新たなアイデアが出てくる可能性はあります。ただ気になるのが夕張市長が自身のブログで示したコンパクトシティ構想です。正直言って県庁所在地の青森でさえ明らかに失敗したものが夕張で可能なのか、疑問を禁じ得ません。一応清水沢付近に都市機能を集約しようということのようですが、新たな玄関口となる新夕張駅からは離れてます。炭鉱の廃坑でどんづまりの旧市街をたたむのかどうかはわかりませんが、地理的にもほぼ発展の可能性は皆無ですから、基本的には撤退戦だということを肝に命ずるべきでしょう。

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Saturday, June 18, 2016

アベphoneで舛添トチり秋の河岸

先週末のフロリダの銃乱射事件ですわテロ事件?ところが容疑者自身がゲイでムスリムの父親の厳格さや家庭内暴力などで悩みを抱えていたらしい。というわけで銃社会アメリカの負の事件ということらしい。ここ20年で銃撃事件の犠牲者が毎年3万人以上と日本の自殺者に匹敵するという異常さですが、よく考えたら、病めるアメリカ社会の犠牲者と病める日本社会の犠牲者がほぼ同数って、他人を巻き込む度合いとか人口比で考えたら日本の方が深刻ってことかい。

そしてEU離脱を問う国民投票を控えるイギリスで、残留派の下院議員が凶弾に倒れ、それまでの過熱報道が自粛されるという事件がありました。政治的不寛容が顕在化したという意味でメディアの自粛もやむを得ないところかもしれませんが、国民投票の結果への影響など、例えば残留派が多数という結果に対して、離脱派がメディアの自粛で作られた結果だと異議が噴出するとか、政治的混迷が続く可能性があります。イギリスがウクライナ化するかも。

てなこと以上に個人的にはこのツイートでえらいことになりました。

直後足掛け3日で1,000RTで通知でほぼスマホがマナーモードのバイブが止まらず、出先でバッテリーがご臨終。慌ててモバイルバッテリー繋いだら道連れでご臨終-_-;。南ー無ー -人-。

リプライもいただきましたが、とても反応できる状況ではありませんでしたが、リプライに別の人がリプライしたりさらにRTしたりで、怒涛のような拡散ぶりです。リプライ返しする代わりに感想として、キモは首相が自治体の首長に辞任要求の電話という異常事態を、何の疑問も抱かずに報道するメディアの堕落ぶりを炙り出した点にありまして、その辺を読み取ったリプライもありましたが、日経の飛ばし記事だの電話だけで圧力呼ばわりだのナイーブな政権擁護論もありで、眺めるだけなら楽しめますが、日本の言論空間の異常さが見えて眩暈がします。政治対立で銃弾が飛ぶイギリスと比べるとメディアの緊張感もないし。

で、舛添都知事がいかなる法令に違反しているか、法的瑕疵があるかといえば、何もない。政治資金規正法で政治資金の使途に縛りはないわけですが、これが家族旅行での散財ではなく有権者への饗応であれば、買収にあたるとして公職選挙法で厳しい罰則が定められています。しかもこれ都知事になる前の参院議員時代の話です。都知事としての贅沢出張も石原知事時代にはあからさまな観光旅行まで都財政につけまわされてましたがお咎めなしで、都知事の公費基準がユルユルになったから、舛添知事はその基準に従っただけです。

公用車の私的利用や週末の他県の別荘滞在も、都職員や都議で知らない者はいなかったのに、文春が記事にしたとたんに手のひら返しをしたわけですし、もっと問題なのは都議会で集中審議までして文春の報道内容以上の新事実は何も出なかったってことです。こいつら月60万もの政務調査費を受け取ってるんだが。そして東京都以外の府県だと地元紙が日常的に首長や地方議会の動向を記事にしますし、全国紙の地方版でも取り上げられますが、東京都に関しては、特に都議会で何が起きているかはほとんど報道されません。報道で監視されていなければ政治は堕落するってことです。その意味では都政は国政を先取りしているところがあります。

で、都議会に関しては民進党や共産党などの野党陣営が特に何してたんだとのそしりを免れません。今回の結果的に舛添知事を追い込んだだけですが、よく考えてほしいのは、舛添知事は曲がりなりにも毎日登庁して様々な案件処理をしていたわけで、その結果オリンピック競技施設建設の見直しや新銀行東京の民間売却などの難題をこなしているわけで、自陣に取り込んでうまく働いてもらう方が良かったんじゃないかということです。

それどころかそのオリンピックの東京招致の贈収賄疑惑がとり沙汰される中、当然都知事への聴取もいずれ行われるわけですから、舛添おろしをした結果、誰が都知事になるかで、真相へ切り込めるかどうかが問われている事態で、特にオリンピックに反対していた共産党にとっては、舛添知事を味方につけられるかどうかは重要課題だった筈。目先のきれいごとに流されるとは情けない。これで世論の盛り上がりで言い出せなかったとか言うんなら、世論の沸騰で日米開戦回避を言い出せなかった近衛文麿と同じだぜっての。

で、これから問題になりそうなのが築地市場の豊洲移転問題です。11月移転は決まったものの、計画のずさんさでボロボロ。

11月移転に過半数が反対! 築地市場にうずまく不安 〈週刊朝日〉|dot.ドット 朝日新聞出版
舛添問題の裏で無責任すぎる都の対応…総事業費5800億円に膨れ上がっていた築地市場の豊洲移転がヤバい - Ameba News [アメーバニュース]
これいろいろとヤバい内容てんこ盛りなんですが、移転まで半年を切った現時点でさえ、新市場の中卸店舗の賃料すら明示されず、仲卸も移転準備のやりようがないとか。で、移転に関わる説明会が紛糾して座礁しているのですが、メディアではほとんど報道されてません。結局仲卸が抜けた巨大ハコモノは最初から廃墟になりそう。築地市場の移転で跡地再開発を狙う中央区は焦りまくり、また市場移転が遅れれば環状2号線(マッカーサー道路)の湾岸延伸も着手できずオリンピックに間に合わなくなるということで、一皮むけば五輪利権丸見え。そういえば話題の電通本社は環状2号の汐留、汐先橋交差点で何だか因縁めいています。

環状2号線はオリンピックで燃料電池連接バスでBRTシステムを導入し、観客輸送をする計画や将来は都心から有明までの地下鉄建設構想を中央区が発表し、国交省の交通政策審議会鉄道部会2016で一応取り上げられ、国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークとして次の8路線が取り上げられました。

<1>都心直結線の新設(押上~新東京~泉岳寺)
<2>JR羽田空港アクセス線の新設と、京葉線・りんかい線相互直通運転(田町・大井町・東京テレポート~東京貨物ターミナル~羽田空港、新木場)
<3>蒲蒲線の新設(矢口渡~蒲田~京急蒲田~大鳥居)
<4>京急空港線羽田空港国内線ターミナル駅引上線の新設
<5>つくぱエクスプレスの延伸(秋葉原~東京〔新東京〕)
<6>臨海地下鉄の新設と、つくぱエクスプレス延伸の一体整備(臨海部~銀座~東京)
<7>有楽町線の延伸(豊洲~住吉)
<8>品川地下鉄構想の新設(白金高輪~品川)

答申の内容としては事業性に疑義を呈するものが多く、盛り上がっているのは自治体ばかりで事業者は慎重ということで、臨海地下鉄に関してはつくばエクスプレス延伸の一体整備という合わせ技としたのは審議委員のサービス精神だろうと思いますが、それぐらい具体性を欠いた計画というわけです。いずれにしても目標年度は2030年でオリンピックには間に合わないんですが、今なら無理が通りそうという甘い見通しもあるのでしょう。好調を伝えられるつくばエクスプレスでさえも、2㎞程の延伸ができないほど債務の重圧に苦しんでいる事実を見ていないのですね。

そのほか地域の発展のためのネットワークの拡充として既存路線の郊外延伸が取り上げられてますが、その中には豊洲―住吉間の延伸部にあたる押上―野田市間も取り上げられており、こちらは8号北上線の押上―亀有間をさらに八潮経由で野田市まで延伸するという、ほとんど鉄ちゃんの妄想レベルです。2020年代には首都圏も人口の移転超過が終わり減少に転ずるというのに、今借金してまでやるべきことか。冷静に考えれば子供でも分かりますね。その前に野田線、あ、アーパー線か^_^;、に急行走らせろっての。そのための設備投資計画を支援する方が先でしょう。

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Sunday, June 12, 2016

ポンド飛び出し円の切れ目

サミットも終わり「新しい判断」とやらで世界経済リスクを理由に消費税増税延期が決まった日本ですが、世界から見ればヤバいのは日本だったりします。こんなニュースが案外重要です。

三菱UFJ銀、国債離れ 入札の特別資格返上へ  :日本経済新聞
プライマリー・ディーラーを降りることを検討中ということですが、新発国債を引き受ける義務と引き換えに当局に意見が言える権利で、大手銀行以外にも証券・生保などがメンバーで、市場環境を睨みながら国債の安定消化を支えてきた仕組みですが、メガバンクの一角の三菱東京UFJ銀行が離脱するということですから、穏やかではありません。

今のところ他のメガバンクや証券・生保などは様子見で追随の動きはありませんが、最大手の三菱東京UFJ銀が動いたわけですし、そうなるのも無理もない現実があります。言うまでもなく日銀が導入したマイナス金利政策の影響です。日銀の説明ではあくまでも新規受け入れ分だけに限定したマイナス金利適用で影響は軽微としてきたわけですが、実際は家計消費の低迷と企業の内部留保拡大で預金が増えている状況で、日銀の大量買い付けで利回りがマイナスになった国債を買うか、日銀に預けてマイナス金利を甘受するかという究極の選択となっているわけで、こんなことやってられないわけです。

加えて消費税増税延期で格付けを下げられた日本国債の大量保有は、国際銀行規制でリスク負担を求められ、資本の積み増しを求められることになります。また当然日本国債の担保価値も低下しますから、海外展開で必要な外貨調達でジャパンプレミアムとでも呼ぶべき上乗せ金利を要求されることになり、海外事業の利ザヤまで圧迫されるわけですから、遅かれ早かれこう動かざるを得ない状況にあったといえます。さてそうなると銀行が引き受けた新発国債を日銀が高値で買い取ることでベースマネーを増やす政策が入口のところで経路が切れるわけですから、日銀の異次元緩和(QQE)への影響は避けられません。実際日銀審議委員の中曾副総裁からこんな発言が。

BOJ点描 中曽副総裁「国債市場の機能維持が重要」 国債離れに危機感も  :日本経済新聞
銀行の反乱がどう決着するかはわかりませんが、日銀の強面は続かないということは言えそうです。そんな日銀が期待していた米FRBの利上げは、米雇用統計の発表で予想外の弱さが明らかになり、イエレン議長のこんな発言につながります。
FRB議長、米利上げ時期特定せず 雇用悪化に「失望」  :日本経済新聞
景気は上向いているはずなのに雇用は増えない。正確には予想を下回る増え方しかしないということですが、これが結果的にドル高回避につながり、あえて動かなくても米利上げで緩和効果を期待していた日銀の読みが外れたわけです。それでも追加緩和に動けないのは、メガバンクの反乱だけでなく、イギリスのEU離脱問題という頭の痛い問題が立ちはだかっており、今は動きにくい局面です。所謂BREXIT問題ですが、当のイギリスでは国内対立が大きくなっています。
疲弊する英国の地方都市、EU離脱論が噴出  :日本経済新聞
まるでTPPを巡る中央と地方の対立に酷似します。グローバル化と称する経済連携のメリットは中央の大企業や金融機関が受ける一方、EU由来の規制は地方が負担していて、何も良いことがないという状況です。TPP交渉で大幅譲歩した日本の農林水産業の未来図が垣間見えます。BREXITは対岸の火事ではありません。巷間言われる経済停滞も、影響を被るのはシティの金融機関だけだとすると、イギリス全体ではマイナスかどうかは微妙です。むしろEU離脱を心配するのは独仏など直接利害のある国に留まらず、EU域内の拠点としてイギリスに現地法人を置くアメリカや日本の企業にとっては悩ましいところ。実際はスイスやノルウェーのようにEUとの個別協定が結ばれるはずですから、その内容次第では影響は限られますし、移行期間の特例もあるはずですが、結局中身が決まるまでイギリスへの新規投資は手控えられることにはなります。これがリーマン級の経済ショックをもたらすかといえば、出口があるだけに一時的停滞はあっても答えはNoでしょう。

むしろEUが恐れているのは、厳しい加盟条件を突きつけられている東欧諸国の不満が噴出することでしょう。ギリシャ問題で南欧諸国への対応の甘さを見せているだけに、イギリスの残留のためにEUがさらに譲歩するようなことはできにくいわけです。加えてイギリス同様に各国内に離脱を訴える愛国右派を抱えていますから尚更です。結局EUは動けずどちらに転んでも混乱は避けられない。とすると案外震源地のイギリスが一番安定するという変なことも起こりそうです。ただ日銀にとっては金融の混乱はリスクオフ要因で円高となりますから、祈るような思いで見ていることでしょう(苦笑)。

てなわけで日本に戻りますが、消費税増税延期と経済対策としても財政出動を打ち出した安倍政権ですが、日銀が追加緩和に動きにくい状況での財政出動ですから、財政健全化は後退を余儀なくされるわけで、これリカードの等価性定理そのままに、財政悪化は将来の増税を連想させて消費を冷やしますから、結局消費は回復せずむしろ家計は貯蓄に励みますが、三菱東京UFJ銀の反乱で、預金の増加分を国債で吸収する回路が細くなるわけで、いよいよアベノミクスが構造的に動かなくなる局面ということですね。それでも財政出動で経済を争点に選挙で勝つシナリオを描いているんですからおめでたい。例えばリニア。

リニアに3兆円支援 鉄道網整備へ政府マネー拡大  :日本経済新聞
これ2027年予定の名古屋開業後8年のインターバルを置いて大阪延伸を着工するところを8年前倒しだけですから、最速2037年の大阪延伸という話であって、目先の経済に直接プラスになる話じゃないです。むしろ財投債という政府保証債を用い、これ事実上の国債で民間資金より低利で調達できるってだけの話です。むしろこれを突破口として整備新幹線の財源に同じ手法を用い、前倒し着工することが狙いでしょう。現状既に整備区間の開業で発生するリース料まで財源に充ててまだ足りず、着工区間の開業後のリース料を担保に民間から借り入れて手当てしている状況を政府保証債に切り替えて安定財源にしようということです。例えばJR北海道の経営不振で札幌延伸が間に合わない可能性があるわけで、これで首の皮1枚ということでしょうけど、その前にJR北海道助けてやれよ。そもそも青森県の惨状を見れば、新幹線は開業しても観光地へアクセスする二次交通が枯渇していては無意味です。地方を救うのはむしろこちらかも。
ウーバー、京都で始動 地方創生をネット企業が支援  :日本経済新聞
ウーバーに代表されるライドシェア問題は、過去に放置国家の呆の支配ギグ老いるショックなどのエントリーで指摘してきましたが、記事は京都府京丹後市久美浜町でNPO法人がウーバーの相乗り配車アプリを活用して地域の足を確保するということで特区構想に名乗りを上げたものですが、結果的には道路運送法第78条、第79条で定義される自家用自動車の有償運行として認可を受ける形で実現しました。京丹後市といえば北近畿タンゴ鉄道の経営不振から入札によりウィラーの支援で京丹後鉄道として再出発したところですが、鉄道は残ってもタクシー会社すら撤退して二次交通壊滅状態だったわけで、78条運行は一応理に適ってます。

ウーバーとしてはこれを突破口に都市部への進出を狙っているようですが、むしろ世界中のユーザーが直接配車アプリを使うことで、どれだけ域外の観光客を呼び込めるかが注目点でしょう。それ次第で公共交通の衰退で観光客すら呼べない地方の起爆剤になる要素はあります。ただし日本では結局地方のタクシー会社との提携などの形に落ち着くんじゃないかと思います。というのは、京丹後市でも問題になりましたが、自家用車が任意保険に入っているかなどの問題で規制をせざるを得ない状況がありますので、それならば地方の法人タクシーがリスクテイクする形の方が法的にもすっきりします。世界的なネット企業といえども日本の法の支配は尊重すべきことは言うまでもありません。

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Sunday, May 08, 2016

壊れかけの Nation

鼻グジュグジュ状態で書いたエントリーをなぞる安倍首相。

財政出動 協調に壁 首相欧州歴訪終了、独英と温度差  :日本経済新聞
ホントわかりやすいけど、独英首相にクギを刺された格好です。ロシアのプーチン大統領との会談も成果は出ず、結局何しに行ったの?プーチン大統領は安倍首相訪ロの4日前に北方四島を含む極東振興のための土地「分与法」の署名し、返す気さらさらないところを見せております。日本のメディアはガン無視ですが。それでもプーチン大統領が安倍首相に会うのは金づるだから?

まだ震災も収束の気配はないし、保育園の待機児童問題も解決の道筋が見えない中での外遊で成果なし。内緒ですが伊勢志摩サミット開催が決まって伊勢志摩地区のホテルが閑古鳥とか。早々観光客が自粛したそうな。テロ警戒で警備も大変だし、サミットで手を上げるところなくなるかも。

待機児童問題が解決しないのは、構造問題があり、解決は困難です。具体的に言えば、待機児童問題が表面化しているのは専ら都市部であって、農村部などでは見られないですが、理由は単純で、都市部に雇用が偏っており、それだけ女性の労働力率が高くなるわけで、都市部に需要が集まるわけです。加えて重要なのが、保育士は今でこそ男性もいますが、女性が多く、故に本人の妊娠・出産を機に退職となります。保育士の低待遇が問題視されてますが、表向き退職理由のトップは妊娠・出産です。そしてそれゆえ賃金が上がらず、また育児後の復職も難しくなるわけです。所謂キャリアの中断が避けられず、それを口実とした低賃金ということですね。単純に賃金上げて解決とはならないわけです。日本の性差別の根は深いです。同時に少子化対策が労働力不足と競合するという点は既に指摘しています。この政権は安保や改憲には熱心でも、国民が直面する問題の解決には興味なしです。

ニュースクリップを続けます。

トランプ氏、共和党候補指名確実に クルーズ氏撤退  :日本経済新聞
トランプ氏に関しては様々な論評がありますが、共和党の保守本流の崩壊と見るべきでしょう。常識的にはこれで民主党クリントン候補が大統領となる可能性が高くなったということは言えますが、エスタブリッシュに近いクリントン氏が若者に人気がないということで、若者のリベラル票はサンダース氏に流れており、格差拡大による不満がサンダース氏を善戦に導いた一方保守の共和党系ではトランプ氏がその役割を担っており、しかも他の有力候補をことごとく駆逐してしまったということですね。実はトランプ氏は差別的、排外的発言ばかりが取り上げられますが、富裕層への累進課税などリベラレル的な主張もしており、特に失業率の高い白人男性の若者層の支持を集めており、むしろ茶会党系のクルーズ氏の方がタカ派的だったり市場原理主義的だったりします。アメリカの保守派が示す処方箋に国民が懐疑的になりつつある一方、だからといってリベラルへは行けないで取り残された国民が多数いるということです。アメリカが壊れかけている?

実はイギリスのEU離脱問題も同様の火種があります。キャメロン首相自身は残留派といわれますが、党内や支持者からの突き上げでガス抜きを迫られての国民投票なんですが、パリやブリュッセルのテロ事件もあり、離脱派が勢いを増している状況です。保守派の分裂が意味するところは、先行きに対する国民の不安の反映と捉えると、実は深刻なのかもしれません。EU離脱論はイギリスに留まらず、最も恩恵を受けていると見られるドイツですら反EUの政治勢力が伸びています。グローバル化が行きつくところ、主権国家が主権を制限される局面が増えていることに対する不満と不安が背景にありそうです。ある意味改憲派が牛耳る日本の現政権もそんな流れの中に位置づけられるのかもしれません。「9条を守れ」しか言わない日本のリベラル陣営は本当に事態を理解していない。多分主権国家が資本主義と共に解体過程に入ったかも。壊れかけの Nation がキーワードかも。

もうちょい身近な話題。

バスと車衝突、母子死傷 福島・常磐道  :日本経済新聞
またしてもバス事故ですが、場所が問題です。福島第一原発事故で放射線空間染料が高く、全域が避難区域に指定されているエリアに開通させた高速道路で事故です。最悪なのは元々一般道と区分されたクローズドサーキットで、しかも2車線対面通行ですから、事故当時者に留まらず、足止めされた車も多数あるわけです。線量の高いエリアで長時間の足止めで、車内に留まって復旧を待つしかないわけです。車外へ出るよりはマシとはいえ、放射性核種を遮断するほど高性能なフィルターは車に備わっていないことは指摘しておきます。こういう事態を想定できていれば、常磐道の開通を急ぐ意味はあったのかどうか。自衛策としては近づかないことしかありません。事故は乗用車が反対車線に突っ込んだもので、バス側の原因ではないのはせめてもですが、該当の桜交通のバスは池袋発相馬行きの便ということで、運転手含め41名乗車ということですから、GW中でほぼ満席だったわけですね。高速バスにとっては稼ぎ時であるとともに、渋滞や不慣れなドライバーによるもらい事故のリスクもあり、厳しい現実を見せつけます。

そんな高速バス界隈の話題としては先月開業したバスタ新宿でしょう。新宿駅周辺19か所に分散していた高速バス乗り場が集約されたことで、乗客の利便性は高まりましたし、何よりバスの客扱いによる西口広場を中心とする道路渋滞とR20甲州街道のJR陸橋上の客待ちタクシーの車列の解消による効果もあり、渋滞解消には一定の効果が認められます。ま、上り車線中央のバスタ新宿右折路に迷い込んで進入路信号で強引に直進する困った一般車がちらほら。事故が心配です。

実はバスタ新宿の建設には道路予算が使われているのですが、R20甲州街道の国道整備事業という名目で渋滞解消は事業の目的になっております。それゆえJR・京王などの既存バス事業者に留まらず,WILLERなどの新免事業者まで収容する巨大バスターミナルが実現したわけです。バスターミナルと言えばバス事業者単独あるいは複数事業者の合弁事業が多かったのて、バスタ新宿はその意味で新しい整備手法ではあります。またJR新南口と一体で交通結節機能を重視している点も事業目的にうたわれております。ただこの点は課題もあります。

JRからなら新南口新南改札を出れば、2F-4F直通エスカレーターが目の前で、昇るとロビー入口というアクセスの良さですが、JR以外からは意外とアクセスしにくい位置関係にあります。特に小田急と京王からは悩ましいところ。小田急の場合は南口改札を出れば甲州街道を挟んで向かいの位置関係ながら、陸橋上に1箇所しかない横断歩道を渡るしかありません。サザンテラスへ渡るミロード橋も選択肢にはなりますが、結局階段でサザンテラスへ降りるしかありません。そしてシースルーのエスカレーターで3Fタクシーフロアへ出て折り返し、4Fへのエスカレーターへ乗り継ぐのですが、ロビーから遠いCエリアとDエリアの角に出て、狭い通路を辿ってロビーを目指すことになります。むしろJR連絡改札から中央東改札を出て地上へ上り、R20陸橋下からアクセスする方が楽かもしれません。

京王の場合は新線新宿出口2からR20陸橋上へ出るのが早いけれどわかりにくいですね。特に安田生命第二ビルにあった旧新宿高速バスターミナルと比べると、遠くなったことは間違いありません。で、ややこしいのは京王系の高速バスは到着便は旧ターミナルにほど近い26番ポールを使っていて、多客期の増発便では出発便もあるということで、案内上混乱が予想されます。そんな中リムジンバスは京王百貨店前(成田便)と安田生命第二ビル前(羽田便)のバス停を維持しており、空港アクセスバスという特殊性はあるものの、クレバーな対応です。

地下鉄の場合は新宿三丁目の方が物理的に近いのですが、案内上はタカシマヤを目指してということになりますから、慣れないと使いにくいかも。ま、不慣れな人の裏技はタクシー拾って「バスタ新宿」が吉。特に荷物のある時は有力な選択肢です。

乗客案内では予約分を含む発券の分かりにくさは指摘できます。ロビーの発券カウンターはハイウエイバス・ドットコム(京王系)、高速バスネット(JR系)、発車オーライネット(独立系)で窓口が分かれており、不慣れな人を迷わせます。さらにアクアライン系統など近距離路線は自由席で直接乗り場へと案内され乗車券発券はなし。ICカード利用可否も路線や事業者ごとにバラバラ。新免含む一部事業者では乗り場でチェックインでやはりロビーでの発券はなし。この辺は不慣れな人ほど迷うところですが、こういった縦割り体質はバス業界の業なのでしょうか。

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Sunday, March 27, 2016

開花、花冷え、花粉症

お彼岸と共に桜の開花の報せと思えば、花冷えで冬の寒さ。昨日王子に出かけて、飛鳥山の桜も咲いていたものの、あの寒さで花見客は果たして居るのかどうか。花見も命がけです。寒さにもかかわらず花粉は飛びまくりですが、私は今まで悩まされたことがなく幸運でしたが、ここへきて鼻水とくしゃみが止まらず、すわ花粉症デビューなのかただの風邪かもわからず紋々としております。

てなことはさておき、課題を抱えて北海道新幹線が開業しました。今までの新幹線と違って、貨物との併用区間があり、最高速140km/hに制限されていて、最速4時間2分で4時間の壁を越えられず、集客に苦労しています。1番列車こそ完売だったとはいえ、予約状況は乗車率25%程度で当面赤字は避けられない状況で、在来線すべてが赤字で今でも毎年400億円の赤字を出し続けるJR北海道にとっては重荷です。この辺は以前から警告してたんですけどね。

北海道では新幹線の開業を歓迎する声がある一方、ジャガイモや玉ねぎなどの農産品輸送で生命線となる青函トンネルの貨物列車にしわ寄せを心配する声もあります。それ以上に在来線の縮小均衡が道民にとっては関心事でしょう。以前から申し上げてますが、JRにローカル輸送からの撤退を認める代わりに、地元自治体やバス事業者による肩代わりを促す意味でオープンアクセス制を導入すべきではないかと思います。バス事業者自身が乗務員の確保に苦慮する状況で、鉄道を軸にバスでフィーダー輸送を担う形で路線網を再編できれば、地域の利便性を高められる可能性があります。こういうことが新幹線以上に重要ではないでしょうか。

そんな中でこんなニュースが日経の1面トップに。

首相、サミット前に経済対策 財政出動で国際協調  :日本経済新聞
巷では消費税増税延期に絡めて衆参同時選挙という漢族もありますが、今回はちょっと違います。というのは、前回の法改正で景気条項が削除されており、再延期のためには先に法改正をする必要がありますから、夏の衆参同時選挙後ではタイムスケジュールがタイトになるわけですし、また前回は野党の中に消費税に対するスタンスの違いがあって、分断に使えたけれど、今回は野党共闘の動きの中で、消費税延期でまとまる可能性が高いということもあります。

てなわけで、消費税延期のためのマジックワードが「国際協調」。5月の伊勢志摩サミットを睨んでその前に補正予算を組んで財政出動で国際協調をアピールし、流れを作ろうということです。補正の内容自体は相変わらずのプレミアム商品券や老朽インフラの補修などで代り映えなし。これも繰り返してますが、人口減少下の固定資本投資は将来の負担増を招くので慎重にすべきです。

で、サミットの結果如何で「国際協調」のために消費税延期を打ち出すというシナリオです。どこまでも誤魔化しだらけのレトリックですが、メディアが突っ込まないからこういうことが言えるわけです。でも実際の世界の日本を見る目は別のところにあります。イエレンFRB議長のこの証言に注目です。

米、追加利上げ見送り 「年内は2回どまり」示唆  :日本経済新聞
、「海外経済にはリスクが残っていると指摘。そのうえで「中国の減速に驚きはないが、日本が15年10~12月期にマイナス成長に陥ったのはやや驚いた」と述べたんです。利上げに動く米FRBにとっては、海外リスクは中国よりも日本なんですよね。中国の減速は構造改革を公言して実行している結果なので、予想できるけれど、マイナス金利にまで踏み込んだ日本の景気が減速していることの方が驚きなんですね。またグローバルなマネーの流れにも変化が見られます。
ドル安加速、マネーの流れ急変 日本株に売り圧力  :日本経済新聞
やや錯綜してますが、追加利下げが遠のいたことでドル安となり連動して原油価格が上昇したわけです。盛んに言われた米利上げで金利差からドル高円安になるというシナリオは実現せず、逆の流れになっています。

結果的に利上げによるドル高で苦しめられてきた米製造業に追い風となる一方、円やユーロは反転上昇しており、マイナス金利にまで踏み込んで成果が出ないどころか、むしろ各国間の金利下げ緩和競争の結果、ゼロサムゲームになって無効化していると見るべきでしょう。尚、原油安の反転もドル安の連動で、結果的に採算の苦しくなったシェール関連が息を吹き返しますから、値上がりトレンドにはなりません。日本から見れば円高が原油高を相殺しますから、国民生活への波及は軽微ですが、円安で最高益更新を続けた日本のグローバル企業は利益の下方修正を余儀なくされます。元々円安誘導の意図があった異次元緩和ですが、2月のG20では懸念が共有されてます。

G20での「外圧」にいら立つ日銀  :日本経済新聞
これは議長国の中国の意向を踏まえたもので、日本へのけん制の意図はありますが、他の参加国も懸念を共有したことが日本にとっては想定外だったかもしれませんが、世界からはそう見られているということです。イングランド銀行のカーニー総裁の「マイナス金利を各国が導入すれば、効果が相殺されてゼロサムゲームになる」との発言にマイナス金利に対する世界の見方が集約されてます。あえて日本に釘を刺した形です。

それどころか世界では今回の円高で日本政府が為替介入に踏み込むんじゃないかという疑心暗鬼すらありました。流石にドル高に苦しんでいるアメリカ政府が容認するはずもなく、政府サイドは打つ手なしなんですが、政府、日銀の別動隊と言えるGPIF、共済年金、ゆうちょ銀行、かんぽ生命などが外債や外国株式への投資を増やしており、結果的に円高になると正体不明のドル買いが日本から入る状況を覆面介入と見做されていたりで、世界の懸念は根拠がないわけではありません。

あと財政出動が国際貢献になるというぶっ飛んだ理屈ですが、欧米で財政再建のための緊縮財政に国民が嫌気を見せている点を捉えてのアピールだと思いますが、とんだ勘違いです。EU憲章で加盟国は財政健全化の義務を負いますが、ドイツ以外の特に南欧地域の各国では緊縮財政に対する反発から極端なf右派政党が台頭したり、アメリカでも財政法で財政赤字の上限が決められていて、オバマケアをはじめとする社会保障の充実で出費がかさむ中で、共和党が多数派の議会が度々上限額の改正法成立を否決したりした所謂フィスカルクリフ問題に直面しています。

アメリカではとりあえず国防費の削減では一致しておりますが、社会保障に関しては共和党を中心に反対論が根強く、また共和党自身も茶会党やトランプ氏のような極端な主張が国民に喝采される状況で、むしろ財政出動を主張するのはリベラル派の方ですが、これとてオバマケアの政策評価をはじめ不満が募り、結果大胆な再分配を主張するサンダース候補の人気につながっています。民主党の方は最終的にはクリントン候補で一本化されるでしょうけど、予備選の論戦を通じてクリントン候補も主張を修正させられており、国際社会の財政出動の機運を最も喜ぶのはアメリカのリベラル派と考えて良いでしょう。

ですからアメリカのリベラル派の論客であるスティグリッツ氏やクルーグマン氏が安倍政権に対して財政出動をレクチャーしても、それは彼らの立場から当然の話で、歳出が歳入を大幅に上回る赤字予算を20年以上続けて財政を悪化させている日本の現状に対する対策にはなりえないことは注意が必要です。スティグリッツ氏はTPP反対まで踏み込んでますが、例によって日本のメディアはだんまりですが。

5月に発表される1-3月期のGDP速報値はマイナスの予想が優勢ですが、さすがに政府もこれはやばいと感じ始めたのでしょう。ま、後の祭りですが。金融緩和に過度に依存してまともな経済政策を何も行っていないんですから当然の結果ですが、いよいよ誤魔化しきれなくなってきたわけです。テクニカルな話が続きますが、昨年7-9月のGDPが速報値でマイナス0.8%から改定値でプラス1.0%に大幅に上振れした件も、政府発表では在庫の速報値に集計ミスがあったとされてますが、未確認情報で16年度末までに実施とされる研究開発費をコストから付加価値へ付け替える操作をしたのではないかと言われております。裏はとれておりませんが、金額にして20兆円に及ぶ費用の付け替えで4%相当の押し上げ効果がありますから、大幅上方修正の理由としてはあり得ます。とすれば消費税が8%になった2015年4-6月以来、マイナス成長がトレンドとして続いていることになり、むしろ肌感覚の実体経済に合致します。

そして2016年1-3月期には微妙な上振れ要因があります。四半期GDP成長率は前期比を4倍して年率換算されますが、厳密には1-3月は90日、4-6月は91日、7-9月と10-12月は92日と日数が異なりますから、補正しているけです。これを季節補正と言います。しかし今年はうるう年で1-3月が91日と1日多いんですが、うるう年関連の補正は行われません。たった1日と侮るなかれ、こんなニュースがあります。

スーパー・コンビニとも増収 2月、うるう年や総菜好調で  :日本経済新聞
うるう年の1-3月期GDPjは上振れして当然なんですが、マイナス予想とマイナス成長トレンドは続いているわけです。で、慌てて補正予算で財政出動となりますが、アベノミクスは順当としてきたこれまでの政府発表と整合性が取れないので、世界経済の停滞リスクを強調して国際協調というわけですね。G7で参加国の足並みをそろえられるかは微妙ですが。

てなわけで、開花しても花冷えでしかも花粉飛びまくりの春のような日本経済の現状です。

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