バス

Sunday, April 01, 2018

Noと言えるお役人の働き方改革

通信トラブルで更新が滞っております。このエントリーもスマホの小さな画面でフリップ入力ってことでメンドクサ。

しかしアベノミグルシイが続いたお陰でPVは下がらすに草生えます。てなわけで続きですwww。

佐川前理財局長の国会証人喚問が茶番で終わりましたが、これで解決ではないですね。森友問題を離れても、公文書改ざんは悪質な犯罪です。偽札事件に喩えられますが、小切手の金額書換えや手形の裏書き消去なども近いかも。何れも重大犯罪です。

実際佐川氏は訴追の恐れを理由に証言拒否してる訳で、法令違反の自覚があったという意味で犯罪の構成要件を満たします。謂わば白状したも同然です。

判っていてそこまでやる?って話なんですが、理財局の独自判断があり得ないのは自明です。政治家の関与無しにはあり得ません。

具体的な指示の有無は問題ではないんで、そうしなければ前川前文科次官のように退官させられたりするとすれば、意に沿った対応をせざるを得ない訳です。どこぞのブラック企業ではありふれた話ですね。

しかしその結果犯罪者にされてしまう悲しいお役人のあり方こそが問題ですね。頭痛いのは公務員は労働三権が制限されていることで、実質的に逆らえないことです。

これ公僕だからって理由のようですが、公僕なのは国会議員や裁判官などの特別公務員も同じどころか、より大きな責任を負うべきなのに、知人への利益誘導を平気でやる訳です。その結果の尻拭いまでやらされるお役人は本当に気の毒です。

なるほど、そんな政府の考える働き方改革がろくなもんじゃないのはある意味自明です。てなわけで、法令違反の恐れのある仕事はたとえ冷遇されても断るのが正解です。

思えば『チャレンジ」と称して粉飾させたり「歩留まり上げろ」と現場に指示してデータ改ざんさせた企業あれこれも同様の構図です。

台車枠の亀裂問題でも台車の設計が軸バネ座などの部材取付にあたって平面を出す為に削らなきゃならない仕様だったり検査で見落とされたり異音を確認しながらが指令が止めなかったりもありました。不祥事は官民問わず似ています。

岡山の両備Gのバス廃止問題も、前中国運輸局長時代には八晃運輸の申請を認可しない方針だったものが、人事異動で赴任した新任局長が聴取もせずに認可した訳で、地域住民にとっては預り知らぬ中央官庁人事で事態が動いた訳で、地域公共交通活性化再生法以前の問題です。裏でどんな政治力学が働いたのやら。

てなわけでアベノミグルシイはまだまだ続くか?

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Sunday, March 04, 2018

トランプ円上昇法^h^h炎上商法とアベノミグルシイ

見苦しいタイトルで失礼いたします^_^;。その前に前エントリーで取り上げた岡山の後日談。

バス、収益路線参入に抗議 両備「赤字路線維持できぬ」  :日本経済新聞
八晃運輸、「健全な競争」強調 バス路線参入で説明文  :日本経済新聞
八晃運輸の認可前に両備Gが呼び掛けて実現しなかった地域公共交通協議会が開催されることになりましたが、あくまでも両備Gの路線廃止だけが課題で八晃運輸は呼ばれておりません。つまりぶっちゃけ認可しちゃった八晃運輸抜きで両備Gの路線廃止対策つまり自治体が路線維持に幾ら出すかってフレームです。行政の不作為の結果、望ましくない形になった訳です。

これ前エントリーでも触れましたが、需給調整規制の撤廃は良いんですが、許認可権限を国が握ったまま故の矛盾ですね。確かに事業者同士不仲が言われ、行政が及び腰なのでしょうけど、許認可権限が県若しくは複数県の広域連合に移譲されていれば、許認可権限を梃子に事前調整できた可能性はあります。もちろんダークサイドに流れれば国会議員より口利きが容易な地方議員の不適切な関与を呼び込む可能性は否定できませんが、逆に地域の問題で地方議員がどう動いたかは見えやすいわけで、住民チェックは働きやすくなります。地方創生よりも地方分権ってこういうことなんですね。

国レベルでは裁量労働制が厚労省データの捏造がバレて頓挫。しかしマル生エントリーで指摘したように真の狙いは残業代カットであり3段階の仕掛けがされているわけです。これ第一次安倍内閣で打ち出して引っ込めたホワイトカラーエグゼンプションの焼き直しで、その分巧妙に仕掛けられたレトリックになっているわけです。

つまり長時間労働規制の導入に見せかけて、それを骨抜きにする仕組みて、高度プロフェッショナル制度は見せ球で撥ねられても、裁量労働制の拡大が実現すれば良しという見通しだったんじゃないかと。ところが落し処と見ていた裁量労働制が否定されて財界からは「残念」の声が上がりながら高プロは引っ込めないってますます無理筋になってます。高プロ制度も業種が限定されていて年収1,075万円以上で本人の承諾が必要とされてますが、業種も年収要件も省令で定めることになってますから、通してしまえばいくらでも書き換えられますし、本人承諾も就業規則の片隅にこっそり書き込んで入社時に就業規則遵守の誓約書に署名させれば承諾したことになるとかって逃げ道があります。働き方改革関連法丸ごとの撤回しかあり得ません。

新幹線初の重大インシデントとされた台車枠の亀裂問題でも進展がありました。

のぞみ台車製造に川重の不備 140台超、薄く削る  :日本経済新聞
川崎重工業の製造現場のミスが明らかになった訳ですが、削り過ぎた140台超の台車の中には溶接段階で生じた亀裂が成長したと見られるものもあり、JR西日本の検査で発見できなかった訳で、検査体制にも問題がありそうです。

加えて設計の瑕疵の指摘もあります。問題の台車枠は鋼板をプレスで曲げてコの字型にして最中状に溶接して箱型にしたもので、荷重を支える軸バネ座を二番溶接する底面に丁度側構の最中溶接の合わせ目があるわけで、平面を取るために削る必要がある設計仕様です。尤もこれは現在標準的な工法であって、これ自体が危険と言えるかは微妙ですが、事実としてJR東日本の新幹線車両では用いられていませんし、JR東海/西日本のN700Aでも平面の底面板にコの字型プレス鋼板を被せる形のものに変更されてます。設計段階で瑕疵が認識されていた可能性は否定できません。

リニア談合でも大きな動きがありました。

リニア談合、鹿島幹部と大成元幹部逮捕 東京地検  :日本経済新聞
これまでの捜査でJR東海の提示価格が厳しすぎるので、仕事を分け合うために談合したというストーリーですが、大成と鹿島は談合を認めておらず、結果キーマンの身柄拘束という荒業となりました。

しかし談合の挙証は難しく、実際大成、鹿島両社は難工事の技術的な意見交換として談合の意識はなかったと思います。逆に大林組は「品川を譲るから名古屋から手を引いてほしい」と自覚的に動いたから談合の意識があったのでしょう。この辺が談合事件の難しさなんですが、かつての官製談合と違うのは、発注者のJR東海はコストを切り詰める方向で動いており、談合の問題点とされる高値受注なのか?ってところが微妙です。例えば東京都による豊洲新市場の受注率90%超とか、談合が疑われる事例は他にもありますし、リニアでjは寧ろJR東海の優越的地位利用の方が独禁法に抵触する可能性があります。東京地検特捜部は功を焦ったかも。

そしてグローバルプリズンから抜け出せない日本にとっては災難なニュースがこれ。

鉄鋼・アルミ関税、すべての国対象と示唆 米商務長官 (写真=ロイター) :日本経済新聞
まさかここまでやるとは、というのが正直なところですが、これがトランプ流なんでしょう。狙いはあくまでも過剰生産が言われる中国の鉄鋼とアルミなんですが、第三国経由の輸入にも網をかけようってことですね。こうなると日本の鉄鋼メーカーに留まらず米国内の製造拠点を拡充している日本の自動車メーカーもとばっちりを受けます。実際この発表で世界の株価は下げました。

二国間貿易交渉を重視するトランプ政権で貿易が二国間で完結しないと認めた矛盾は置いとくとしても、これまでレーガン政権をtレースするようなトランプ政権がこれだけはある意味レーガン政権を超えた対応をしています。適温経済と言われてトランプ大統領自身が勝ち誇ったように言及していた株高が否定されたわけですから、その迷走ぶりは間違いなく大ニュースです。

以下新聞などではあまり触れられない視点からの解説になりますが、そもそも適温経済とは何だったのか?ですが、これFRBの3次に亘る量的緩和(QE)という環境下でのレーガン流双子の赤字政策として見れば腑に落ちます。つまり大規模減税と財政出動の組み合わせを経常赤字国のアメリカが採用した結果、財政赤字が拡大する一方、その穴埋めを輸入に頼らざるを得ないから経常赤字が拡大して両者がリンクする訳ですが、その結果輸入が増えて物価上昇を抑えるから低金利でも利ザヤが取れるから適温ですし、低金利且つ緩和による資金過剰で配当利回りが債券よりはマシな水準まで株価を押し上げた結果の安定だった訳です。

しかし流石に失業率が歴史的低水準にある中での財政出動は労働需給を逼迫させますから、インフレ圧力を生みます。それに加えての今回の鋼材アルミの関税による輸入制限ですから、結果的にこれも物価押し上げ要因になり、既に緩和縮小から利上げに動いているFRBも利上げ加速をせざるを得ません。つまり投資家目線からFRBのタカ派的利上げが心配されていたんですが、今回トランプ政権自ら適温経済を破壊してタカ派に与したって話です。

話はそれだけでは終わらない。アメリカがインフレ傾向を強める中、QQEでも2%のインフレ目標を達成できない日本は取り残され円高になります。既に手段が出尽くした日銀は打つ手なし。財務省による為替介入はトランプ政権に献花売るようなもので無理。見守るしかないわけです。貯蓄投資バランスが崩れて余剰資金が海外へ向かい、所得収支の黒字で経常黒字基調にある日本に打つ手があるとすれば、賃上げや社会保障の充実による個人消費拡大を通じた輸入増ぐらいですが、安倍政権がここに踏み込む気配なし。寧ろ働き方改革と称して官製ベアと引き換えに残業代カットを画策するように、名目賃金が増えても手取りは増えず、増税で可処分所得を減らそうと画策してるのが現実。

加えて適温相場の調整でボラティリティが高まっており、今後も調整が続きますから、投資家心理は悪化しリスクオフになります。これも円高要因です。最悪の財政赤字を垂れ流す日本がなぜリスクオフで円高になるかと言えば、財政赤字を経常黒字の裏にある過剰貯蓄でファイナンスしているからなんですが、加えて外国人投資家も低金利の円資金を調達して投資してますから、投資の縮小は円資金の還流となるわけで、円高へということですね。

おまけで言えば出国税や森林税などの新税導入の目的は消費税10%へアップするときの軽減税率の財源って話です。インボイス導入無しの複数税率は混乱と不正の温床になること確実ですが、見直しはなさそうです。

てなわけで結論。アベノミクス完敗。

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Monday, February 12, 2018

バスは毎日やって来る?

久々の更新ですが、若干の前フリ。

韓国大統領、安倍首相に不快感 五輪後の米韓演習要請  :日本経済新聞
幹部の粛清で既存の対話チャンネルが悉く潰された金正恩政権に対して確実な対話チャンネルを開いた文在寅大統領に対して軍事圧力強化を迫って内政干渉とたしなめられる安倍首相、みっともねー。

さて本題。そんな国際情勢とは無関係に路線バスの新規参入を巡る紛争が岡山で勃発しました。元々岡山はバス事業者が多数併存していて、紛争が絶えない印象があります。岡山空港連絡バスを巡る中鉄バス(中鉄)と岡山電気軌道(岡電)、下津井電鉄(下電)との対立や、県、市、後楽園、市民団体が絡む後楽園バスへの宇野自動車の参入を巡るモヤモヤとかですが、今回の震源地は岡山市内でタクシー事業を営み、小型循環バス「めぐりん」でバス事業に参入した八晃運輸の新路線の申請が両備グループ(両備G)の中核エリアへ伸びたことです。両備Gはこう対応しました。

両備グループ、不採算31路線で廃止届 バス主力路線の他社参入に反発  :日本経済新聞
一部メディアでは「規制緩和に反発」との見出しを打ちましたが、本質は違います。これ典型的なクリームスキミング(いいとこ取り)ですね。元々両備Gのルーツである西大寺鉄道以来のエリアであり、鉄道事業者並みにエリアに開発投資をして地域作りをしてきたエリアです。

西大寺鉄道は後楽園―西大寺間を結ぶ3ft(914㎜)特殊狭軌線の非電化鉄道でしたが、都市近郊路線であると同時に西大寺会陽(裸祭り)輸送で高収益でした。それが国鉄の新線建設で存続を否定され、しかも戦前に行われた国家買収もなく、無補償での廃業となり、以後国と係争します。この辺は井笠まさかのエントリーもご参照ください。

元々鉄道事業から発展してきた日本の交通事業は、鉄道の国家独占という前提の下で、民間の参入は国鉄の事業計画と競合しないことが求められ、事前審査でそれを確認して免許を交付するもので、且つ国が求めるときには買収に応じなければならない条件が付されてました。当時は鉄道省時代で直営の現業部門を抱えつつ許認可権限も持つ強力な官庁だったわけです。中鉄のルーツである中国鉄道も、津山線、吉備線が戦時買収の対象となった結果、本業を失いバス事業者に転換した歴史があります。それでも買収ですから対価は支払われた訳ですが。

それが戦後GHQの命令で公共企業体として別法人になった国鉄ですが、鉄道の国家独占の権限は維持され、国鉄は国会報告の義務を負うものの、国鉄の意思で事業展開できる環境は維持されました。一方許認可権は現業を失った運輸省に引き継がれますが、国鉄の事業をコントロールする権限は持たず、対象は民間事業者に限られました。この辺の制度のねじれが話をややこしくするんですが、。ざっくり言えば国鉄は勝手に赤穂線を建設したけど並行する民間事業者の面倒は見なくてよいわけで、西大寺鉄道はそんな制度のエアーポケットに嵌まったわけです。

西大寺鉄道は子会社の両備バスを併合してバス事業者として商号を両備バス(両備B)に改めてバス専業事業者となりましたが、国との係争は続きます。結果的に和解はしたものの、国鉄の事業拡大に伴う民間事業者への補償として、鉄道用地の買収を以て補償に変えるという流れができます。例えば湖西線建設で江若鉄道に対してや阿佐線(土佐くろしお鉄道ごめんなはり線として開業)建設で土佐電気鉄道安芸線に対してなどです。

これがバス事業になるとさらにねじれます。国鉄に限らず鉄道開業に伴うバス路線の縮小は普通にあるわけですが、通常は鉄道事業者の直営乃至系列のバスであるケースがほとんどですから問題が表面化することはあまりないんですが、例えば東京都区内で地下鉄は営団、路面電車とバスは都営ということで、路線再編に伴う配置転換が滞ることが、都が地下鉄事業へ進出した理由です。まして国鉄の新線建設に伴う路線バスの再編はほぼ無補償です。そして悩ましい国鉄バスの存在。

一応の線引きとして国鉄バスの事業領域は民業圧迫回避のために国鉄の鉄道網の補完に限定とされ、(1)先行(2)代替(3)短絡(4)培養のいずれかに該当することが条件づけられていました。具体的には(1)は岡多線(愛知県)や坂本線(奈良県)(2)は白棚線(福島県)(3)は松山高知急行線(4)は十和田湖線(青森県)が典型です。

そこへ一石を投じたのが名神高速道路の開業に伴う高速バス事業への国鉄バスの参入方針が示され、それ以前に民間13社の出願で競願状態で収拾がつかない中で火に油。歴史に残る大炎上公聴会の開催に至りました。結局運輸省の調整で民間事業者は日本急行バスと日本高速自動車の合弁2社とローカル便の京阪バスと近江バスの2社に集約した上で国鉄バスの参入も認めました。国鉄バスと民間合弁2社は便数を揃えて競争条件を整えるなどイコールフッテイングに配慮した落としどころとなりましたが、名古屋と大阪のターミナルが別になるなど利用者にはわかりにくい部分が残りました。しかし当時の運輸省は積極的に調整に動いたわけで、こういった歴史を振り返ると、八晃運輸への認可は慎重に進めるべきでしょうけど、中国運輸局の対応はこれです。

岡山市内のバス新路線、競合に認可、両備は反発  :日本経済新聞
少なくとも岡山県、岡山市、八晃運輸、両備Gの意見聴取ぐらいやってから認可するならともかく、両備Gの路線廃止申請があったその日に、申請者の八晃運輸も驚くスピード認可には疑問が残ります。ネットの噂ですが八晃運輸は政治献金に熱心な一方、ただでさえ政治とは距離を置く両備Gのある意味挑戦的な路線廃止申請に運輸局がキレたってことかもしれませんが、この辺の不透明さは是非国会で取り上げていただきたいところです。

でもってネットで見られる規制緩和の議論にも注文つけときます。そもそも論として上述のようにねじれまくってる国の許認可体制の下で、県や市などの自治体は無力だってことが今回のキモでしょう。交通政策基本法が制定され、地域公共交通活性化再生法で自治体が地域交通にコミットできるようになったとはいえ、許認可権限を手放さない国の対応如何で無力化されてしまう状況です。

これが例えば許認可権限の地方への移譲がされていれば、もっとシンプルに地域の交通問題として自治体が関与できたんじゃないかと思います。議論をもう少し拡張すると、例えば公共交通の発達した日本の大都市では難しいライドシェアも、バスドライバー不足で減便が現実化している過疎地の交通政策としてはあり得ます。しかも道路運送法第78条、第79条で自家用自動車の有償運行が一定要件で認められているわけで、日本の現行の法体系で可能なんですが、現状京丹後市に続く事例は出てきておりません。

てなことで、着地点の見えない現状ですが、両備Gの対応へのネットの評価は好意的なものが多いですが、今のままなら両備Bと岡電の最大31路線の廃止はいずれリアルな問題になります。現行法では廃止手続きで6か月間の猶予期間中の自治体との協議が求められますが、賛同が得られなくても廃止できる見切り条項がある以上、自治体の対応は結局補助金や支援策などの条件闘争に留まるわけです。この時点で八晃運輸に路線認可を与えた運輸局を恨んでも遅い訳です。

あと両備Gの立場から見れば、仮に自治体協議が不調で見切り廃止となっても、ドライバー不足で路線維持が難しい状況だけに、結果の路線縮小はむしろ内部補助の縮小で収益性も高める効果もあり、八晃運輸の挑戦も跳ね返せるという見立てが可能です。この辺小嶋会長の企業家の冷徹さはあります。また廃止路線は主に末端区間や他社との競合路線が多いと報じられておりますが、これある意味エリアの選択と集中でもあるわけで、今後人口減少とドライバー不足で困難が予想される地方バス事業者の未来を示唆するものでもあります。有体に言えばユニバーサルサービスからの撤退です。行政もそれを踏まえた地域の開発計画の見直しが必要になるでしょう。あとおまけ。

健康格差を考える(下) 経済格差と連動性強まる  :日本経済新聞
個人の自覚を促す生活習慣の見直しには限界があり、個人の生活習慣は社会環境に依存するってことなんですが、例えば公共空間での禁煙が定着したことで受動吃件が減ったこととか、経済格差で個人の栄養状態に差が出るとか、結構身も蓋もない話ですが、その中で公共交通の発達した大都市圏との比較で1日当たりの歩数が最低の鳥取県では大都市圏より千歩以上少なく、ドアツードアの車社会より徒歩移動を余儀なくされる大都市圏の方が健康寿命を延ばす社会環境があるってことです。もちろん車移動を規制するわけにはいかないでしょうけど、公共交通の整備エリアの明示して住民に選択肢を示すってことは重要じゃないかと思います。

てなわけで最後に大いに歩こうぜ^_^;。

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Sunday, August 20, 2017

宴の終わり

バージニア州シャーロッツビルのの白人至上主義者の集会でカウンターとの衝突が起きてカウンター側の女性1人が死亡したニュースを巡るトランプ大統領の発言で大炎上。遂にバノン上級顧問の退任に追い込まれました。ま、元々クシュナー氏などとの確執が言われていましたから、意外感はありません。保守分裂がトランプ大統領誕生の原動力であり、アメリカが覇権国家を降りる地政学的変化の具現化であることに変わりはありません。本人の意図は知らんけど。

大統領選当時からポリコレ疲れなど、日本の一部の人たちが喧伝してましたが、彼らは多民族の移民国家であり、イギリスの多文化主義も継承しているアメリカを理解しておらず、元々多様化レベルが日本の比じゃないわけで、ダイバーシティの深度が高い社会です。その中での現実的な知恵としてポリティカルコネクトネスが言われるようになり、差別発言は社会的に圧迫される状況は元々ありました。

またデジタル経済で前エントリーで指摘した人の能力が生産手段(主流派経済学では資本と呼ぶ)となって高額報酬で獲得合戦が激化している状況で、アメリカの白人男性だけでは優秀な頭脳を確保できない現実もあります。人種差別なんかしてた日にゃ競争力を維持できない企業の現実があるわけです。人口規模がアメリカの4倍もある中国の存在も圧力となります。その中国の1/10の人口規模の日本では俗にIT土方と言われるデジタル人材の多重下請け構造でスキルを腐らせてます。あーしょーもなー。

でまあ同じく前エントリーで指摘した米朝関係の緊迫も、予想通りアメリカが折れて収束しました。それでも圧力外交は手放さず、中国企業への圧力や米韓合同軍事演習は続けます。元々今回はトランプ大統領のツイートが始まりだったわけですが、金正恩氏の胆力が勝ったってことですね。アメリカは核開発、ミサイル開発の凍結を直接交渉の条件から事実上外したわけです。

にも拘らず紛争当事国でない日本の対応は明らかに緊張を煽るものです。いくら森加計問題で支持率を下げているとはいえ、ひどすぎます。北朝鮮の問題を複雑にしているのは、アメリカが紛争当事国であることです。北朝鮮の南進を阻止すべく国連軍を組成して対応した結果です。今と違って常任理事国の中国は台湾の中華民国でしたし、ソビエトは棄権に回ったので国連軍の組成が実現したんですが、PKF同様参加国は交戦権を国連に預け、国連はアメリカに委託したわけで、朝鮮戦争が休戦中であるために、この構図が残ってしまったわけです。ですから韓国国内では、自国の頭越しにアメリカが軍事オプションを行使することに根強い反対論もあり、米韓が一枚岩になれない状況があります。軍事オプションは最初から無理なんです。

米朝緊迫で有事の円買いが起こり、円高株安に振れたのはある意味アベノミクスへの巨大ブーメランです。元々経常黒字が累積350兆円にも及ぶ日本ですから、それだけ国内貯蓄が国内投資で消化しきれず海外へ流出していたわけです。具体的には企業による海外M&Aや製造拠点整備などの直接投資に加えて、投資家による外国の金融資産への投資が増えていたわけですから、特に後者は有事に日本へ還流して為替を円高方向へ動かすわけで、所謂リスクオフと呼ばれる現象ですが、今回それに留まらない原因が退任した日銀審議委員から指摘されてます。

北朝鮮問題で浮かぶ 金利操作の矛盾  :日本経済新聞
これ日銀がイールドカーブコントロールと呼ぶ長期金利をゼロ近辺にピン留めする政策の副作用の指摘です。米FRBや欧州ECBは長期金利自体は市場に任せているので、危機で長期金利が低下し、連動するローン金利の低下で景気を下支えするわけですが、日本ではそのメカニズムが働かないから、危機による経済の萎縮がより強く現れます。加えて内外金利差で円買いが強まりますから、輪をかけて円高が進むわけです。ホントつける薬ないなあ。

安倍政権の失敗はまだまだあります。例えば高度プロフェッショナル制度の導入を長時間労働の解消をネタに連合を切り崩そうとしたこと。同時に民進党の支持基盤の切り崩しを狙ったんでしょうけど、事態は逆方向へ進んでいます。蓮舫代表の辞任の伴う民進党代表選で前原氏と枝野氏が立候補を表明してますが、手を突っ込まれた連合が高プロ制度反対に回り、民進党に反対するよう要請したわけですが、その流れで連合は前原氏支持を鮮明にしています。

安倍政権にとっては、旧民主党時代から党中枢にいて党勢弱体化にコミットしてきた枝野氏の方が与しやすい一方、前原氏は脱組合その他の過去の態度を見直す姿勢を見せており、特に自由党の小沢氏との和解は大きいと言えます。小沢氏は社民党や共産党との野党共闘に前向きで、ウイングを広げた所謂オリーブの樹構想の実現可能性が高まります。一方枝野氏はあくまでも選挙区ごとの選挙協力レベルでの野党共闘ですから、安倍政権にとってどちらが嫌かは明らかですね。国会議員票が前原氏優勢なのはそういうことですが、連合の支持となれば党員サポーター票も見込めます。ある意味余計なことをして寝た子を起こしちゃったわけです。

もう少し続けますが、日銀が異次元緩和で2%の物価上昇目標がいつまで経っても達成できない中で、自信満々だった黒田総裁は、物価目標の達成と引き換えに消費税増税を含む財政再建を政府に迫るつもりだったようですが、目標未達で政府に頭が上がらない一方、目標未達で緩和が続く状況は、財政赤字を垂れ流す政府にとっては居心地が良いわけで、事実上レームダック化した黒田総裁の再任は本人が間違いなく固辞します。後任選びはとっ散らかった金融政策の正常化という難題を押し付けられるわけですから難航必至です。

そんな中でECBのドラギ総裁が日銀に注目しているとか。例のマイナス金利イールドカーブコントロール導入時に、政策目標を量から金利にシフトして目先を変えた結果、国債買い入れ高を実質的に減らしたわけで、それがECBがこれから取り組もうとしてる金融政策正常化のための量的緩和縮小を先取りしているということらしいです。実は日銀は出口に向かっている?

一方で日銀によるETF購入は問題を抱えています。年間6億という規模から、特にETF組み込みの多い値嵩株で日銀の保有比率が高まって、筆頭株主は日銀という状態になるなど歪みを生んでいます。その結果実質的な流動株比率が上場基準に抵触の恐れが出てきています。一応投信で流動株にカウントされるとはいえ、余剰資金で自社株買いをして株主還元っがやりにくくなっており、実際上場企業の自社株買いは減っています。株価の上昇で企業が自社株を割安と評価できないという面もありますが、企業行動を制約していることは間違いありません。

加えていずれ期限が来て償還される債券と違って、株式はいずれ売らなくちゃならないことも問題です。日銀がこれだけ高いポジションを取ると、売るときに株価を押し下げてしまうということがありますから、市場を混乱させますし、日銀自身も残存持ち高の評価損になります。資本勘定としてその分の引当金を計上するか、資本金を取り崩すしかありませんが、金利上昇による国債の値下がりにも備えなければなりませんkら、下手すれば債務超過の危険性もあります。発券銀行だから破綻はないと言うなかれ、結局国庫補填となれば国民の税金が使われます。そこまでしても上がらない物価にもう一つハードルが。

物価抑える格安スマホ 一家に複数台、影響大きく  :日本経済新聞

消費がさえないから物価が上がらない。消費がさえないのは携帯キャリアの通信料金が高いからだとばかりに政府が介入して通信料金が下がったら、消費者は2台目3台目の購入に動いたって話ですが、価格が下がって消費者余剰が拡大したら需要が増えたってミクロ経済学の教科書通りのことが起きちゃったわけです。加えて家計の通信費支出の比率が高まってインフレ率を押し下げてしまうわけで、思いつきでインフレ目標をブロックしたわけです。経済優先が呆れます。こんなんもあります。
(真相深層)日本、牛肉買い負け懸念 輸入制限、時代に合った戦略か 発動の裏に米中対話 :日本経済新聞
ちょっとややこしいんだけど、そもそもは米中首脳会談で習近平が約束した貿易不均衡是正策として、BSE問題で禁止されていた米国産牛肉の輸入再開を発表したところ、米国産牛肉の値上がりを予想した日本の牛丼チェーンなどの外食企業が保存の効く米国産冷凍牛肉を大量買い付けし、更に干ばつで値上がりした豪州産牛肉の需要シフトもあって輸入枠を突破したということで、日本政府は緊急セーフガードを発動したわけです。

形式上ルールに則ってはいますが、元々WTOルールの趣旨として、急な輸入増で打撃を受ける国内産業の緊急保護策なんですが、今回は国内飲食チェーンの行動がトリガーになったもので、国内畜産業の保護には全く無関係です。麻生財務相曰く「EPA締結済みのオーストラリアには発動されない。アメリカもTPPに復帰すれば対象外になる」ということで、TPP離脱を決めたアメリカへの当てつけでしかないわけです。高関税が課されれば、先買いに走った国内飲食チェーンもいずれ値上りの影響を被るわけで、誰も得しない愚策です。

そんなこんなですが、よく考えれば政府が国民のために働いたことってあるだろうかと^_^;。破たんしたエルピーダメモリ―や経営悪化したジャパンディスプレイへの出資しかり、原発輸出推進で東芝にWHを買わせたことしかり。逆に政府が手を出さなかったシャープは鴻海傘下でV字回復と、十指に余る愚策の数々。おそらく2020年のオリパラも先行き不透明です。オリパラ関連では小池都知事の豹変ぶり。結局築地は更地豊洲は民間払い下げが本音だったわけです。こうなると無理を重ねた都市計画の進捗に誰も責任を取らないと。インパール作戦もかくやという無責任のツケは下っ端の兵士(ここでは仲卸)に払わせる。環状2号線を走る国産FCV連接バスは夢と消えるかも。

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Sunday, August 13, 2017

1億総社畜化社会

米朝間で子供の喧嘩みたいな罵り合いが展開されており、市場はリスクオフに振れて株価を下げたりしてますが、こういう時は落ち着きましょう。そもそもホワイトハウスの行政官ポストを埋め切れず身動きが取れていないトランプ政権に戦争準備ができているわけないですし、北朝鮮にしても核実験由来の放射性物質は1回目以外検出されていませんし、ICBM実験も高高度で発射して飛距離のポテンシャルを示してはいるものの、難しい大気圏再突入性能は検証されておりません。もちろんだからと言って核やミサイルの開発が進んでいないとまでは言えませんが、騒ぎ過ぎです。

てなことは置いといて、1年前のエントリーで取り上げた社畜ネタです。今年は例年にも増して高速道路の渋滞が酷いですが、お盆に一斉に実家へ帰るからこうなるんで、時期をずらすとか考えないと、3年後は丁度オリンピック期間とバッティングしますからどうなることやら。猛暑による熱中症問題がやっと認識され始めましたが、新国立競技場をはじめとする関連工事も人手不足出遅れが心配されてますし、その新国立競技場の工事作業員の過労自殺が報じられるなど、本当に大丈夫かいと心配になります。

ロングバケーション当たり前の欧州では、企業が従業員に有給休暇取得時期を割り振って分散しながら長い休暇を楽しむのに、短い盆休みを一斉に取って大移動する日本のビジネスマンの働き方の異常さが世界へ発信されるおぞましい2020年になりそうです。その働き方改革を巡って混乱もあります。

連合、「脱時間給」容認を撤回 政労使合意は見送り  :日本経済新聞
日経の記事は問題だらけなんですが、連合の逢見事務局長が独断で政権とやり取りして進めていた話で、神津会長は長時間労働の歯止めが認められるならば、政労使協議に応じても良いとしたものの、あくまでも年収1,075万円以上の特定職種を対象とした高度プロフェッショナル制度の話であって、脱時間給は関係ありません。

そもそも裁量労働制も成果主義賃金も現行法で違法ではないんですが、要件として募集や採用の時点で説明がされ雇用契約書にも明記されている必要がありますし、そもそもこのような雇用形態は労使間で合意が必要なんですが、御用組合をでっち上げて協定書の書面を作っても、未払い残業代請求訴訟では実体のない名ばかり組合では労働者の代表と認められず会社側が敗訴する事例が重なり、経済界から要件緩和の要求が出ていたもので、労働側から見れば当然認められません。

あと限定職種の高度プロフェッショナルにしても、高給取りで直接雇用が難しいんですから、むしろアウトソースして相対取引で条件を決めれば良いんで、労基法に盛り込む積極的な意味はありません。当然の如く連合の傘下組合から反対の声が上がって連合は撤回に追い込まれ、次期会長含みだった逢見事務局長を副会長に棚上げして神津氏の会長留任を決めて収めたって話です。早い話企業は残業代を払いたくないってのが本音です。

2020年のオリンピックと盆帰省のバッティング問題でも指摘しましたが、欧州企業では仕事の繁閑を有給休暇の分散取得消化で対応しており、そのため使用者側に有給休暇の完全消化の義務と共に取得時期調整の権利が与えられています。国によっては年度初めに従業員の有給休暇取得計画書を当局に提出する義務まで負わせているわけで、残業で繁閑調整をしている日本とは根本の考え方が違います。結局残業が日常化して長時間労働が当たり前になり、過労自殺も後を絶たないし、長時間労働で作業効率も落ちるから労働生産性が高まらず、利益率が低くなるという悪循環です。解決策は簡単で、最繁忙期に合わせて増員して有給休暇を分散取得させることです。

あと人手不足でAIへの期待が高まっておりますが、AIに限らず機械による労働の代替自体は昔から繰り返されてきたこととはいえ、単純な代替を考えているならお門違いです。AIは人間になれませんし、むしろAIが能力を発揮するための仕事の手順や環境を人が整えてやらなければならないですから、AIで人手不足解消は不可能です。これオフィスオートメーションが言われ始めた時代やコンビニのPOSシステム導入のときも言われたんですが、システムの導入に伴って業務の見直しがちゃんとできて初めて、少ない人数で多くの産出高を稼ぐことで労働生産性が向上するんで、その分を賃金に反映させて家計の購買力を底上げして初めて、経済成長につながるんですが、現実はどうも違う方向へ進みそうです。

実はこれを端的に説明するツールはマルクスが提供しておりまして、G--W--G'で表しております。Gは資本、Wは商品を意味します。ここで言う資本はぶっちゃけお金のことで、生産手段としての工場や機械に投資して、従業員を集め原材料を仕入れて生産した商品を市場へ投入して代金G'を得ることになります。このときにG<G'となるように仕組みを整えるわけです。工業化で工業製品が大量に生産され市場投入される産業資本主義過程はこれが繰り返されるわけです。

しかし大量の工業製品が市場へ投入され続けた結果、工業製品の価格は低下しますし、またスマートフォンのような汎用多機能デバイスの登場でむしろ集約が進む結果、G<G'の関係の維持が難しくなります。一方PCやスマホのような汎用デバイスはソフトウエアのバージョンアップで機能強化が進み、思いがけない用途が開発されていきますから、開発に携わるプログラマーやSEなどのIT人材が重要な生産手段となり、その調達囲い込みのために高額報酬が約束されるようになります。結果的にITデジタル技術を軸とした生産手段の組み換えが起きてデジタルブルジョワジーとデジタルプロレタリアートに分離する現実が出現したわけです。伝統的工業の衰退とIT産業の台頭で米トランプ政権誕生の背景でもあります。

困ったことにあらゆる労働がデジタル技術で代替可能なわけではなく、元々低賃金の単純労働はいつまでも機械化されずに残るどころか、かつてはノウハウの塊だった事務職や販売職も作業内容が単純化されていきますから、低賃金の単純労働はむしろ増えるわけです。つまりマルクスがプロレタリアートと命名した時間の切り売りでしか生活の糧を得る手段を持たない階層が新たに出現したと見れば、世界的にみられる格差拡大が容易ならざる事態であることがわかります。この観点からすれば労基法改正で政府が盛り込もうとする高度プロフェッショナルは保護すべき対象ではないわけです。

さらにもっと困ったことに、高給で優遇される高プロ人材の育成は困難だってこともあります。何となれば人に教える暇があるなら自ら働いて稼いだ方が良いし、人に教えてライバルを増やせば自らの市場価値を下げることになります。加えて技術革新のスピードが速くなってますから、市場価値が落ちたところで教える側に回る頃には次の新技術が出現して手持ちのスキルが陳腐化しているわけですから、教えるニーズもなくなるわけで、ある意味旬の内に稼いでセミリタイアというキャリアプランを取らざるを得なくなります。かくして技術の分断が今以上に深刻になるわけです。

また高額報酬の職業ほど資本代替のニーズが強く、高額の研究開発投資に見合うリターンが期待できますから、いずれ稼げる職業は減っていくというディストピアになりかねません。自分で自分の首を絞めることになるわけです。高プロじゃないですが、例えばかつて高給取りだったバスドライバーやトラックドライバーの賃金低下も、運送業の参入規制撤廃で進んだわけですし、タクシーに対するウーバーなどのライドシェアの挑戦も同様の文脈で理解できます。規制緩和は善として拙速に認めるのは問題です。

その先の自動運転も、当面は地域限定の交通システムとしての実現を目指すのが妥当です。トラックドライバー不足を自動運転で凌ぐのも問題です。荷物の積み降ろしや検収、場合によっては代金決済もあるわけで、その部分は自動化できないので、結局ドライバーに運転させる方が労働生産性を高めることになります。寧ろ鉄道や船舶との連携による複合一貫輸送のシステムを構築することが大事です。この辺の誤解はかなり根深いですね。

その鉄道も自動運転車の実用化で変化を迫られます。ただし道路輸送では実現不可能な大量輸送の能力が結局鉄道のレゾンデートルになるという意味で、地方のローカル線の維持はますます困難になります。また線路保守など労働集約産業の側面は残り、JRでさえ外注化で凌いでいる状況ですが、その結果日常の列車運行に支障が出るほど保守レベルが荒廃したJR北海道の問題など、解決すべき問題があります。そんな中で取り上げたいのがこれ。

JR東など、英鉄道運営を落札 12月から運行  :日本経済新聞
英国鉄道のオープンアクセス制にフランチャイズ(運行会社)として参入するというもので、遅延の多いミッドランド鉄道の定時運行率の向上をアピールして落札したということで、結構ハードルは高いと思いますが、例えばJR北海道の問題の解決策として、線路保有の国策会社を設立してフランチャイズを募集するといった事態も考えられますから、国内の鉄道事業へのフィードバックも期待できます。この辺新幹線システムの一括受注しか念頭にないJR東海の連戦連敗に対して、確実に経験値を高めるJR東日本の行き方は賢明です。

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Sunday, June 18, 2017

空飛ぶクルマ

共謀罪が成立しました。国会論戦で一般人には適用されないとされてますが、問題なのは乱用の歯止めがないこと。前エントリーでも指摘したように、前文科省次官の前川氏に対する個人攻撃のように、政権に不都合な人物を狙い撃ちすることができてしまうわけです。この点は戦前の治安維持法と変わりません。ちなみに治安維持法の逮捕者第1号は仲間内でヨタ飛ばし合ってた大学生達で、冤罪だったけど取り調べ中に拷問死だそうで、これリベラル陣営から見れば逮捕上等、逮捕は名誉と考えるべきでしょう。歴史に名を遺すチャンスです^_^;。てことで共謀したいんだけど、1人じゃできない。仲間がいない。

******急募!一緒に共謀する仲間!******
価値観を逆転させれば怖くはありません。ヤクザかい!てことでヨタ飛ばし続けます^_^;。

先週末愛知県の東名高速で事故がありました。

バスに車衝突、45人けが 運転の男性死亡 愛知の東名高速  :日本経済新聞
北朝鮮の脅威が言われ、各地でミサイル防空訓練が行われたというニュースと並べると、現実的には空飛ぶクルマの方が怖いよなと。そもそもミサイル飛んできたは数分のうちに着弾してしまうから意味ねー。続報では反対車線を走っていた乗用車が左側ガードレールに接触してコントロールを失い、右へ寄って中央分離帯の法面に乗り上げてジャンプしたそうですが、時速100㎞程度ということで、道路構造の欠陥も指摘されてます。

一方ぶつけられた観光バスの方は、バスドライバーが咄嗟に左に避けてエンジンブレーキで減速しながら左側のガードレールや側壁に接触させて安全に停止させ、その冷静な対応に賞賛が寄せられています。また観光バス事業者の東神観光バスは安全性の高い新車を導入しており、軽井沢のツアーバス事故では車体強度に問題のある中古バスだったこともあって、この面でも賞賛されてますが、いや待て、そもそも空飛ぶクルマのガードレール接触が事故原因だったわけで、同じガードレール接触で車の挙動がここまで違うってことは指摘しておきます。

種明かしすれば車両重量の問題でして、乗員1名の乗用車の重量は1t前後に対して、フル装備の大型観光バスで定員乗車なら20t近くになります。これだけ重量が違えば運動エネルギーの量も大違い、大型観光バスを安全に停止できる側方ガードレールも乗用車には強すぎて弾みでコントロールを失うことはあり得るということですね。もちろん入射角の問題や乗用車のドライバーの心身喪失の可能性など、報道ではわからない問題もありますが、道路構造に注目すれば、問題点は見えてきます。1t未満の軽から40tの大型トレーラーまで同じ道路を通行するわけですから、安全対策に根源的な不可能性があるわけです。

中央分離帯や側方ガードレールの設計は大型車の重量を受け止めて衝撃を分散しなが安全に停止させることを狙っているわけで、乗用車にとっての最適設計ではないことは確かです。中央分離帯も大型車が突破できないようにタイトな法面を採用すれば、軽量な乗用車にとってはジャンプ台になりかねないわけです。道路の混合交通故の矛盾ですが、そもそも高速道路は大型車を想定した作りであって、乗用車で利用するときにはドライバーがリスクを意識して自衛するぐらいしか対策はなさそうです。余談ですが、都内の高速道路整備で東名より先に中央道が着手され、しかも分岐線である富士五湖線が優先されたのは、治安対策で山梨の陸自基地から戦車を速やかに都内へ向かわせるためとか。時あたかも新左翼運動が盛んな60年代後半でした。

大型車と小型車をゾーニングで棲み分けられない限りついて回る問題ですが、首都高で湾岸線の大型車ETC割引で利用を誘導しているぐらいです。外環道や圏央道が整備されたときに、大型車の環状ルートへの誘導策は考えられますが、厳格な分離は困難です。

てなタイミングで日経ビジネスが「「空飛ぶクルマ」の衝撃」という特集組んだのが何というか^_^;、道路を走る限り渋滞を避けられない中で、「空を飛ぶ」という発想そのものは突飛とは言い切れないにしても、クルマの未来に見えるある種のカオスを感じます。中身は玉石混交で、さまざまなアプローチがありますが、プレイヤーがアマゾンやウーバーのようなIT企業にトヨタ自動車、航空機のエアバスまであり、ドローンの大型版や1-2人乗りのパーソナルプレーンなど、方向性も定まっていません。

空は飛ばないまでも自動運転は実用化を射程に入れており、未来の自動車産業の激変を示唆するのですが、上記のような現実の事故を目の当たりにして、ここに自動運転車が加わることに関してどう考えるべきか、今のうちに考えておくべき問題があります。既に自動運転車としてレベル2と定義される高速道路で車線キープと車間距離を保った自動追尾は市販車レベルで実用化されてますし、これに車間通信を組み合わせて衝突を回避しながら車間を保って運行する技術なども実用化目前ながら、いずれもドライバーが乗って緊急時の危険回避を行う仕様で、今回のような事故を防げるのかというと、むしろヒューマンエラーを誘発する可能性もあり問題を複雑にします。

その先の完全自動運転は事故時の責任分担の問題が絡み、現状では不可能となります。実際大型車に偏った日本の高速道路の安全対策を前提とすれば、事実上完全自動運転は無理です。本気で実用化を考えるならば、エリアを限定して速度を抑制した形で交通システムとして導入するというアプローチになると考えられます。実際グーグル改めアルファベットの自動運転車開発会社ウェイモが2座の小型自動運転車を米アリゾナ州フェニックスで実証実験してますが、日本でもウーバーのシステムで自家用車有償運行を行う京丹後市など、まずは公共交通が維持困難な地方の特定エリアで試験導入が現実的でしょう。

京丹後市では道路運送法78条の自家用自動車の有償運行の特例で認可されたんですが、そのために営業車に準じた事故補償を求められてボランティアのドライバーに高額の保険加入が義務付けられており、元が取れる状況にないこともあり、ドライバーのなり手の確保が難しい現実があります。未来志向で特区制度を活用するというならば、ウェイモのシステムを導入した方が良かったんじゃないでしょうか。加えて鉄道貨物の強化で高速道路の大型車を減らしすということも考えて、貨物鉄道と競合するルートを小型車向けにゾーニングというアプローチも考えられます。

第2次安倍政権の成長戦略の目玉とされる国家戦略特区ですが、今治の加計学園獣医学科問題にとどまらず、どこに未来志向があるのか疑問です。仮に獣医師が足りないとしても、既存の獣医学科の定員増で対応できれば初期投資分の負担が軽減されるわけで、敢えて新設の大学で行う理由は明らかではありません。しかも獣医学科新設に意欲を見せた京都産業大学は却下したうえで、空白地帯に限るという事実上再申請を封じる決定までされているわけですから、加計学園への便宜供与が疑われても仕方ありません。

てなわけで、共謀しようぜwwwwwwww。

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Sunday, June 04, 2017

ハケンからシュケンへ

トランプ大統領のパリ協定離脱が波紋を呼んでいます。

パリ協定離脱を正式表明「米国に不利益」  :日本経済新聞
離脱といっても手続き上は4年間は離脱できない仕組みですが、パリ協定自体が参加国が自主目標を持ち寄って相互検証などの国際ルールを決めるっていうユルユルな枠組みですから、実質的にはオバマ大統領時代に約束した緑の気候基金への30億ドル拠出の中止と国際会議への不参加ってことで、TPPと違ってパリ協定自体が漂流することはなさそうです。

この辺過去エントリーで繰り返し述べてきたことですが、トランプ大統領の政策は、ザックリ言えばアメリカが覇権国家から降りて強い主権国家になるというコンテクストの話であって、この観点から見れば、何の意外性もないニュースです。資金の拠出や国際会議への参加などの法的義務は負わないということですね。加えて大統領選当時から反オバマ政権の主張を繰り返して当選したわけですから、オバマ大統領のレガシーの否定に意図的に舵を切ったという意味でもあります。どのみち予想されたことです。

ただ日本にとってはちょっと痛いところがあります。京都議定書でも子ブッシュ大統領の離脱があって、危機感を抱いた欧州が、それまでとかく対立しがちだった日本に譲歩して森林のCO2吸収を認め、森林認証の仕組みなどを決めたことです。ある意味日本は漁夫の利を得て実際2008-2013年の実績でマイナス6%の目標を達成しています。それでもポスト京都の枠組みが決まらず期間延長が濃厚になると、震災による原発停止を口実に離脱した訳で、その結果ロシアなどの追随もあり、欧州主導で機能していた排出権売買市場を枯らしてしまうなどして不信を買いました。

パリ協定でも米中両国の積極姿勢と裏腹に様子見を決め込んで出遅れた上に、今回の米離脱宣言で、石炭火力と原子力に頼る日本のエネルギー政策をアメリカが援護射撃する構図は見込めなくなりました。加えて今回はBrexitの影響で揺れる欧州で、ドイツのメルケル首相が敢えて米英を頼れないという発言でEUの求心力を高める意図を明らかにしております。中国インドその他途上国も含めた枠組みですから、仮に日本が抜けても大勢に影響なし。日本のプレゼンスは下がりっぱなしです。

アメリカにしてみればシェール革命で資源国の側面が強くなっており、自国第一で考えれば敢えて国際協調は必要ないって点も見逃せません。トランプ流最強の主権国家の枠組みってことですね。シリアや北朝鮮の問題も、シリアにトマホークを打ち込んだのは直積反撃する能力がないからで、北朝鮮への圧力も意図してはいますが、反撃能力があるかもしれない、少なくともそれを目指してミサイル開発を続ける北朝鮮への直接攻撃は避けたわけです。トランプ大統領自身「同盟国への重大な脅威」とコメントし、対北朝鮮では戦争当時国なのに当事者意識は皆無。寧ろ日本政府が焚きつけた面もあります。

中東でも似た構図があって、G7へ向かう中で立ち寄った中東ではサウジアラビアと急接近して反イランの立場を鮮明にしています。おそらく米国内のシェール産業との協調がこれから始まるでしょう。技術革新でコスト競争力をつけたシェールオイルですが、ここへきて米国内の雇用がタイトになってコストアップに転じてきているので、原油価格上昇を狙ってOPECとの協調はリアルに可能性があります。その文脈で言えばロシアとの和解は既定路線ってことになりますが。自由貿易を標榜してきたアメリカが石油カルテルに参加って、時代は変わったな。アメリカが消費国から資源国へシフトってことは、消費国である日本のアメリカ追随は国益的にはマイナスです。

そんな四面楚歌の中、国内では森加計問題がくすぶっています。世界史的な地政学的大変動期にあって、日本政府の絶望的な頭の悪さには眩暈がします。てなわけで、この話題。

「今回はプロセスに問題」 前川前次官インタビュー  :日本経済新聞
規制緩和は結構なんですが、意思決定のプロセスの透明性が問題です。前川氏が言うように、獣医学科の新設を必要とする農水省のデータは示されず、首相案件として進められた実態が語られてます。そもそも獣医学科は設置校でも定員60名が最大で、全国合計でも1,000名程度のところに、160名定員の獣医学科新設の申請ですから、需要面の根拠が示されないままの申請はあり得ません。

これ法の支配を標榜して法曹人口を増やすという名目で始まった法科大学院と構図が似ています。結果どうなったかと言えば、法科大学院新設の申請が殺到し、実際始まってみれば力量のある教員の確保がままならず、対応する新司法試験で合格率が低迷し、合格ラインを下げるという議論に対して各地の弁護士会から反丹が相次ぎました。そりゃそうです。数を充足させるために質を担保しないというのは本末転倒です。結局華々しくスタートした法科大学院も学生が集まらず廃止が相次ぐ事態となりました。

その意味でj地場で畜産が盛んなわけでもない今治に160名定員の獣医学科設置は普通に考えて無理です。大学誘致を望んでいる今治市にしても、卒業生が地元に留まらない学科の新設は定住人口の増加にもつながりません。加えて獣医師は医師のように大病院の勤務医でとりあえず実務に就けるわけでもなく、個人で開業もハードルが高いなど、受け皿もない。一応輸出競争力のある畜産のためというお題目のようですが、実際日本では畜産業は廃業オンパレードで規模の縮小が続いている状況で、関税の縮小撤廃で劣勢にあるのが現実です。少なくとも獣医師が足りないから輸出競争力が高まらないってのは、論理的につながらないですよね。

また特区制度の問題もいろいろあるんですが、元々小泉政権で始まった構造改革特区の精度は、地域の特徴を引き出して地方の自立を促す意味で、全国一律の規制が邪魔になるなら、地域限定で規制緩和しましょうという制度で、狙いとしては地域限定の一国二制度状況を作って規制改革につなげようということだったようですが、そのための検証を厳格に行えば、規制が原因で成長できないという事例はさほど多くないので、結局規制改革につながる事例は殆どないのが現実です。

てことで、政府主導でトップダウンの形で進める国家戦略特区制度が第2次安倍政権で始まったんですが、実は加計学園の獣医学科新設問題は構造改革特区時代に何度も申請され、検討段階で却下が続いた案件でした。それが安倍政権になって急転直下前進したわけですから、これを正当とするなら、よほど納得感のある説明が必要ですが、政府からはむしろ内部通報者となった前川前文科省次官の個人攻撃を公然とやってます。文科省天下り斡旋問題での引責辞任だったこともあり、私怨による仕返しと取ったようです。

また出会い系バー通いが読売新聞と週刊新潮で報道されましたが、前川氏に助けられたという女性の証言が週刊文集に載るなどしています。読売や新潮の報道はおそらく官邸のリークでしょうけど、それを裏も取らずに貴人してしまうメディアの無節操ぶりに呆れます。加えて個人的なことが報道される怖さというか、官僚の弱みを握るための身体検査の結果でしょうけど、共謀罪が成立すれば対象は一般国民に拡大します。頭悪い癖に悪知恵だけは長けているわけです。

規制と経済成長との関係は単純ではないってのは度々取り上げておりますが、こんな過去エントリーが参考になります。

特区の昔の24時間
百鬼夜行の公共性
ミザリーハロウイン
これ政府の規制改革会議で公共交通の終夜運行が提案され、それを受けて当時の猪瀬都知事が渋谷駅―六本木間で終夜運行を開始したものの、都知事選のときに徳洲会から5,000億円の資金供与を受けて政治資金収支報告主へ記載しなかったという疑惑で辞任し、後任の舛添都知事によって都営バスの終夜運行が止められました。公選の行政長が前任者を否定したがるのはトランプ大統領と共通です。

皮肉なことに運行最終日はハロウインで仮装した一般客が殺到して時ならぬ混雑になりました。これつまりスタートは政府の規制改革会議だったわけですが、別に日本の法律で終夜運行は規制されているわけではなく、単純に収支に合うだけの需要がなかったってのが結論です。もちろん多少の赤字ならアジェンダ実現のためのコストと割り切ることは可能ですが、その際に問われる公共性の説明ができていなかったから、都知事の交代であっさり葬り去られたわけです。

この辺既視感ありますが、例えば川崎市の市営地下鉄構想と、それに連動した京急大師線の地下化が市長の交代でとん挫したのですが、旧いすゞ自動車工場跡地を中心に先端産業集積地として再開発が進む殿町プロジェクトとの関連で、産業道路の踏切解消のために末端区間だけの地下化工事が進捗してます。加えて一旦沙汰止みになった羽田空港神奈川口計画の橋建設工事が始まっていて、環八から国際線ターミナルへの分岐付近に接着する予定ですが、アジェンダが曖昧なために時間を浪費した事例です。宇都宮市のLRT計画にも同じ匂いがするのは気のせいかな?

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Sunday, April 23, 2017

忖度弄すと引く大人かい!

世の中不思議いっぱいなんですが、そもそもシリアにアメリカがトマホーク59発も打ち込んだのに、ロシアがシリアに供与したとされる対空ミサイルシステムが働いた気配なし。トラブル?元々ザル?それとも事前通告を受けたロシアが敢えて止めた?

不思議はまだいっぱい。シリア攻撃は北朝鮮への警告と米ペンス副大統領も認めて、シンガポールにいる空母カール・ビンソンを朝鮮半島近海へ派遣もなぜかインド洋へ。北朝鮮のミサイル発射は失敗。北朝鮮核実験場でバレーボール。一方日本の安倍首相は北朝鮮ミサイルにサリン搭載など危機を煽って韓国から不快感。そりゃそうだ。今韓国は大統領選真っ只中。誰が選ばれるかで北朝鮮に対するスタンスも変わるって時に日本国内向けの人気取りは不謹慎。しかも欧米メディアは変な憶測を働かせるし。逆に北朝鮮も大統領選が終わるまでは下手に挑発して敵対的な政権ができたら藪蛇だし。

でもトランプ大統領は喜んでます。なぜならば危機感煽ればリスクオフで円高ドル安になるわけだし。自らの口先介入を安倍首相が補強してくれたんだから感謝っておい!そもそも福一事故で米国民にいち早く退避勧告をした米政府が未だ韓国国内に軍属、非軍属含めて10万人はいる米国民に退避勧告出さずに軍事行動はあり得ません。シリアは直接反撃できないからミサイル打ち込んだけど、同じこと流石に北朝鮮には無理ってもの。トランプ大統領って素人的な危なっかしさはあるけれど、ある種の勘の良さはありそうです。計算通り?まさかね。

北朝鮮危機を煽る安倍首相ですが、森友問題は未だ決着せず。これぐらいのスキャンダルで政権が吹っ飛ばない今の日本の異常さ。森友学園が9億の国有地を8億値引きだけど、加計学園は36億円の土地を無償で入手しかも国家戦略特区を悪用して正規には認められない獣医学科新設というルール破りの権力私物化ですからね。

日米経済対話が始まったけど、日本側の意図に反して貿易問題が前面に出て事実上の日米FTA交渉に。そうならないように根回ししたはずが裏目に。こうなるとアメリカの要求は自動車と農業を中心としたTPP以上の譲歩とTPPでは盛り込まれなかった為替条項。ドル高是正のルール化が必ずテーマになります。

その一方で米中間ではドル高を是正したいアメリカと元安による資金流出を抑えたい中国の思惑が一致しており、両国間で為替協定を結ばれたら日本は手も足も出ないまま円高を受け入れることになります。原油価格も上昇基調にあり日本にとって円高は歓迎すべきなんですがね。G20財務省会合でも金融政策はデフレなど国内問題の解決のためのもので、為替誘導ではないと敢えて強弁しなきゃならないところに日本政府の苦しさが滲みます。

その一方で事実上とん挫したTPPは11カ国で新たな協定として発効させる方向性を打ち出したものの、アメリカを説得して迎え入れるという殆ど不可能なたわごとを言い始めました。アメリカ抜きなら日本に有利な交渉ができるとでも思っているようですが、12カ国の交渉でアメリカの立場を代弁するような対応を取った日本はむしろ警戒されていると見るべきです。農業分野でライバルのアメリカが抜けたことで、オーストラリアやニュージーランドは寧ろ攻勢を強めさえするでしょう。結果11カ国TPPでも農業分野は攻め込まれます。日米二国間と併せて日本は得るものなしです。

この日本政府の無能さですが、地方や民間企業も同じかも。地方でいえば存続の危機にあるJR北海道問題で北海道庁の対応のまずさ。最近やや柔軟化したようで、バス化も含めて協議に応じる姿勢は見せるものの、上下分離には否定的で、運賃値上げには理解を示すものの、JR貨物の線路使用料値上げや青函トンネル保守費用の低減を国に求めるということで、結局国と乗客に負担を求め、自らは負担しないって話です。虫が良すぎます。

民間はといえば東芝の迷走が相変わらずですが、実は買収した海外子会社の不祥事や損失で本体も傷ついたのは東芝に限らず、中国子会社の不正で損失を被ったLIXIL、人口減少で国内じり貧だからと買収したブラジル企業で躓いたキリンとか、成長分野を海外事業に求めてシナジーを得られなかった日本郵政とか。共通しているのは高値掴みしてのれん代償却が重荷になる一方、それっをカバーするシナジー効果は得られていないという同じ構図。日本の企業経営者はよほど無能なんだ。

同じ原発事業を抱える三菱重工と日立製作所ですが、海外案件がことごとく中止になって受注分のコスト上振れも低負担で切り抜けられたという意味で、ある意味運が良かったと。こうなればWHの破たん処理で原発事業から事実上撤退する東芝のおかげで国内の廃炉事業で出番が増える漁夫の利。実質国有化された東電の福一事故賠償を国が面倒を見る現在のスキームではコストの上振れは国が面倒見てくれるし電力料金への転嫁で国民につけ回しできるしで、ハイリスクの海外案件は無理に手出しする必要なし。国有企業をコントロールして構造改革を主導する手法は中国と同じです。いやむしろ習近平の反腐敗政策があれば森友や加計のような問題は起きないか^_^;。中国なら安倍晋三も問題閣僚も死刑かも。それはそれで問題だが。

てなことはいろいろあるんですが、こんなニュースに引っかかりました。

。ロボットと仕事競えますか 日本は5割代替、主要国最大  :日本経済新聞
これそもそも前提がおかしい。経済学では労働力の資本による代替を進めると資本収益力が逓減するという命題があります。実際求人難で賃金が高止まりしていたバブル期に、海外市場を睨んだ強気の判断もあって日本企業はこぞって設備投資に走り、過剰投資で資本収益力を低下させて、90年代半ばからは供給過剰の是正を雇用調整で行って益々資本収益力はじり貧になり、一方過剰設備投資のツケで設備の更新投資が滞り、外資の力を借りて最新設備を手に入れた新興国の台頭に伴い競争力を失ったわけです。

そこへもってきての人口減少です。生産年齢人口自体は90年代半ばから減少に転じたんですが、丁度日本企業が雇用調整を始めたタイミングと重なったこともあり、人手不足が顕在化するまでに凡そ20年かかったわけですが、今後人手不足は深刻化の一途をたどります。JR北海道問題に即していえば、そもそも地域の人口が減っている中で、鉄路を維持するための要員が確保できないわけで、それを回避するためには、電化や軌道強化などの設備更新でメンテナンス負担を減らし、各種センサーを活用したインテリジェント化など相当な設備投資が必要なんで、その資金を地元で負担できないなら、鉄道廃止止む無しです。これ民間企業も同様なんですが、ロボットやAIはあくまでも労働生産性を高めるためのツールとして活用して、資本と労働の投入バランスを是正することで、付加価値創出力を高める必要があるわけです。

この観点から言えば政府が進める働き方改革も全く見当違いで、そもそも仕事の繁閑を残業で調整しようとするから無理が生じるんでAIを活用して短時間で成果が出る仕組みを作ることが必要なんで、その意味では現状の残業規制は緩すぎて企業に投資インセンティブをもたらさないと言えます。

折しもヤマト運輸のドライバー不足問題やセブンイレブンなどコンビニの人件費負担増などの問題が顕在化して、対策として無人自動運転の解禁が言われますが、実現するまで人手不足は待ってくれません。ヤマト運輸では運賃値上げや時間帯サービスの縮小や宅配ボックスの設置などを進める考えを示してますが、そういうことなんですね。単純衣労働力を資本であるロボットやAIに置き換えるんではなくて、新しいテクノロジーを取り入れながら、顧客から受け入れられるサービスの在り方を模索していく以外に出口はありません。良い子にプレゼントを運ぶサンタさんもそりを引くトナカイがいなけりゃ成り立ちません。てなわけで迂遠ながら季節外れのダジャレ完成^_^;。

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Sunday, March 19, 2017

曲がり角の整備新幹線

森友問題が予想以上に盛り上がっております。どうせメディアが動かないだろうと思っていたら、籠池理事長夫妻のキャラの立ちっぷりや安倍昭恵夫人のノー天気な行動力と随行する官僚の公務か否かとか、総理夫人を私人と閣議決定とか、なんば花月かい!草生えるわ。

てことで数字が取れるとメディアが動いた結果、23日に鍵池理事長の国会証人喚問が決まりましたが、問題の本質は国有地払い下げを巡る値引き問題と教育基本法違反が疑われる私立小学校の認可を巡る大阪府の規制緩和を含む便宜供与問題の2つ。国会に呼ぶべきは当時理財局長だった迫田国税庁長官と松井大阪府知事です。

第一次安倍政権当時の姉歯事件が、永田議員偽メール事件でとん挫して、改ざんを許した大臣認証構造計算ソフト問題、民間検査機関による検査業務とそれに関連して不自然に米国基準を接ぎ木した規制改革などはスルーされ、1建築士の犯罪に矮小化され検査の厳格化だけに終わった轍を踏む可能性があります。籠池氏の証人喚問に何かの仕込みがあるか要警戒です。多分贈収賄事件というよりは、官僚による政権への忖度だろうとは思いますが、だから許されるって話ではありませんね。

この手の忖度は歴史を紐解けば結構あります。古くは東海道新幹線の岐阜羽島駅を巡る問題で、岐阜県選出の大野伴穆代議士の関与が噂されましたが、当時新幹線建設に懐疑的な世論もあり、政治家の関心は高くなかったのですが、反対されると面倒ということで、国鉄側が忖度したものです。

元々東海道新幹線は最高速250km/hで東京―大阪2時間半という目標を掲げて計画がスタートしてます。当時既に民間航空の台頭とモータリゼーションの進捗で挟み撃ちに逢っていた鉄道は、世界的には斜陽産業と見做され、フランス国鉄で331km/hの記録を出しており、枯れた既存技術で200km/h-250km/h程度の営業運転は可能と見られてはいましたが、そのための追加投資に及び腰で、当時の高速列車は最高速160km/h止まりでした。

日本でも民間航空とモータリゼーションは欧米に遅れながら進んでいたのですが、その一方で戦後復興が軌道に乗って旺盛な需要拡大で、特に東海道本線は早晩輸送力増強が必要な状況でしたが、航空とクルマに対して鉄道のシェアを維持するために、世界最高峰の高速鉄道の建設を意思決定します。戦前の弾丸列車計画である程度用地が確保されていたことも背中を押したのでしょう。

そのため可能な限り直線的なルートで計画され、名古屋から米原へは、当初鈴鹿山地をトンネルで抜けて直行するルートで検討されましたが、当時の土木技術水準では長大トンネルは建設費を増大させるということで、計画が具体化する中で、現在の関ヶ原ルートに落ち着きますが、そうなると岐阜県をかすめることになり、駅を造らないで反対されるリスクを回避するため、岐阜羽島駅の設置が決まった経緯があります。余談ですが鈴鹿山地ルートならば関ヶ原の雪に悩まされずに済んだ可能性はあります。

これだけが原因ではありませんが、計画を具体化する過程で妥協を迫られた結果、最高速は巡航速度200km/hプラス10km/hの210km/hとなり、東京―大阪3時間へ。そして京都駅への速達列車停車で3時間10分となります。加えて盛土の安定のために開業時は盛土区間の徐行で4時間となり、1年1か月後に徐行解除という対応が採られました。枯れた技術の集大成とはいえ、世界初の速度域の営業運転ということで、慎重を期したわけです。

結果的に東海道新幹線は沿線の人口と産業の集積を進め、事業としても大成功だったわけですが、一方で会計規則の変更で民間企業並みに減価償却を義務付けられたこともあり、皮肉なことに国鉄は新幹線開業年の1964年から赤字転落し、以後累積赤字を重ねて解体、分割民営化へ進むことになります。東海道新幹線単体で見れば償却後も大幅黒字ですが、電化、ディーゼル化による動力近代化と需要が旺盛な幹線ルートの複線化に、首都圏通勤五方面作戦もあって、償却資産を増やし続けたことで、赤字は拡大の一途をたどります。巷間言われる赤字ローカル線問題はむしろ無償貸与または譲渡で減価償却が発生しませんので、経営への重荷という意味では主たる原因とは言い難いところです。

この頃の国鉄幹部の経営能力はかなり低かったようで、赤字解消のために生産性を上げようとして所謂マル生運動を仕掛けて労組と破局的な対立をしたり、東海道新幹線の好調ぶりに「新幹線なら何とかなるかも」と全国新幹線網を構想して、整備法が国会で成立するのを受けて、とりあえず輸送力が逼迫しつつあった山陽本線の救済名目で山陽新幹線を着工し、岡山開業、博多開業の2段階で事業を進めましたが、この頃には大型機の就航もあって長距離では航空のシェアを切り崩すには至りませんでした。

その一方、整備法の縛りもあって新規着工の新幹線は最高速260km/hで最小曲線半径も東海道の2,500mから4,000mに、軌道中心間隔4.2mから4.3mとグレードアップされましたし、加えて高度経済成長期の年率5%に及ぶインフレもあって、東海道新幹線より減価償却費の負担が重くのしかかる一方、輸送量は東海道の凡そ1/3に留まり、単体で辛うじて黒字も、並行する在来線の赤字転落もあって、国鉄全体の収支改善にはほとんど寄与しませんでした。寧ろ減価償却費の増大はフリーキャッシュフローを生み出しますから、会計上赤字でも現金は潤沢で、身の丈に合わない過剰投資は加速し収支悪化が止まらないわけです。

こうして国鉄解体、分割民営化へと進むわけですが、民営化でJR各社が軒並み収支改善された秘密の1つは、JR各社の国鉄継承資産の圧縮記帳です。旧国鉄勘定で資産の減損処理をして、新会社へは例えば貨物コンテナ1個1円とかで継承し、バランスシートが身軽な状態でスタートしたことによります。ただし本州3社に継承された新幹線だけは例外で、営業権こそJR各社に帰属しますが、資産としては新幹線保有機構という特殊法人に継承させて、JR各社から線路使用料を徴収する形にして、旧国鉄債務の一部として負担させたわけです。しかしこれは見直されます。

対航空で競争力を高めたいJR東海は300系で270㎢/h運転を実現しますが、稼ぎ頭の東海道新幹線でリース料の負担が重い一方、減価償却費が得られず投資の停滞を余儀なくされます。また他社に先駆けて株式上場を目指すJR東日本は、東京証券取引所の助言で、主たる事業資産である新幹線が自己保有ではない状況では、減価償却費による継続投資ができないから、事業継続に疑義があり上場は難しいと指摘されたことを受け、国に新幹線買い取りを提案。東海と西日本も同意して買い取りが決まります。

この時の価格査定で時価法の1種である再取得価格法によります。簡単に言えば同等の資産を現時点で再取得する際にかかる費用ですが、非償却部分の地価部分が膨張しているわけですから、車両更新を進めて対航空の競争力を高めたいJR東海にとっては不満の残る査定となりました。そして後にこれでは東海道新幹線の設備更新が滞ると国に不満をぶつけて、のぞみ料金の上乗せ部分を非課税積み立てして設備更新に備える新幹線版特特法のような仕組みを勝ち取ります。その後工法の見直しで設備更新費用は圧縮され、JR東海は舌出してます。JR東海がリニアに傾斜するのは、それだけ余剰資金が潤沢だということでもありますが、そのリニアでも大阪開業前倒しで利子補給を取り付けるなど、国を騙して利益を得るその手法は、ある意味森友学園よりも悪辣かも。

一方国鉄が事業主体となる前提の新幹線網整備法も有名無実化する可能性があったわけですが、分割民営化時点で既に基本計画から整備計画へ昇格していた5路線の整備スキームが検討され、現在の所謂整備新幹線スキームになるわけです。元々国鉄の存在を前提とした法律を民営化JRに担わせるために、国と地方が2:1の比率で助成し、JRの負担も30年リースで償還するというもので、事業費圧縮のためにフル規格の他にミニ新幹線とスーパー特急という3メニューを用意して、国、地方、JRの3者の合意に基づいて着工という手順が決まりました。その際並行在来線はJRの経営から分離することと、分離に伴う貨物やローカル輸送由来の赤字負担がなくなる部分も加えたJRの受益分がリース料の算定基準とされました。

これJR東日本の上場時の東証の助言から言えば、九州新幹線を抱えるJR九州の上場はやや違和感があるわけですが、JR九州の場合不動産や流通など関連事業の好調で鉄道事業の比率がJR各社中最低の49%ということもありますが、鉄道事業でも経営安定基金を取り崩して新幹線リース料の一括支払いとその他の鉄道資産の減損処理を上場前に済ませて、上場後の負担を軽くしたわけで、JR発足時の圧縮記帳を繰り返したわけで、ルール上はかなりきわどいことをやってます。

一方赤字圧縮のために大幅な路線廃止を打ち出したJR北海道にとっての北海道新幹線は、貨物との共用の制約もあって共用区間の最高速140km/hで並行在来線切り離しは函館本線函館―新函館北斗と江差線五稜郭―木古内で受益が少ない上、函館本線に関しては電化して新車まで入れて三セクに渡すという追加費用も発生してますし、共用区間は並行在来線ではないので、JR貨物の割安な線路使用料はそのままということで、実態として経営改善にはほとんど寄与していないですし、むしろ青函トンネル自体の老朽化もあって保守費用の負担は今後も増えると見込まれます。上場どころか事業継続の危機ともいうべき状況です。

JR北海道は北海道新幹線の札幌延伸に期待を繋いでいるようですが、東京から5時間超では上記の4時間の壁問題で航空からの移転は期待できません。それでも並行在来線切り離しの受益は見込めますが、人口の希薄な北海道では北陸新幹線つるぎのような近距離利用も期待薄です。整備新幹線自体がリース資産で減価償却がありませんから、スピードアップのための追加投資の原資が得られないわけで、この点は一括支払いを済ませた九州新幹線にも当てはまります。こうして見ると整備新幹線は未来のない中途半端な存在ということができます。加えて政治性が機能の低下を後押しします。

北陸新幹線の全ルート確定 敦賀以西31年着工  :日本経済新聞
小浜―京都ルートも驚きですが、京田辺市(学園都市線松井山手付近)経由の南回りルートとこちらもう回路です。京阪間で料金不要の新快速よりも遅いわけで、何のための新幹線なんでしょうか。小浜―京都ルートに関しては、京都と若狭地区の繋がりの深さを指摘する向きもありますが、そういうローカルな需要はバスの若江線(近江今津―上中)の在来線鉄道建設で満たせるはずで、新幹線である必要はありません。事業性を考えたら米原ルート一択だった筈。しかも北海道新幹線札幌延伸後の2031年まで財源なしですし、そもそも並行在来線をどうするのか。まさか湖西線を切り離すじゃ受益のない滋賀県が同意するはずもないですし。政治に忖度して岐阜羽島駅を作った東海道新幹線のツケがこういう形で跳ね返るとは。つくづく日本の統治システムの醜怪さに眩暈がします。

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Sunday, January 15, 2017

リスクを恐れない迷惑な人々

トランプラリーもやっと一服ですが、止めたのは?

東証大引け、反落 トランプ氏会見後の円高嫌気 医薬品が大幅安  :日本経済新聞
11日のトランプ氏自身の記者会見でした。しかも話題の中心は経済ではなくロシア。
トランプ氏、米メディアと対決姿勢 CNNなどを批判  :日本経済新聞
CNNの記者の質問に答えず「お前のところは嘘つきメディア」などと非難。CNN記者も食い下がりますが、この辺予定調和の日本の記者クラブ会見とは大違いです。とはいえ質問にまともに答えないとすれば、報道するメディア側も打つ手がないのが現実です。トランプ流メディアコントロールだとすれば問題ですが。

ただしCNN記者が問題視していたのが、トランプ氏がロシアに弱みを握られているという醜聞に関するものであり、言ってみれば出所不明の噂ですから、fact check という意味でメディア側の態度にも疑問は残りますが、ロシアによる大統領選介入に関してはトランプ氏も認めており、真偽よりも遺恨試合的に尾を引きそうです。アメリカ流の報道の自由にとっては課題が残ります。それでも日本よりはマシなのかな。

トランプ氏会見、サイバー攻撃「ロシア関与」  :日本経済新聞
米情報当局絡みですから、真偽は藪の中として、情報当局としてもこんな発表をすることになろうとは思っていなかった筈。トランプ氏の大統領選勝利はそれぐらい想定外だったんでしょうけど、同時にアメリカの民主主義制度の中心に外国ハッカーが介入できる脆弱性があるなんて発表のシュールさは何とも。逆にアメリカ情報当局による外国選挙への介入は噂レベルでも多数あり、日本の自民党にCIA秘密資金が渡っていたことは既に公文書公開で明らかになっています。当時と違ってアメリカの圧倒的な力の優位は失われ、ロシアが同じことができるレベルに追いついてきている現実を見せつけました。ましてマンパワーに勝る中国は?

蛇足ですが、従来「関税」と訳されてきた border tax を日経が「国境税」と訳したことで、やっと現実に追いついてきたかと。WTOルールでは輸出品に対する税還付は間接税に限って認められており、担税者と納税者が形式上一致することから直接税に分類される法人税では不可能という見解もありますが、世界的に多国籍企業の法人税逃れが問題視される中、税の専門家の間では法人税の本来の担税者は法人なのか?という議論が進みます。

元々事業所得としての最終利益に課税されるわけですから、ザックリ言えば営業余剰の配分を巡って国(税金)と株主(配当)と経営者(役員報酬)の間の利害調整に過ぎない問題です。法人税減税で直接利益を得るのは株主と経営者ってわけで、法人税収の減少は国家財政を圧迫する形で国民に転嫁されるわけですから、当然「法人税減税で賃金が上がる」という議論は成り立ちませんし、話を戻しますが、こうした隠れた担税者を視野に入れれば、法人税を間接税と見做すことは可能です。問題は数値を的確に把握し課税できるのか?という実務面のハードルです。貿易インボイスのようなものが導入される可能性もありますが。

ってことで、トランプ政権の政策的な目玉はこんなところでしょう。対米貿易黒字の大きい中国やメキシコは反発するかもしれませんし、メキシコに生産拠点を持つ日本企業にとっても影響はあるでしょうけど、騒ぐほどの問題じゃありません。それより自動車ならばカリフォルニアのZEV規制で2018年にもPHV以外のハイブリッド車がZEV指定を取り消されるとか、そっちでしょ。VWのディーゼル排ガス不正をきっかけに次世代環境車の本命はEVで確定しており、EV投資を考えたら、アメリカ国内への投資は避けられないところです。てなことを頭に置けば、こんなニュースも見方が変わります。

トヨタ「トランプ対策」奏功するか 米で1.1兆円投資  :日本経済新聞
トヨタにしてみれば5年間で100億ドルのアメリカ国内投資はわけないところ。それでトランプ政権へのリップサービスになるなら安いもの。トランプ氏にとっても「あのトヨタを動かしてやったぜ。ウェーイ!」と支持者にアピールできます。しかもこれエビデンス不要です。実勢を追跡するような支持者はいないってことですね。アメリカでは政策のエビデンスが強く求められ、オバマ大統領もそれゆえ思い通りの政権運営ができなかったんですが、トランプ流だと名指しされた企業がこういう反応をする限り、支持者から「トランプ氏スゲー!」の反応が返り支持率が上がるという構図です。これこんなのと同じになるってことです。
見えた?GDP600兆円 計上分野広く、五輪特需も  :日本経済新聞
アベノミクスで2020年に名目GDP600兆円達成を掲げていますが、それとは別に国連勧告に則った算定基準の改定があり、研究開発費等のGDP算入が2016年度中に実施と予告され、2016年10-12月期改定値から適用されました。新基準は過去に遡って適用されますから、GDP数値目標を設定したときの数字が隠れてしまい、比較不能になってエビデンスが成り立たなくなるわけです。

元々フローの数字に過ぎない名目GDPで数値目標自体意味がないんですが、税収に波及しますから、名目GDPの目標達成は歳入増による財政再建というストーリーとして上書きされるわけで、増税や歳出削減などの痛みを伴う対策なしに財政健全化をアピールするというレトリックなんですが、そんなアベノミクスをトランプ政権が見習っているとすれば、米欧二極でエビデンス不在の経済政策が進められることを意味します。今年最大のリスク要因でしょう。

日本に関しては変化なしではあるんですが、問題は必ず訪れる日銀の緩和政策の限界です。ただでさえトランプ相場で長期金利に上昇圧力がかかる中、既にマイナス金利水準=元本より高く買っている国債は満期まで保有しても損失が出ますから、それを見越した損失引当金を積んでいる状況ですが、元々低金利でほとんど金利収入が消えている中実際に金利上昇局面になれば引き当てが追い付かなくなり損失を出す可能性があります。そうなれば中央銀行発の大規模な金融パニックは避け難く、リーマンショックを簡単に超える水準の信用不安になります。日銀の緩和政策でリスクを集中させた結果ですから如何ともし難いところです。迷走する東芝

東芝、原発事業で陥った新たな泥沼:日経ビジネスオンライン

ややこしい構図なんですが、米原子力子会社WHの建設協力会社であるCB&Iの原発部門S&Wを巡る新たな減損が数千億円規模ということで、完全に再生シナリオが狂いました。そもそもCB&IがS&Wを切り離したのは原発建設を巡る規制強化で工事が度々中断し工期が遅れコストが増える中、WHとの間でも事業費の増額を巡って係争していたのを、S&WをWHが買い取ることで目先の損失を回避したんですが、資産査定の結果、追加減損が発生したわけです。CB&Iにとっては原発リスクを切り離せた一方WHは当座の損失は回避できたもののリスクを背負い込んだわけで、結果としてのリスク集中がそもそも問題なのですが。「原発は儲かる」は幻に。

話題を変えますが、本日1月15日は軽井沢のスキーバス事故から1年にあたります。

バス会社社長ら現場で献花 軽井沢事故1年  :日本経済新聞
事故を受けて再発防止策が講じられ改正道路運送事業法も施行され、貸切バス運賃の値上げなども行われたものの、違反は後を絶たず、特に基準を下回る低運賃請負はなくなりません。だからドライバーの待遇改善も進まずドライバー不足は解消されない状況です。それどころかインバウンドブームに乗じてバスの台数そのものは増えており、安値受注合戦はなくならないという悪循環です。バス会社にしてみればブームに乗っかれってことなんでしょうけど、その結果が事故などのリスクを大きくしているのだとすれば救われません。リスクを恐れないのは迷惑なんだってことを声を大にして言いたいところです。

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